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PDMとは|3D CAD Onshape データ管理方法を解説

こんにちは、エービーケーエスエスの横山です。本ブログでは、元設計者の私が「3D CAD Onshape」を使ってみた感想をシェアしています。

今回は「Onshape のデータ管理/PDM機能」について解説します。


このような方におすすめの記事です

  • Onshapeの「データ管理の方法」について知りたい方
  • Onshapeの「バリエーション管理とシェア」について知りたい方
  • Onshapeの導入を検討している方
  • Onshapeの使用感を知りたい方


目次[非表示]

  1. PDMとは
  2. Onshapeとは
  3. Onshape のデータ管理
  4. Onshapeの用語について
    1. Document
    2. Workspace
    3. History
    4. History entry
    5. Version
    6. Branch
    7. Tab
  5. 枝分かれしたWorkspace ブランチの作成
  6. ブランチのマージ
  7. Document/Folderのシェア
  8.  Documentをグループ化するProject
  9. おわりに


PDMとは

PDM(Product Data Management)とは、膨大なCADデータ部品表(BOM)などの設計技術に関する情報を一元管理するシステムです。「情報数が多すぎる」「必要なデータを検索できない」「最新データがどこにあるか分からない」等の課題に有用です。

機能はこちらの通りです。

  • データの一元化
  • データをリアルタイムで共有
  • データの再利用
  • ワークフローの可視化・標準化


PDMシステムを搭載していると、CADデータに加えられていく変更履歴の保存だけでなく、後から特定のバージョンのファイルを呼び出すことも可能です。                            また、トラブル対応や追加設計の場合、過去のCADデータから、誰がいつどんな変更を加えたかといった情報を確認できます。


Onshapeとは

SOLIDWORKS出身者が開発したことで有名な3次元CADソフトウェアです。使用感もSOLIDWORKSに非常に近い印象です。SOLIDWORKS の特徴は残しながらも、設計作業に必要な機能をクラウド上で完結できるなど、多くのメリットが追加されています。

もっと詳しく知りたいという方はこちらの記事もご覧ください。

  3D CADはクラウド移行が標準化?話題の「Onshape」を使ってみた 「Onshape」の概要と導入メリットについて分かりやすく解説。まずは、基本のスケッチ機能からご紹介します。 株式会社エービーケーエスエス


Onshape のデータ管理

Onshapeで作成したデータはもちろん、PDFやOfficeといった外部データを含めてクラウド上の安全な環境で統合されたPDMが完全に統合されています。
PDM機能を内蔵することを前提に設計されたソフトウェアなので、リビジョン管理や複数の設計案(バリエーション)のブランチとマージ、すべての変更履歴の保存と回復が可能です。


  • PDMが完全に内蔵されておりシームレスなデータ管理を行うことができます  
  • 標準機能としてデータ管理機能を搭載しており、バージョン、ワークスペース管理に対応しています                         
  • バージョンの他、Onshape上の変更内容が「履歴」としてすべて記録されています

解説Onshape

解説Onshape

 

Onshapeの用語について

以下の用語について解説していきます。

  • Document
  • Workspace
  • History
  • History entry
  • Version
  • Branch
  • Tab


Document

「Document」とは 、Onshapeで作成するデータ単位のことです。3Dモデル(部品・アセンブリ)や図面、非CADデータなどを格納するコンテナになります。

クラウド上で作成・管理されるOnshapeのデータで、Document内で部品やアセンブリ、図面等の要素を「Tab」として作成します。Onshapeは3次元CADとしての機能だけでなく、システムに完全統合された環境でデータ管理機能を利用できます。


機能説明Onshape


ここがポイント!                        
  • DocumentはTabを格納する「コンテナ」であり、デスクトップ型の「ファイル」のように実体を持つものではありません


Workspace

Document内に存在する、現在の状態を表す作業領域のことで、モデリングや編集作業を行う領域です。


History

Workspace内で行ったすべての変更作業を記録し、時系列で表示したリスト。Workspaceごとに存在し、変更作業が完了するたびにHistory entryが自動で作成されます。


History entry

History内に自動で作成される、特定の時点でWorkspace内で行った変更作業の記録。History entryごとにWorkspaceの状態を保存します。


Version

ドキュメントのHistory entryに対して付加する、進行状況を表すマーカー。ユーザーが任意のタイミングで作成し、VersionごとにWorkspaceの状態を保存します。


Branch

任意のVersionから別のWorkspaceを作成するコマンド。または作成したWorkspaceを指すこともあります。


Tab

Document内に格納されるPart Studio、Assembly、Drawingや非CADデータなどの各種要素を表すもの。Document内のアクティブなWorkspaceに対して作成されます。



枝分かれしたWorkspace ブランチの作成

指定したバージョンからDocument内に別のWorkspace(Branch)を作成できます


解説図Onshape


ここがポイント!
  • Workspace毎にHistoryを持ち、Workspace内の変更を記録します
  • 作業するWorkspaceはいつでも切り替え可能です 



ブランチのマージ

 各Workspaceで行った変更内容は「マージ」により他のWorkspaceへ上書きすることができます


解説図Onshape


ここがポイント!
  • Workspaceの状態がマージされても過去のHistory entryに変化はありません                                         
  • マージした作業もHistory entryに記録されます
  • 設計データをマージすることで、様々な設計データの中で採用されたデータはどれなのか、流れも含めて管理することができます


Document/Folderのシェア

Document/Folderは特定のUser/Teamを対象にDocumentへの編集・操作の権限を設定してシェアできます


解説図Onshape


ここがポイント!
  • シェアの相手に対して編集可能もしくは読み取り専用の権限を与えることができます
  • シェア機能を使うと複数人での設計、遠隔地の設計者とのやり取り、客先とのデータの共有など、クラウドならではのデータ共有と共同編集が可能になります。ワークフローが完全に変わり、生産性を向上させることができるでしょう
  • 従来発生していた、ファイルコピーの問題やデータ送信の問題や、それにかかっていた時間を大幅に削減できます


 

 Documentをグループ化するProject

Onshape上のDocumentをグループ化する機能になり、クラウド上の保存領域のルート(最上位)に作成できます

解説図Onshape


ここがポイント!                                                                                         
  • Project内にさらにFolderを作成してDocumentを管理可能です
  • アクセスするユーザー/Teamの役割に合わせて権限を定義するProject Roleを作成しておくことで、一括で権限を割り当てられます




おわりに

最後までお読みいただき誠にありがとうございました。

Onshapeは、従来のCADシステムと違い、PDMが完全に内蔵されておりシームレスなデータ管理を行えます。クラウド上で全ての作業を行うことにより、データのやり取りが簡単に行えます。

編集履歴を確認することができたり、データの同時編集も行えるのも、他のソフトにない特徴的な機能だと思います。複数の設計者がお互いの画面を共有しながら、リアルタイムで編集作業を行えますので、作業の効率化が大きく進むのではないでしょうか。

このブログでは、今後も Onshape の他の機能もご紹介していこうと思います。ご愛読いただく皆さまの有益な情報になると幸いです。



Onshape のトライアル・製品資料をご希望の方へ

フルクラウド3D CAD「Onshape」の無料トライアル・製品情報をご希望される方は、弊社のOnshape製品ページもご参照ください。「お役立ち資料」のページでは、事例集などの資料が無料でダウンロードいただけます。

もしくは、横山(keiichi.yokoyama@abkss.jp)までご連絡いただければ、詳細なご質問にもお答えが可能です。



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横山
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エービーケーエスエスの横山です。 このブログでは「3D CAD Onshape」を使ってみた情報を連載しています。 他にも「製造業/建設業に関するITソリューション・最新ニュース」を中心に情報発信していますので、ぜひ普段の情報収集や業務改善に活用いただけると幸いです。
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