
PDMとは|3D CAD Onshape データ管理方法を解説
こんにちは、エービーケーエスエスの横山です。本ブログでは、元設計者の私が「3D CAD Onshape」を使ってみた感想をシェアしています。
今回は「Onshape のデータ管理/PDM機能」について解説します。
このような方におすすめの記事です
- Onshapeの「データ管理の方法」について知りたい方
- Onshapeの「バリエーション管理とシェア」について知りたい方
- Onshapeの導入を検討している方
- Onshapeの使用感を知りたい方
目次[非表示]
PDMとは
PDM(Product Data Management)とは、膨大なCADデータ部品表(BOM)などの設計技術に関する情報を一元管理するシステムです。「情報数が多すぎる」「必要なデータを検索できない」「最新データがどこにあるか分からない」等の課題に有用です。
機能はこちらの通りです。
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PDMシステムを搭載していると、CADデータに加えられていく変更履歴の保存だけでなく、後から特定のバージョンのファイルを呼び出すことも可能です。 また、トラブル対応や追加設計の場合、過去のCADデータから、誰がいつどんな変更を加えたかといった情報を確認できます。
Onshapeとは
SOLIDWORKS出身者が開発したことで有名な3次元CADソフトウェアです。使用感もSOLIDWORKSに非常に近い印象です。SOLIDWORKS の特徴は残しながらも、設計作業に必要な機能をクラウド上で完結できるなど、多くのメリットが追加されています。
もっと詳しく知りたいという方はこちらの記事もご覧ください。
Onshape のデータ管理
Onshapeで作成したデータはもちろん、PDFやOfficeといった外部データを含めてクラウド上の安全な環境で統合されたPDMが完全に統合されています。
PDM機能を内蔵することを前提に設計されたソフトウェアなので、リビジョン管理や複数の設計案(バリエーション)のブランチとマージ、すべての変更履歴の保存と回復が可能です。
Onshapeの用語について
以下の用語について解説していきます。
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Document
「Document」とは 、Onshapeで作成するデータ単位のことです。3Dモデル(部品・アセンブリ)や図面、非CADデータなどを格納するコンテナになります。
クラウド上で作成・管理されるOnshapeのデータで、Document内で部品やアセンブリ、図面等の要素を「Tab」として作成します。Onshapeは3次元CADとしての機能だけでなく、システムに完全統合された環境でデータ管理機能を利用できます。
ここがポイント!
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Workspace
Document内に存在する、現在の状態を表す作業領域のことで、モデリングや編集作業を行う領域です。
History
Workspace内で行ったすべての変更作業を記録し、時系列で表示したリスト。Workspaceごとに存在し、変更作業が完了するたびにHistory entryが自動で作成されます。
History entry
History内に自動で作成される、特定の時点でWorkspace内で行った変更作業の記録。History entryごとにWorkspaceの状態を保存します。
Version
ドキュメントのHistory entryに対して付加する、進行状況を表すマーカー。ユーザーが任意のタイミングで作成し、VersionごとにWorkspaceの状態を保存します。
Branch
任意のVersionから別のWorkspaceを作成するコマンド。または作成したWorkspaceを指すこともあります。
Tab
Document内に格納されるPart Studio、Assembly、Drawingや非CADデータなどの各種要素を表すもの。Document内のアクティブなWorkspaceに対して作成されます。
枝分かれしたWorkspace ブランチの作成
指定したバージョンからDocument内に別のWorkspace(Branch)を作成できます
ここがポイント!
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ブランチのマージ
各Workspaceで行った変更内容は「マージ」により他のWorkspaceへ上書きすることができます
ここがポイント!
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Document/Folderのシェア
Document/Folderは特定のUser/Teamを対象にDocumentへの編集・操作の権限を設定してシェアできます
ここがポイント!
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Documentをグループ化するProject
Onshape上のDocumentをグループ化する機能になり、クラウド上の保存領域のルート(最上位)に作成できます
ここがポイント!
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おわりに
最後までお読みいただき誠にありがとうございました。
Onshapeは、従来のCADシステムと違い、PDMが完全に内蔵されておりシームレスなデータ管理を行えます。クラウド上で全ての作業を行うことにより、データのやり取りが簡単に行えます。
編集履歴を確認することができたり、データの同時編集も行えるのも、他のソフトにない特徴的な機能だと思います。複数の設計者がお互いの画面を共有しながら、リアルタイムで編集作業を行えますので、作業の効率化が大きく進むのではないでしょうか。
このブログでは、今後も Onshape の他の機能もご紹介していこうと思います。ご愛読いただく皆さまの有益な情報になると幸いです。
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もしくは、横山(keiichi.yokoyama@abkss.jp)までご連絡いただければ、詳細なご質問にもお答えが可能です。
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