2025年注目の補助金・助成金9選!中小企業におすすめの制度を紹介
近年、中小企業や小規模事業者に対する支援として、多種多様な補助金・助成金制度が用意されています。これらを上手に活用することで、資金面や人材面のハードルを乗り越え、新しい取り組みにチャレンジできる可能性が高まります。
本記事では、2025年に注目を集めそうな補助金・助成金の制度と特徴を幅広く紹介します。
このような方におすすめの記事です
- コストを抑えて新規設備やシステムを導入したい
- どの補助金が自社に合っているのか分からない
- 書類作成や手続きが難しく、申請に踏み込めない
- 補助金・助成金の最新情報を知りたい
目次[非表示]
補助金・助成金の違いとは
補助金とは
補助金は、国や地方自治体が掲げる政策目標に沿った事業を行う企業をサポートする仕組みです。
例えば「市場拡大」や「先進技術の開発」など、産業の発展や社会的課題の解決を促す取り組みが対象となります。返済不要である点は魅力的ですが、申請のタイミングや審査基準が厳しく設定されることが多く、計画的な準備が不可欠です。
助成金とは
助成金は、主に雇用の安定や人材育成を促進する国の施策の一環として交付される制度です。
例えば「非正規社員の正社員化」や「多様な働き方を推進」する取り組みに活用できるものがあります。
助成金は補助金に比べて取り組むテーマが明確になっていることが多く、要件を満たしやすい点が特徴です。そのため、中小企業にとっては人材確保やキャリアアップ支援を行う際の強い味方となります。
補助金・助成金を活用する3つのメリット
資金負担の軽減と投資リスクの抑制
企業が新たな設備導入やウェブサイト構築などに投資を行う際、自己資金の確保が負担になることが多々あります。
補助金や助成金は必要経費の一部を公的な支援でカバーできるため、資金繰りが厳しい場合でも安心です。結果として、挑戦したい事業の早期実現が可能となり、機会損失を防止する効果も期待できます。
事業拡大や新分野進出の可能性が広がる
新技術の研究開発や新規サービスのテストマーケティングなど、リスクが高い取り組みにも資金的な後ろ盾があると挑戦しやすくなります。
とりわけ事業再構築補助金のように、新分野への参入を後押しする制度を活用すれば、これまでにない市場を開拓する好機となるでしょう。結果的に、企業の成長を加速させるうえで有効な選択肢となります。
企業イメージや採用力向上にも寄与
国や自治体からの補助金・助成金を受給していることは、外部からの信頼感を高める要素となります。
また、助成金を活用した人材育成や雇用環境の整備が進むと、会社の魅力が高まり、人材確保にも好影響が期待できます。中長期的に見ても、こうした取り組みが企業のブランディングにプラスに働くのは大きなメリットといえます。
2025年最新!おすすめ主要補助金・助成金10選
2025年に特に注目度が高まると予想される補助金・助成金をご紹介します。自社の経営課題と制度の要件を照らし合わせながら、最適な補助金や助成金を選択していくことが重要です。
IT導入補助金
「IT導入補助金」は、登録されたIT導入支援事業者が提供するソフトウェアやクラウドサービスを導入して生産性を高めることを目的としています。
導入するITツールの種類や補助類型(通常枠・セキュリティ対策推進枠など)に応じて補助率や上限額が異なりますが、中小企業では最大1/2、小規模事業者等で特定の要件を満たす場合は最大2/3の補助が受けられるケースもあります。
補助額は導入予定の業務プロセス数やツールの種別により変動しますので、詳細な金額は公式ウェブサイトで確認するか、こちらからお問い合わせください。
対象者 |
中小企業・小規模事業者 |
目的 |
生産性向上を図るため、ITツール(ソフトウェア、クラウドサービス等)の導入を支援する |
補助率 |
中小企業は1/2以内、一部の条件を満たす事業者は2/3以内 |
補助額 |
業務プロセス数に応じて変動(詳細な試算はウェブサイト上のシミュレーターで確認可能) |
対象経費 |
ソフトウェア購入費、クラウド利用料(最大2年分)、機能拡張、データ連携ツール、セキュリティ対策、導入コンサルティング・設定・研修・保守サポート等 |
参照:独立行政法人中小企業基盤整備機構「IT導入補助金2024」https://it-shien.smrj.go.jp/
小規模事業者持続化補助金
「小規模事業者持続化補助金」は、従業員数が少ない企業や個人事業主などが、販路開拓や業務効率化のための取り組みを支援する補助金です。
広告宣伝や展示会への出展費用、ウェブサイトの制作費など幅広い経費が対象となる可能性があります。補助率は原則として2/3で、上限額は一般的に50万円ですが、特定の要件を満たす場合や特別枠では上限が引き上げられるケースもあります。
対象者 |
小規模事業者(商業・サービス業は5人以下、製造業等は20人以下の従業員) |
目的 |
経営計画に基づいた販路開拓や業務効率化等の取組みを支援 |
補助率 |
2/3(赤字事業者については3/4) |
補助額 |
通常枠50万円、特例で最大250万円 |
対象経費 |
チラシ・パンフレット作成、ホームページ制作、展示会出展費、店舗改装費など |
参照:全国商工会連合会「小規模事業者持続化補助金〈一般型〉公式サイト(令和6年度)」https://r6.jizokukahojokin.info/
ものづくり補助金
「ものづくり補助金」は、主に新製品の開発や新しい生産プロセスの導入など、技術革新を目指す中小企業に向けた制度です。補助率は1/2もしくは2/3程度となることが多く、上限額は1000万円以上になる場合もあります。
補助金は目的外使用が疑われる場合、故意・過失を問わず返還対象となることがあります。事務用PCやスマホ、家具などは補助対象外となりますので注意しましょう。
対象者 |
成長志向の中小企業者等 |
目的 |
物価高や賃上げ等の事業環境変化に対応し、革新的な製品・サービス開発や生産性向上を支援 |
補助率 |
【製品・サービス高付加価値化枠】
中小企業1/2、小規模事業者等2/3
|
【グローバル枠】
中小企業1/2、小規模事業者等2/3
| |
補助額 |
【製品・サービス高付加価値化枠】(従業員規模別)
5人以下:750万円、6~20人:1,000万円、
21~50人:1,500万円、51人以上:2,500万円
|
【グローバル枠】(従業員規模毎の 区切り無し)
3,000万円
| |
対象経費 |
革新的な製品・サービスの開発や生産性向上に必要な設備費、試作費、外注費、技術導入費、専門家経費など |
参照:ものづくり補助金総合サイト「ものづくり補助金ポータル」https://portal.monodukuri-hojo.jp/
中小企業省力化補助金(カタログ注文型)
「中小企業省力化補助金(カタログ注文型)」は、すでに登録された省人化・自動化ツールを導入する際に活用できる制度です。
あらかじめカタログ化された機器やサービスが明示されているため、申請要件を満たしやすく、検討がスムーズになるのが魅力です。人手不足対策や作業の効率化を進めたい事業者にとっては要チェックの補助金といえます。
対象者 |
中小企業・小規模事業者 |
目的 |
人手不足解消のための省力化投資を支援 |
補助率 |
原則1/2以下 |
補助額 |
従業員数5名以下:200万円(300万円) ※カッコ内は特例適用時
|
従業員数6~20名:500万円(750万円) ※カッコ内は特例適用時 | |
従業員数21名以上:1,000万円(1,500万円) ※カッコ内は特例適用時 | |
対象経費 |
【製品本体価格】補助事業のために使用される機械装置、工具・器具、専用ソフトウェア・情報システムなどの購入経費 |
【導入経費】省力化製品の設置作業や運搬費、動作確認の費用、マスタ設定等の導入設定費用 |
参照:独立行政法人中小企業基盤整備機構「省力化補助金 カタログ型」https://shoryokuka.smrj.go.jp/catalog/
事業再構築補助金
事業再構築補助金は、中小企業の新分野展開や業態転換などを支援する制度で、最大1億円の補助が行われました。
第13回公募(2025年3月26日締切)をもって終了し、2025年度からは後継制度として「中小企業新事業進出補助金」に統合される予定です。
参照:事業再構築補助金事務局「事業再構築補助金」https://jigyou-saikouchiku.go.jp/
中小企業新事業進出補助金
「中小企業新事業進出補助金」は、2025年4月に新設された補助金制度で、既存事業とは異なる新市場や高付加価値事業への進出を目指す中小企業等を支援するものです。
中小企業が新たな市場や高付加価値事業に進出する際の設備投資等を支援し、企業の成長・拡大を促進することを目的としています。
対象者 |
日本国内に本社を持ち、企業の成長・拡大に向けた新規事業への挑戦を行う中小企業 |
目的 |
新たな市場や高付加価値事業に進出する際の設備投資等を支援 |
補助率 |
対象経費の【1/2】を補助 |
補助額 |
従業員数に応じて2,500万~7,000万円(賃上げ特例で最大9,000万円) |
参照:独立行政法人中小企業基盤整備機構「中小企業新事業進出支援補助金」https://shinjigyou-shinshutsu.smrj.go.jp/
業務改善助成金
「業務改善助成金」は、従業員の賃金や労働条件を改善し、生産性向上を目指す企業を対象に支給される制度です。
例えば、設備投資や業務工程の見直しにより労働時間を短縮する取り組みなども支援対象に含まれます。結果として労働環境が整備され、人材採用や定着率の向上につながるメリットが期待できます。
対象者 |
事業場内最低賃金と地域別最低賃金の差額が50円以内の中小企業・小規模事業者 |
目的 |
最低賃金引上げに伴う生産性向上の取組みを支援 |
助成率 |
申請を行う前の事業場内最低賃金により変動
1,000円未満:4/5、1,000円以上:3/4
|
助成上限 |
30万円~600万円(賃金引上げ額・人数により変動) |
対象経費 |
生産性向上に資する設備投資等(機械設備、コンサルティング導入や人材育成・教育訓練) |
参照:厚生労働省「業務改善助成金」https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/zigyonushi/shienjigyou/03.html
キャリアアップ助成金
「キャリアアップ助成金」は、非正規社員の正社員化や有期契約社員の待遇改善など、人材のキャリア形成を支援する企業に交付される助成金です。
支給される額は、正社員への転換人数や人材育成の内容などによって変動します。企業にとっては、優秀な人材の流出防止や職場のモチベーション向上を図るきっかけにもなるでしょう。
対象者 |
有期雇用労働者等の非正規雇用労働者のキャリアアップを図る事業主 |
目的 |
非正規雇用労働者の処遇改善を支援 |
支援内容 |
【正社員化コース】 有期→正規:30万円~80万円(1名あたり) 無期→正規:15万円~40万円(1名あたり) |
【賃金規定等改定コース】 2.6万円~7万円(1名あたり) | |
【賃金規定等共通化コース】 45万円~60万円(1事業所あたり) |
参照:厚生労働省「キャリアアップ助成金」https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/part_haken/jigyounushi/career.html
人材確保等支援助成金
「人材確保等支援助成金」は、人手不足が顕著な業界や地域での採用活動や研修を支援する制度です。新卒採用や中途採用、研修プログラムの構築など、幅広い取り組みで経費の一部が負担軽減されます。
特定の条件下では補助率が高まることもあるため、人材獲得や定着に課題を抱える企業は積極的に検討する価値があるでしょう。
対象者 |
雇用管理改善を行い、離職率の低下に取り組む事業主 |
目的 |
魅力ある職場づくりにより人材確保・定着を支援 |
支援内容 |
(a)雇用管理制度・雇用環境整備助成コース |
参照:厚生労働省「人材確保等支援助成金」https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_07843.html
補助金・助成金の申請から受給までの流れとは
1.公募要件の確認と事業計画書づくり
公募要件の内容を細部までチェックすることは極めて重要です。経費の対象範囲や申請資格の有無を理解していないと、後々のトラブルにつながります。
事業計画書では事業の目的や具体的な手順、期待される成果を明確に示し、説得力のある内容に仕上げることが採択率の向上につながります。
2.申請書や書類の準備・提出方法
申請に必要な書類は数が多く、押印や電子署名などの手続きに時間がかかることもあります。
提出方法も電子申請だけで完了するケースや、郵送と併用するケースなど、制度ごとに異なるため要注意です。準備段階で書類リストを作成し、漏れや誤字・脱字がないよう複数回のチェックを行いましょう。
3.審査・交付決定後の実施報告
申請が受理されてから審査を経て交付が決定されると、一定期間内に実際の事業を進めることになります。交付決定から事業完了までのスケジュールはあらかじめ想定し、資金計画や作業計画を確立しておきましょう。
事業完了後には報告書や経費の支出証拠を提出する必要があり、必要書類をしっかり整理しておくことで、スムーズに補助金・助成金を受給できます。
申請時の注意点とは
こちらでは申請が通らない、あるいは書類不備で時間がかかるなどの失敗を避けためのポイントをご紹介します。
スケジュール管理とこまめな情報収集が重要
補助金・助成金の公募タイミングや要件は頻繁に変更されるため、公式サイトや自治体のホームページを定期的に確認しましょう。募集が開始されると短期間で締切になるケースもあるので、スケジュール管理の徹底が不可欠です。
早めに情報をキャッチアップし必要書類を用意することで、申請時のバタバタを回避しやすくなります。
専門家への相談や行政書士・社労士の活用
補助金や助成金の申請は、書類の形式や提出方法、要件適合性の判断などで専門的な知識が必要となる場合があります。
行政書士や社会保険労務士などの専門家に依頼することで、不備を減らし申請の精度を高めることが可能です。自社の経営資源を有効活用し、申請作業の効率を最大化する上でも、プロのサポートは心強い選択肢といえます。
加点とは?主要補助金の加点比較
補助金申請で意外と見落とされがちなのが「加点項目」の存在です。審査時に優遇評価を受けるための条件で、制度ごとに異なる基準が設けられています。
同じような申請内容でも加点の有無で結果が分かれることがあるため、申請前に確認しておくことが非常に重要です。
主要補助金の加点項目を比較
2025年に注目される3つの補助金制度「IT導入補助金2025」「小規模事業者持続化補助金」「業務改善助成金」について、それぞれの加点項目を比較しました。
項目 |
IT導入補助金2025 |
小規模事業者持続化補助金 |
業務改善助成金 |
賃上げ計画の実施 |
◎ |
◎ |
◎ |
事業継続力強化計画の認定 |
○ |
◎ |
- |
地域再生計画等との連携 |
○ |
○ |
- |
成長分野(GX・DX・海外展開) |
◎ |
○ |
- |
経営力向上計画の認定 |
○ |
◎ |
- |
複数事業者による共同申請 |
△ |
◎ |
- |
商工会議所等の支援を受けた申請 |
- |
◎ |
- |
過去不採択者の再チャレンジ |
○ |
◎ |
- |
補助金・助成金を使ったIT導入ならABKSSへ
数多く存在する補助金・助成金の中から、自社の規模や業態、目指す方向性に合った制度を選ぶことが大切です。
企業によって事業ステージや抱えている課題は異なるため、効果的な補助金・助成金の選択基準も変わってきます。制度の組み合わせ次第ではさらに効果を高められるため、自社の戦略を明確にしながら複数の制度を比較検討することが重要です。
ABKSSでは、企業が抱える課題に合わせたITツール導入のコンサルティングやサポートを行っています。補助金や助成金を適切に活用しながら、導入コストを抑え、導入後の運用体制構築までしっかりとフォローいたします。
まずはどんな補助金・助成金を活用したらよいかご相談ください。