kintone(キントーン)とは?特徴・導入メリットを徹底解説
kintone(キントーン)は、サイボウズ株式会社が提供するクラウド型の業務アプリ作成ツールです。プログラミング不要で直感的に操作でき、データの管理・分析も一元化可能で、コミュニケーションの活性化や生産性向上にも効果が期待されます。
本記事では、kintoneの特徴や用語、アプリの作り方、さらにはメリット・デメリットなどをわかりやすく解説します。導入の検討に役立つポイントを把握し、業務改善のヒントにしてください。
このような方におすすめの記事です
- 「kintoneってなに?」とCMや広告で気になっている方
- 現在使用しているツールやシステムに課題を感じている方
- 効率的なデータ管理や情報共有を実現するツールを探している方
目次[非表示]
kintoneの特徴
kintoneとは、誰でも手軽にアプリを作成できることが大きな魅力のツールです。
価格も安価で、一般的には外注が必要だったシステム開発も内製化しやすいため、コストや開発スピードの面で大きな優位性があります。
また、モバイルアプリをインストールすればスマホからもログインでき、インターネット接続があればどこからでも情報にアクセス可能です。テレワークや外出先での作業にも対応しやすく、チーム全体の情報統制や共有をスムーズに進めることができます。
ノーコードで誰でもアプリ作成可能
kintoneを使えば、専門的なプログラミング言語を学ばずともアプリケーションを組み立てることができます。必要な項目(フィールド)の追加や削除、画面レイアウトの変更も画面を見ながら直感的に行えるため、現場の担当者レベルで素早く改修や改善が進められます。
さらに、アプリテンプレートを活用すれば、顧客管理や案件管理などの一般的なアプリを初期設定で簡単に利用開始できます。最小限のカスタマイズからスタートし、運用しながら少しずつ機能を拡張していくことも可能です。
こうした柔軟性の高さにより、利用者自身が主体となって業務プロセスを改善しやすく、企業内のデジタルトランスフォーメーションを促進する役割を担います。
コミュニケーションを円滑化
kintoneでは、レコード(データ)ごとにコメントを残せるため、問い合わせや変更リクエストなどをスピーディーに共有しながら対応できます。メールやチャットツールを行き来する必要がなく、タスク完了までの過程をまとめて追跡することが可能です。
こうした情報共有のしやすさは、チームの風通しを良くし、日常的な業務をスムーズに進めるうえで非常に効果的です。
充実したセキュリティとアクセス権限
kintoneでは、ユーザーやグループ単位でアクセス権限を細かく設定でき、閲覧や編集などの操作制限を徹底しやすい仕組みがあります。これにより、プロジェクトごとや部署ごとに扱う情報の機密性を保ちながら効率的に業務を進めることが可能です。
さらに、動作ログの監査機能も整備されており、誰がいつどの操作を行ったかを履歴として確認できます。万が一の不正アクセスや誤操作が発生した場合でも迅速に対応できる点が安心材料です。
こうしたセキュリティ対策は、クラウドサービスを利用する際に欠かせない要素であり、企業規模や業種を問わず多くの導入実績につながっています。
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kintone用語集
kintoneを使いこなすため、基本用語の意味を理解しておきましょう。
レコードやステータスなど、大枠となる概念を把握することで、効率的にデータを管理し、情報の一元化を実現することが可能となります。
アプリ、スペース、レコードとは
アプリ(app)はkintone上で扱う業務ごとのデータ管理の単位で、顧客情報や案件情報などのまとまりを指します。スペースは、プロジェクト内で複数のアプリや掲示板機能をまとめて管理できる場所です。
レコードはアプリが持つ個々のデータ単位で、顧客1件や案件1件にあたります。例えば、顧客管理アプリであればレコードが顧客一人ひとりの情報を表し、カスタマイズして必要な情報を表示できます。
この三つの概念をベースにkintoneは構築されており、それぞれの役割を把握しておくことで柔軟なデータ設計や運用が可能になります。
アクセス権とプロセス管理
kintoneでは、ユーザーやグループごとに閲覧権限や編集権限(アクセス権)を細かく設定できます。データの安全性を担保しつつ、業務に必要なメンバーだけがアクセスできるよう制御することが重要です。
プロセス管理機能では、承認フローなどの状況を明確化することで、誰が確認中か、どこで止まっているかなどをリアルタイムに共有できます。
自社に合わせてステータスの数や名称を変えられるので、各現場のワークフローに応じた業務プロセスを構築できます。
SaaS、プラグイン、API、iPaaS
SaaSとは、インターネット経由で利用できるソフトウェアです。インターネット環境があればどこからでもアクセスできます。
kintoneのプラグインとは、標準機能では対応できない業務ニーズに応じて、機能を追加・拡張できるものです。無料で使えるものもあります。
APIとは他のシステムとデータを連携させるための仕組みです。
iPaaSはkintoneを始め複数のクラウドサービスやアプリのデータ連携を自動化・管理する仕組みのことです。
これらを組み合わせることで、更にkintoneの利用の幅を広げることができます。
広がるkintone活用と現場主導のDX
kintoneは多くの企業で導入され、顧客管理からタスク管理、問い合わせ窓口の運用など様々な形で業務改善に活用されており、多数の活用事例があります。
一度アプリを作成し運用を始めると、社内の別部門でも同様の仕組みを取り入れたいというニーズが広がりやすく、小規模から大企業まで規模を問わず導入が進んでいます。
30,000社突破で多様な業種に対応
kintoneは、小売業やサービス業、製造業やIT企業など、多岐にわたる業界で利用されています。料金が安価なため、導入時の初期コストも比較的低く、必要なアプリを手早く開発できる点が幅広いニーズに合致します。
こうした導入のしやすさとカスタマイズ性が相まって、多くの企業がkintoneを採用し、業務改善や情報共有に役立てています。
現場主導での業務改善が可能
kintoneの最大のメリットの一つは、システム部門に依存せずとも、現場社員が自分たちでアプリを作成・修正できることです。
例えば、営業チームが独自に顧客管理アプリを改良し、必要な項目を追加してデータ分析を行うなど、スピード感ある改善が可能です。これらの取り組みを重ねることで、現場の効率化だけでなく、DX推進の一助にもなります。
結果として、データ活用がしやすくなり、顧客とのコミュニケーション品質も向上するため、企業全体の売上や利益拡大にも寄与しているケースが多く見られます。
kintoneでできること
kintoneはノーコードでアプリを作成し、顧客情報を一括で管理したり、タスクの進捗をチーム内で可視化したりすることが可能で、情報共有が簡単に実現できる点が大きな魅力です。Excelを取り込むことで、今までの業務を簡単にkintoneに置き換えることもできます。
また、プラグインやAPIを活用することで、会計ソフトや外部メールシステムなど他サービスとの連携もスムーズに行えるため、日常業務を一つのプラットフォームに集約できるというメリットがあります。
業務アプリ作成によるデータ管理
kintoneでは、業務に必要な情報をレコードとして格納し、一元管理できます。
また検索機能や一覧表示のカスタマイズが充実しており、必要なデータを瞬時に抽出可能です。蓄積されたデータを分析し、売上予測やサービス改善に生かすことも容易です。
このように、日々蓄積されるあらゆる情報を、業務や部門をまたいで共有できる仕組みがkintoneの強みです。
社内外での情報共有
kintoneにはコメント機能や掲示板のようなコミュニケーション機能が備わっており、担当者同士だけでなく外部の取引先とも共有スペースを使ってやりとりが可能です。情報が一箇所にまとまるため、問い合わせ履歴や会議メモなども効率的に管理できます。
また、リアルタイムにステータスを確認できるので、部署間や担当者間の連携がこれまで以上に取りやすくなります。
こうした情報共有の容易さは、リモートワークを始め多様な働き方が浸透する現代のビジネス環境にも大変有用です。
kintoneでの情報共有についてはこちらもご覧ください
外部サービス連携
kintoneはAPIを公開しており、連携ツールを利用することでさまざまな外部サービスと連携できます。会計ソフトやメール配信システムなどを組み合わせることで、データの二重管理を減らし、業務を一元的に管理する体制を構築できます。
連携を行うためのツールはノーコードで使えるものが多く、専門知識がなくても導入が容易です。
社内システム全体をスムーズに連携させられるため、現場では単純作業の削減と業務効率化が期待できます。
あらゆる業種・部門への導入事例
kintoneは特定の業種だけでなく、営業、製造、総務、人事など、あらゆる部門の業務課題を解決する手段として活用されています。どの部門であっても、情報集約やタスク管理を行う必要があるため、kintoneの柔軟性が大いに活かされます。
例えば人事部では応募者管理や勤怠確認、製造部では工程管理や在庫管理などをアプリ化し、リアルタイムで情報を参照したり更新したりできます。
こうした幅広い利用実績から、企業全体のDXにおいて基幹システムをkintoneに集約するケースも増えてきています。
kintoneのアプリ作り方・基本操作
kintoneでは手軽にアプリを作成でき、運用もすぐに開始できます。
完成したアプリは実際の業務で使いながら、必要に応じてフィールドを追加したり、画面レイアウトを修正していくことができるため、業務フローの見直しや改善をスピーディーに進めやすくなります。
ガイドブックや便利な使い方の動画も多く、kintoneアソシエイトを始め公式の認定試験やそれらの勉強方法を活用することでより使いやすいシステムが完成します。
ドラッグ&ドロップでフィールド設計
kintoneのフィールド設計画面では、テキストボックスや日付型、数値型、添付ファイルなどの項目をドラッグ&ドロップで配置できます。ルックアップ機能で他のアプリのデータを参照することも可能です。またkintone内のアプリストアにて無料公開されているアプリテンプレートを利用すると、基本的な項目が最初から設置されるため、スピーディーにアプリの運用を開始できます。
プログラミング知識ゼロでもアプリが作成できるため、現場担当者が自分たちで試行錯誤しながら、「使いにくい」と感じた点を簡単に改修して最適なシステムを作り上げられる点が特長です。
ワークフロー機能で承認フローを設定
kintoneのワークフロー機能を使えば、申請や承認といったフローを画面上で簡単に設定できます。書類のやり取りを電子化することで、承認速度を上げつつペーパーレスにも貢献します。
たとえば、経費申請アプリを作成して上長や経理部への承認ルートを設定しておけば、どこで止まっているのかが一目でわかります。
ステータス変更は自動で通知されるため、メールによる連絡漏れを防ぎ、承認プロセスを効率化することで、企業の働き方改革にも寄与します。
kintoneの導入効果をより正確に見極めるためには、事前に実際の操作感を確認しておくことも重要です。導入前には、ぜひ30日間のトライアル版を活用してみましょう。
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kintoneを活用するポイントはこちら
kintoneのメリット・デメリット
kintoneを導入することで得られる利点と、注意が必要なポイントをまとめました。
便利な一方で、kintoneにも向き不向きがあるため、自社の目的や要件に合った使い方を見極めることが大切です。
社内での利用範囲をどこまで広げるか、データ量はどれくらいか、といった点を考慮すると、よりスムーズな導入と運用が実現しやすくなります。
【メリット】導入が簡単でスピード感がある
kintoneはクラウド型で提供されているSaaSツールのため、利用を開始するまでの準備が非常に簡単です。サーバーの構築や複雑なネットワーク設定は不要で、アカウントを発行して、必要なアプリを作るだけで基本的な運用が可能になります。
短期間でシステムを立ち上げられるため、新規事業や業務改革等、スピードが求められるシーンでも重宝されます。
【メリット】内製化によるコスト削減とDX推進
業務アプリを内製化することで、外注費やカスタマイズ費用を大幅に削減でき、必要最低限のコストでシステムを運用できます。
IT部門やシステム担当者に負荷を集中させず、各部署で管理・改善を進められるため、企業全体のDXが進みやすくなるメリットがあります。
これにより担当者自身がデジタルを活用した課題解決に取り組む文化が醸成され、さまざまな部門でイノベーションが生まれやすくなります。
【デメリット】専門的なシステム置き換えは難しい
kintoneは汎用性が高い反面、業界固有の特殊な機能や超高負荷がかかる業務には向かない場合があります。たとえば工場のリアルタイム制御や高度なAI分析といった機能は、kintone単体では十分に実行しづらいのが現状です。
このため、既存の専門システムを完全に置き換えるのではなく、kintoneと併用しながら部分的に補完する活用が中心となる場合もあります。
検討の際は、必要な要件を洗い出し、kintoneでカバーできる範囲を見極めたうえで導入計画を立てることが重要です。
【デメリット】大容量データの扱いには限界がある
kintoneでは数百万件以上の大量データを継続的に取り扱う場合など、パフォーマンス面で問題が生じることがあります。データ件数が膨大になると、表示や検索に時間を要するケースもあります。
必要に応じてデータを定期的にアーカイブする仕組みを導入するなど、運用面での工夫が求められます。
もし大規模なデータ分析や重い処理が必要であれば、専門のBIツールやデータベースとの連携を検討するといった方法が有効です。
kintoneのリスクとその対策についてはこちらもご覧ください
kintoneをさらに活用するプラグイン・連携サービス
kintoneは機能を拡張し、より効果的に活用するためのプラグインやサービスが多数提供されています。ノーコードで導入できるものが多く、より便利に運用できるようになる点が特徴です。
ここでは現場でよく使われているプラグインと、その機能概要を紹介します。
kMailer(メール送信)
kintone上に登録された顧客情報や案件情報をもとに、一斉メールや個別メールを効率的に送信できる、株式会社トヨクモが提供しているサービスです。メール本文のテンプレートや差し込み項目の設定など、営業効率を高める機能が充実しています。
問い合わせ対応やイベント案内のメールなど、用途を絞れば業務負荷を大幅に削減できます。
メールの送信履歴もkintone上で管理できるため、いつ誰に何を送ったかが常に可視化され、後追いのコミュニケーションも取りやすくなります。
krewData(データ集計)
大量のレコードから集計レポートを作ったり、複雑な計算を自動化したりする、メシウス株式会社が提供しているプラグインです。コマンドを置いてつなぐだけで計算やデータ加工の設定が可能で、手作業で集計する手間なくデータ分析を行えるようになります。
レコードの内容が変更された時など何かを行ったタイミングや、毎日決まった時間で自動でスケジュール実行するなどの機能があるため、kintoneアプリのデータ活用範囲が一段と広がり、業務上の意思決定を後押しします。
gusuku Customine(自動処理、画面操作)
gusuku Customine(グスクカスタマイン)は、kintoneのカスタマイズをプログラミングなしで実現できる、有限会社アールスリーインスティテュートが提供するクラウドサービスです。JavaScriptの知識がなくても、条件分岐や自動計算、ボタン追加といった複雑な動作を簡単に設定できます。
多くの業務要件に対応可能で、開発工数の削減やメンテナンス性の向上に貢献します。特に自社でエンジニアを抱えていない企業でも、高度なkintone拡張が行える点が特長です。
kintone導入はABKSSにご相談ください
kintone導入やカスタマイズなら、経験豊富なABKSSにご相談ください。
ABKSSでは、kintoneの導入検討から運用支援、さらにはそれによる業務改善など幅広いサポートを行っています。kintoneにできること、できないこともお伝えしながら現場の課題を丁寧にヒアリングし、最適なアプリ設計や業務改善を提案いたします。
企業規模や業種にあわせたカスタマイズ方法を提案できるため、kintoneを初めて導入する場合でも安心して相談していただけます。もし既存システムとの連携や大規模なデータ移行など懸念点があれば、ぜひ一度ご相談ください。
おわりに
kintoneは、初心者でも簡単に使い始められる一方で、企業規模や業種を問わず柔軟に拡張できるのが強みです。セキュリティ面やアクセス権限も充実しており、情報の一元管理とコミュニケーション強化を同時に実現できます。
導入のメリットやデメリットを理解したうえで、自社の業務フローや要望に合った使い方を検討してみると良いでしょう。現場担当者にとって使いやすいシステムを構築することが、効率化やDX推進の近道となります。
柔軟性の高いkintoneを上手く活用し、現場主導の業務改善を実現しましょう。
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