3Dレーザースキャナーとは?仕組みとメリット、選び方を解説

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3Dレーザースキャナーは、レーザー光を照射して反射を解析し、位置座標を取得して三次元データを生成する装置です。複雑な形状も正確に計測でき、建築や土木工事、インフラ点検など幅広い現場で欠かせない存在となっています。

本記事では、3Dレーザースキャナーの基本的な仕組みから、実際に導入するメリットや注意点、代表的なメーカー・機種まで詳しく解説します。

 

このような方におすすめです

  • 建築・土木分野で3Dスキャナーを検討している方
  • 業務用3Dスキャナーを選定されている方
  • 3Dスキャナーについて知りたい方

 

目次[非表示]

  1. 3Dレーザースキャナーとは
  2. 3Dレーザースキャナーの仕組み
    1. タイム・オブ・フライト(TOF)方式
    2. フェーズシフト方式
    3. 光投影法・レーザー切断方式
  3. 主な種類と特徴
    1. 地上型レーザースキャナー
    2. 移動体レーザースキャナー
  4. 導入メリットと主な応用分野
    1. 点群データの解析とソフトウェア活用
    2. 建設・土木分野における活用(i-Construction)
    3. 製造・品質管理への応用
    4. 防犯・事故原因調査への活用
  5. 3Dレーザースキャナー導入の注意点
    1. 光沢や暗所など測定が難しい
    2. 環境条件・安全性を考慮する
  6. 代表的なメーカー・機種
    1. Matterport
    2. FARO
    3. Trimble
    4. Leica
    5. TOPCON
  7. 3Dレーザースキャナーの選定基準
    1. 計測精度とスキャン範囲
    2. データ処理とソフト連携
    3. 操作性と導入コスト
  8. MatterportならABKSSにご相談ください
  9. まとめ

3Dレーザースキャナーとは

3Dスキャナー

3Dスキャナーとは、物体や空間の形状・外観を非接触で計測し、三次元データとして取得する装置です。レーザー光の反射を解析することで、手作業では難しい複雑な形状も正確に計測できます。

得られたデータはリバースエンジニアリング、製品開発、検査、可視化などに利用され、航空宇宙・自動車・建築・医療・エンタメ・考古学など幅広い分野で活用が進んでいます。近年は文化財保護やドローン測量など用途も拡大しています。

 

3Dレーザースキャナーの仕組み

タイム・オブ・フライト(TOF)方式

タイム・オブ・フライト(TOF)方式は、レーザー光が対象物に到達して反射して戻るまでの時間を計測し、距離を割り出す仕組みです。

広範囲を効率的にカバーできるため、大規模な建設現場や土木工事で多く採用されます。精度と範囲のバランスに優れ、ドローンを使った3dスキャンにも活用されています。

 

フェーズシフト方式

フェーズシフト方式は、レーザー光の位相のずれを解析して距離を算出します。

近距離での高精度測定に強く、室内や部品検査などに適しています。安定した精度が得られる一方、広範囲の計測には不向きな場合があります。

  

光投影法・レーザー切断方式

光投影法・レーザー切断方式は、投影されたレーザーラインやパターンの変形を解析して三次元形状を復元する方式です。

複雑な形状を短時間でデータ化でき、建築や製造のほか文化財保護にも利用されています。

 

主な種類と特徴

地上型レーザースキャナー移動体レーザースキャナー

地上型レーザースキャナー

地上型レーザースキャナーは、三脚などに固定して使用するタイプで、周囲の建物や構造物を高精度に計測できます。

数百メートル先までの点群を取得でき、建設現場の出来形管理や文化財の保存、トンネルや橋梁の測定などに活用されています。安定した精度と詳細なデータが必要な場面に適しています。

  

移動体レーザースキャナー

移動体レーザースキャナーは、車両やドローンに搭載して移動しながら周囲を計測する方式です。道路や河川、広大な工事現場など、固定式では時間がかかる広域の測量に有効です。

走行しながら短時間で大量の点群を取得できるため、インフラ維持管理や都市計画の分野で利用が拡大しています。

 

導入メリットと主な応用分野

点群データの解析とソフトウェア活用

3Dスキャナーで取得した点群データは、専用ソフトで建物や設備の寸法・変形を高精度に解析できます。従来の手計測では困難だった複雑な構造物も、短時間で3Dモデル化が可能です。BIMCADに取り込み設計検討に活かしたり、数量拾い出しや施工計画にも利用できます。

 

建設・土木分野における活用(i-Construction)

国土交通省が推進する「i-Construction」では、現場の測量や出来形管理に3Dスキャナー活用が広がっています。施工現場を短時間でスキャンすれば、土量計算や施工進捗をデータで可視化でき、報告書作成の手間も大幅削減します。ドローンICT建機との連携も注目されています。

 

製造・品質管理への応用

製造業では、部品や金型の完成品をスキャンし、設計データと比較することで品質検査が迅速化します。特に微細な形状や曲面のある部品でも非接触で計測でき、リバースエンジニアリングや金型摩耗の把握に有効です。

従来の治具測定に比べて作業負荷を軽減し、不良の早期発見トレーサビリティ確保にも役立ちます。

 

防犯・事故原因調査への活用

3Dスキャナーは事故現場や犯罪現場の状況を、そのままの形でデータ化できるため、原因究明再現検証に有効です。道路事故では車両位置やブレーキ痕を立体的に記録し、再シミュレーションもできます。

工場や建設現場でも、転落や設備損傷の状況を客観的に残せるため、再発防止策の立案保険対応の裏付けとしても活用されています。

3Dレーザースキャナー導入の注意点

光沢や暗所など測定が難しい

光沢のある対象ではレーザーの反射が強すぎて測定エラーが発生することがあります。そのため、特殊なマットコートスプレーで反射を抑えるなどの工夫が有効です。

暗所での撮影にも追加照明やスキャナーの設定調整が必要となるなど、計測対象に応じた準備を怠らないようにしましょう。

 

環境条件・安全性を考慮する

屋外で使用する際は、日差し・雨・風といった環境条件によって計測結果が影響を受ける場合があります。

作業エリアを区切り、レーザー光から周囲の人を保護するなど安全対策も必須です。特にドローンを使った3dスキャンでは、天候やドローンの耐用年数も考慮した運用が求められます。

 

代表的なメーカー・機種

Matterport

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Matterport(マーターポート)は空間データのデジタル化をリードする企業で、建築・不動産・製造業など幅広い分野に3Dスキャンソリューションを提供しています。クラウド連携と使いやすい操作性により、誰でも簡単にデジタルツインを構築できる点が強みです。

 

Matterport Pro3

Matterport Pro3は、レーザー光の反射を解析して複雑な形状も正確に計測できる3Dスキャナーです。約20秒で高速スキャンと高画質パノラマ撮影を同時に行い、クラウド処理で誰でも容易にデジタルツインを生成可能です。

概略モデルや状況把握などにも対応でき、建築・不動産・施設管理をはじめ幅広い分野で活用されています。

さらに価格は従来機の1/6~1/10と導入しやすく、性能とコストのバランスに優れた実用的な選択肢です。

  

▼現場で撮影された、Matterportによる3Dデータサンプルをご覧いただけます(無料)。画面上を自由に歩き回れるウォークスルー形式で、圧倒的な再現性と臨場感をぜひ体感してください。

FARO

FAROは精密計測機器で知られるメーカーで、特にレーザースキャナー「Focus」シリーズが有名です。耐久性にも優れ、屋外環境での使用にも対応可能。現場での堅牢な測定ニーズに応えるプロ仕様のスキャナーです。

 

Trimble

Trimbleは測量や建設分野に強みを持ち、3Dスキャナー「X7」などを展開しています。自動キャリブレーション機能を搭載し、誰でも安定した精度で計測可能です。

BIMやGISとの連携にも優れており、堅牢かつ携帯性にも配慮された設計です。

 

Leica

Leica は精密光学技術に基づく3Dスキャナー「RTC360」などで知られており、高速スキャンと自動登録機能により、短時間で高精度な3Dモデルを構築可能です。

建築、エネルギー、インフラ整備など多様な分野で採用され、先進技術を求める現場で選ばれるブランドです。

 

TOPCON

TOPCONは、測量・建設機器の大手で、モバイルマッピングやレーザースキャナーに強みを持ちます。高精度の位置情報と3Dデータを統合できるため、土木・建築・インフラ整備の現場で活躍しています。特に現場のワークフロー全体を支援するソリューションとして評価されており、施工管理や維持管理にも有効です。

 

3Dレーザースキャナーの選定基準

3Dレーザースキャナー

計測精度とスキャン範囲

建設現場では、地形測量や出来形管理に広範囲を短時間でスキャンできる機種が求められます。数十メートル先までカバーできれば、土量計算や進捗管理に直結します。一方、製造業では金型や部品検査にミリ単位の精度が必要です。

まずは用途に合わせて「広域向け」か「高精度向け」かを明確にしておきましょう。

 

データ処理とソフト連携

点群データは取得後の活用が肝心です。BIMCADへのスムーズな取り込み、ソフトとの互換性を確認しておくことで、設計検討や施工管理に直結します。

また、自動登録クラウド処理を備えたモデルであれば、現場から事務所へのデータ共有も効率化できるでしょう。

 

操作性と導入コスト

3Dスキャナーは「現場で誰が扱えるか」が導入の成否を分けます。操作が複雑で専門知識が必要な機種は普及しづらいため、直感的に使えるものを選ぶようにしましょう。

Matterport Pro3 は、初めてでも使いやすいと評価が高く、わずか20秒でスキャンを完了し、クラウド処理でデータを自動生成できます。さらに価格は従来のレーザースキャナーの1/6〜1/10程度なので導入しやすいスキャナーとして人気があります。

 

MatterportならABKSSにご相談ください

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ABKSSは、Matterport正規販売代理店として、機材選定から導入後の活用サポートまで一貫して対応します。撮影代行や運用相談、デモ体験も可能ですので、安心してご導入いただけます。業務全体での活用を検討している企業様には、業務用3dスキャナーの価格や運用方法についても丁寧にご提案します。

「まずは試してみたい」という方もぜひお気軽にご相談ください。 

 

▼現場で撮影された、Matterportによる3Dデータサンプルをご覧いただけます(無料)。画面上を自由に歩き回れるウォークスルー形式で、圧倒的な再現性と臨場感をぜひ体感してください。

 

まとめ

本記事では、3Dレーザースキャナーの仕組みやメリット、代表的な機種などを総合的に解説しました。

3Dレーザースキャナーは、建築・土木をはじめ製造や文化財保護、防犯調査まで幅広い分野で導入が進んでいます。従来の手法では難しかった複雑形状も効率的に計測でき、現場の効率化や高精度化に大きく貢献します。

これから導入を検討されている方には、直感的に使用できコストパフォーマンスに優れるMatterport Pro3 をご検討ください。

3Dレーザースキャナー

ABKSSブログ編集部
ABKSSブログ編集部
ABKSSブログ編集部は、製造業・建設業に特化した情報を発信するメディアチームです。CADや設計に関する実務的なノウハウから、AIの活用、BIM・CIM、DX推進といった最新技術の動向まで、業界の課題解決に役立つ情報をわかりやすくお届けしています。

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