積算ソフト人気おすすめ6選!基本機能から導入メリット、選び方まで解説
建築業界で効率的な積算作業を行うには、適切な積算ソフトの導入が不可欠です。ですが製品の種類が多く、選ぶのに苦労してはいませんか。
本記事では、建築に特化したおすすめの積算ソフト6選を紹介し、導入することで得られるメリットや選び方のポイントを解説します。
このような方におすすめの記事です
- 積算ソフトウェアの導入を検討中の方
- 手作業による積算方法から脱却したい方
- 積算ソフトの選び方を知りたい方
- BIMと連携できるソフトウェアを検討している方
目次[非表示]
積算とは
積算は、建設プロジェクトの工事費用や材料費用を詳細に見積もるプロセスです。
こちらでは、コンクリートや鉄筋などの材料と、必要な労働力を精密に計算し、プロジェクトの予算オーバーのリスクを抑えた、円滑な進行を目指します。
また、建設プロジェクトは様々な科目に分かれており、それぞれに必要な材料、技術、人員の配置が異なります。例えば、水道工事では配管や接続部品、工賃のコストを、住宅建設では基礎工事から内装までのコストをそれぞれ評価します。
各分野で行われる積算は、経験豊富な専門家が担当し、プロジェクトの規模や複雑さ、地域の規制や材料の入手可能性などが考慮されます。
積算と見積の違い
「積算」は、建設プロジェクトで必要となる材料や設備、労務などのコストを詳細に計算する工程で、予算管理やコストコントロールのために行われます。
プロジェクトの計画段階で正確な金額を提供し、適切な予算を組むことが目的です。
これに対して「見積」は実際に工事を受注するための提案として提示されるものであり、見積書には積算結果を基にして必要な利益やリスクを考慮した金額が提示されます。
積算業務における問題点
建設業の積算業務には、以下のような課題があります。
まず、工数と時間がかかることです。積算業務は手作業が多く、図面や仕様書から必要な数量やコストを算出するため、時間がかかりやすく、ミスも発生しやすい傾向にあります。
次に、データの一貫性と正確性です。材料費や労務費など多くのデータが必要ですが、データの更新や整合が不足すると見積もりの正確性が低下します。
また、積算には高度な専門知識が求められ、専門家が不足すると精度が落ちるリスクがあります。さらに、計画変更が頻繁なため積算の再対応が難しく、コスト管理も市場の変動などで困難を伴います。
積算ソフトとは
積算ソフトとは、建築工事にかかる費用を詳細に算出するためのツールで、設計図に基づいて材料や労務費などを効率的に計算し、コスト管理の精度を向上させます。
積算は建築プロジェクトにおいて大変重要な役割を果たす一方で、工数や時間が掛かり業務負担が大きくなりやすい業務ですが、積算システム(積算ソフト)を活用することで業務負担を軽減することが可能です。
積算ソフト導入のメリット
積算作業は、高精度と専門性が不可欠ですが、積算ソフトを導入することで、作業の効率化や精度向上といった多くのメリットが得られます。
ここでは、積算ソフトの導入がもたらす具体的な利点について解説します。
作業効率の向上
人材や資材の数量やコストを計算する積算業務は、非常に手間のかかるプロセスです。
しかし、積算ソフトを活用すれば、設計図や仕様書から必要な材料の数量を自動で抽出したり、単価を設定しておけば費用の計算も自動化できるため、これらの煩雑な作業を大幅に簡略化できます。
さらに、工事規模が拡大するほど積算の業務も複雑になりますが、ソフトの自動化機能を使うことで、作業時間を大幅に短縮できます。その結果、積算業務に割いていた時間を他の作業に充てられ、効率的な業務遂行が期待できます。
人為的ミスの削減
積算ソフトを使うことで、入力ミスや計算ミスが防げます。
積算作業は非常に正確さが要求される業務で、特に手作業で行う場合、計算が複雑になるとミスが発生しやすく、見積もりの過少や過大を引き起こすリスクもあります。
積算ソフトを導入することで、こうしたミスが減り、より安心して作業を進められるでしょう。
正確な利益の把握
積算ソフトを利用すれば、現場ごとや項目ごとの利益率も詳細に把握できます。
見積もり作成時に正確な利益を把握できることで、実際に工事を始めてから「赤字になってしまった」という事態を防げます。
さらに、事前に利益率を設定しておくと、原価を入力するだけで簡単に見積もり金額を算出できるため、より効率的な積算が可能です。
積算ソフトの基本機能
こちらでは積算ソフトの基本機能について説明します。これらの機能は、建築プロジェクトにおけるコスト管理や見積もり作成において必須であり、時間と労力の大幅な節約を可能にします。
機能1:数量計算
積算の基本となる機能で、設計図や図面に基づいて、建物や設備に必要な資材の数量を正確に算出します。多くの積算システムでは、2Dや3D CADデータを活用して自動的に面積や体積を計算したり、PDF図面からの数量抽出が可能です。
機能2: 単価管理
資材や工事にかかる費用を適切に管理する機能です。最新の市場価格に基づく単価情報をソフト内に登録・更新でき、材料費や人件費の変動にも対応します。また、異なる単価での試算や、価格変動の影響を反映した見積もりが可能です。
機能3: コスト集計
資材費、人件費、その他の工事関連費用を一括で集計し、総工費を算出します。コスト集計機能では、項目ごとの費用内訳を確認できるため、最終的な見積書の作成に役立ちます。予算管理や価格調整が効率的に行うことが可能です。
機能4: 見積書作成
コスト集計の結果をもとに、正式な見積書を自動生成する機能です。
積算システムは、標準的なフォーマットで見積書を作成でき、顧客に提出する際の作業負荷を軽減します。また、複数のプロジェクトで共通フォーマットを利用できるため、業務の効率化にもつながります。
機能5: 工事進捗管理
工事の進捗に応じたコスト管理や、必要資材の納期を管理する機能を提供することにより、プロジェクト全体の効率的な運営が可能になります。
進捗状況に応じた予算の見直しや資材の発注タイミングを適切に管理できます。
機能6: データ連携
多くの積算システムでは、CADデータやBIMデータとの連携が可能であり、設計図から自動で数量やコストを算出する機能を持っています。
また、外部データベースやエクセルとの連携も可能で、既存データの活用が容易になります。
機能7: 履歴管理
過去の見積もりやコスト計算の履歴を保存・管理する機能です。これにより、類似したプロジェクトでのデータ再利用ができ、効率的に積算業務を行えます。
また、履歴を参照することで、将来的なプロジェクトにおける予算計画に役立てることが可能です。
建設業向けおすすめ積算ソフト6選
こちらでは建設業向けのおすすめ積算ソフトを6製品を選び、その特徴を解説します。
NCS/HELIOS(ヘリオス)
NCS/HELIOSは、株式会社 日積サーベイより提供されている建設業界で圧倒的なシェアを誇る建築積算ソフトです。
多機能でありながら使いやすく、業務の効率化と精度向上に貢献するため、多くの企業で採用されています。BIM連携も可能で、設計から施工まで一貫した管理が行える点が魅力です。
NCS/HELIOSは、業務の効率化と精度向上、そして一貫したプロジェクト管理を実現するために最適な選択です。
FKS
FKSは、協栄産業株式会社より提供される積算システムです。
RC(鉄筋コンクリート)構造物や仕上げ工事に対応した数量積算を効率化するために設計されており、特にBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)との連携が可能です。
FKSは、PDF図面からの自動面積計算や、CADとのデータ連携機能を備えており、複雑な建物形状にも対応できる柔軟性を持っています
みつもりくんdee
みつもりくんdeeは、株式会社コンプケアより提供される設備業向け積算ソフトです。使いやすさとコストパフォーマンスに優れ、小規模から中規模の建設プロジェクトに最適です。
直感的なインターフェースにより、特別な訓練なしでもすぐに使いこなせるだけでなく、過去の見積データを再利用でき、迅速な見積作成が可能です。
自動化機能で手作業のミスを減らし、積算精度を向上させることができ、工期の短縮やコスト削減も期待できます。
建築みつも郎17
建築みつも郎17は、コベック株式会社より提供されている建設業界向けの高機能積算ソフトです。
建設現場での積算業務を効率化し、精度を向上させるために設計されています。
例えば、予算の見積もりを出す際に、建築みつも郎17を使用することで、手動計算の手間を大幅に削減し、数値の正確性を高めることができます。
アトラス(ATLUS)
アトラス(ATLAS)は、株式会社ミヤケンによって提供されている建築業向けの積算ソフトウェアです。
見積もり作成、原価管理、発注管理など、建設プロジェクトの積算業務をトータルにサポートします。特にユーザーの操作性を重視しており、直感的なインターフェースで効率的なデータ入力が可能です。
また、CADデータから直接数量を取り込むことができるため、図面に基づいた正確な見積もりが迅速に行えます。
BI for ArchiCAD
「BI for ArchiCAD」は株式会社U's Factoryが提供する、ArchiCADに対応した積算システムです。
自動モデリングと最適化機能を備え、設計データから迅速に見積書を作成できます。積算作業を効率化し、数量確認表を全自動で出力するため、作業の精度と信頼性が向上します。
さらに、3D表示と連動することで視覚的にも確認が可能です。
積算ソフトの選び方
積算ソフトを選ぶ際は、自社のニーズに合った機能を確認することが重要です。
建設業や特定の工事に対応しているか、他のシステムと連携できるかがポイントです。こちらでは製品選定時のポイントを5つ紹介します。
①自社が必要とする機能を備えているか
各企業の業務内容や規模は異なるため、汎用的なソフトでは全てのニーズを満たすことは困難です。そのため自社の業務プロセスに最適な機能を持つ積算ソフトを選ぶことが重要になります。
例えば、リフォーム業者であれば、既存の建物の状態を評価するための機能が必要です。
一方、新築専門の会社であれば、設計図を基に正確な材料や労務費の計算ができる機能が求められます。自社の業務内容とマッチする積算ソフトを選ぶことで、業務の効率を最大化できます。
②他のシステムと連携できるか
連携機能を備えた積算ソフトを選ぶことで、業務の一貫性や迅速な進行が可能となります。
設計ソフトやBIMシステムと積算ソフトが連携すると、設計変更時に積算データが自動で更新され、手動での修正作業が大幅に減少します。
さらに、施工管理システムなどとの連携により、同じデータを再入力する手間が省け、ミスが減少します。これにより、業務全体の効率が向上し、データの一元管理が実現します。
③機能性と使いやすさは問題ないか
建築向け積算ソフトを選ぶ際は、機能性と使いやすさが重要です。
機能性としては、材料費や労務費、設備費を正確に算出できることに加え、設計変更や複雑な工事に対応できるリアルタイム更新機能が求められます。BIMやCADとの連携や過去データの活用も重要です。
使いやすさの面では、直感的なインターフェースや簡単な操作が可能なソフトが業務効率を高めます。また、企業ごとのフローに対応できるカスタマイズ機能も選定のポイントです。
④サポート体制は整えられているか
積算ソフトを選ぶ際には、サポート体制も重要な要素となります。
ソフトウェア導入後にも不明点やトラブルが発生することがあり、適切なサポートが求められるためです。
例えば、24時間対応のカスタマーサポートや、ソフトウェアのトレーニングが提供されることで、導入後の運用が円滑に進むでしょう。
⑤発注者・地域性に対応しているか
建設業での積算ソフトの選定は、発注者の要件や地域特有の建材と工法に適応することが重要です。
公共事業においては、発注機関固有のフォーマットや基準に対応する機能も求められます。
適切な積算ソフトを導入することで、正確なコスト計算と効率的な見積もり作成が可能となり、無駄な手間を削減可能です。
BIM連携のできる積算ソフトならHELIOSがおすすめ
建設業界では効率的な業務運用と正確な積算が求められており、特にBIM(Building Information Modeling)技術の導入が進んでいます。
BIM連携のできる積算ソフト「HELIOS」は、従来の積算業務を大幅に効率化し、精度を向上させることができます。
NCS/HELIOS(ヘリオス)とは
「NCS/HELIOS」は、積算業務の効率化を追求し続け、40年以上前よりNCSシリーズのパッケージ製品として全国約1000社を超えるゼネコン、設計事務所、積算事務所に販売している実績のあるシステムです。
建物用途としては、S造、RC造、PC、壁式はもちろん、改修工事など建物用途に影響されず対応できます。「NCS/HELIOS」は、ワンパッケージで構造、仕上げ、見積書まで一気通貫でのご利用が可能です。
「Excelで建築積算・見積もりを行っている方」「外注で数量把握が難しい方」または「BIM導入でデータ連携に課題がある方」などにおすすめです。
数量算出方法:国交省の公共建築工事標準仕様書、建築数量積算基準をもとに、数量が算出され、出力帳票も充実しており、数量根拠も明確に出力されます。
特長1:BIMモデルの連携
BIM連携(IFC形式、ST-Bridge形式)の強化を図ることで、建築分野でよく使われる様々なソフトウェアとの連動を実現。これまで工数が掛かっていたデータの入出力を大幅に軽減することが可能です。
特長2:構造積算
積算知識やCADの知識がなくても直感的に部材を配置できる操作性を実現。建築数量積算基準、国土交通省の標準仕様書に基づき自動計算されるので人為的なエラーも防ぐことが可能です。
▶配置機能(RC,S造共通):リストをもとに「部材を置く」感覚で、図面通りに直線、斜め、曲面など簡単自由配置が行えます。
▶ 土工事自動計算:土工事は、配置された部材の断面サイズ、レベル情報から根切、埋戻、残土、盛土、ピット内体積、地業が自動計算されます。
▶ 汎用(雑物)の自動抽出:定着金物、機械式継手、スリット材、ボイド、溶接金網、スリーブ、デッキ、耐火被覆等、 後で別に算出することなく自動算出することも可能です。
特長3:仕上積算
平面図のように画面上に外部仕上、内部仕上、間仕切等の部材を配置していくだけでリアルタイムに仕上材と数量を確認できます。
特長4:見積書
工種別見積システムを標準搭載しており、様々な数量・金額のシミュレーションを素早く行うことが可能です。
おわりに
本記事では、建設業界における積算の重要性、導入のメリット、おすすめの積算システムについて詳しく解説しました。
積算システムを導入することで、業務の効率化やコスト管理の精度向上が期待でき、特に大規模なプロジェクトではその効果が顕著です。
近年では、BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)の導入が進んでおり、BIMと連携できる積算システムの需要が高まっています。
中でも、BIM対応の「ヘリオス」は、設計データと積算を効率よく連携できる点でおすすめです。
自社に最適な製品の選定は、専門業者に依頼することが安心であり、時間の節約にもなります。
製品選定の際には、40年以上の実績を誇るエービーケーエスエスにお任せください。
貴社の課題や問題点、業務環境を十分に考慮し、最適なソリューションをご提案いたします。
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