BIM(ビム)人気ソフトウェア徹底比較|価格や国内シェア動向も解説【2025年】

BIMとは、Building Information Modeling /ビルディング インフォメーション モデリングの略で、 建設DXを推進する中で重要な役割を持ちます。

BIMソフトウェアは、多くの種類が提供されていますので、どれが最適なのか迷われる方も多いのではないでしょうか。

本記事では、「定番」といわれるBIMソフトやその機能についてご紹介していきます。国内シェアの動向についても触れていますので、BIM導入で迷われている方は、ぜひ参考にしてみてください。

このような方におすすめの記事です

  •  国内で使用されるBIMソフトが何か知りたい方
  •  自分にとって最適なBIMソフトを探している方
  •  BIMソフトのシェア動向について知りたい方

目次[非表示]

  1. BIMとは?
  2. BIMとCADの違い
  3. BIMの活用メリット
    1. ①合意形成がスムーズになる
    2. ②修正やデータ管理が簡単
    3. ③設計段階からシミュレーションができる
  4. 国内で人気のBIMソフト
    1. Archicad(グラフィソフト社)の紹介と価格情報
    2. Revit(オートデスク社)
    3. GLOOBE(福井コンピュータアーキテクト社)
    4. VECTORWORKS (Vectorworks社)
    5. Rebro(NYKシステムズ社)
  5. 国内でのシェア動向
    1. 設計事務所では「Archicad」が1位
    2. 建設会社では「Revit」が採用されている
  6. BIMソフトの選び方
    1. ①用途とスケールに適した機能
    2. ②コストと予算
    3. ③互換性とデータ連携
    4. ④サポート体制の充実度
    5. ⑤操作性と学習曲線
    6. ⑥クラウド対応とコラボレーション機能
    7. ⑦法規制対応と地域特化
  7. 導入前の体験セミナーをぜひ活用ください
  8. おわりに

BIMとは?

BIM(Building Information Modeling)とは、調査から設計、施工、維持管理に至るまでの各工程において、3次元の建物モデルに情報を付加し、業務の効率化を図る仕組みを指します。

このBIMの活用は、国土交通省や大手ゼネコンのみならず、地方自治体や中小規模の建設業者にも広がりを見せており、BIMモデル作成を専門とする企業も登場するなど、注目度が高まっています。

BIMソフトウェアの基本機能には、3次元モデルの作成・閲覧、属性情報の追加などが含まれます。また、ソフトウェアによってはシミュレーション機能と連携することができ、これまで外部に委託していた業務を自社内で効率的に完結させることも可能です。

ただし、BIMの導入にあたっては、従来のCADや3Dパース作成ソフトでは代用が難しく、BIMモデルに対応した専用ソフトウェアを準備する必要があります。

BIMとCADの違い

2次元CADは、線や図形といったオブジェクトを用いて、平面図、立面図、断面図などの設計図面を、それぞれ個別に作成するためのツールです。

一方、3DCADは、2次元の図面を基に、視覚的に分かりやすい3次元モデルを構築するためのソフトウェアです。

完成した3DモデルはBIMモデルと外観が類似しているため、しばしば混同されることがありますが、3DCADで作成されるモデルは、あくまで視覚的な理解を助けるために作成されるものであり、各オブジェクトには属性情報が含まれていないため、BIMとは異なります。

これに対して、BIMは2次元の図面を3次元化するのではなく、最初から高さ、厚み、材質などの属性情報を持つ3次元オブジェクトを用いて、BIMソフトウェア上で仮想的に建物を構築していく手法です。

BIMの活用メリット


①合意形成がスムーズになる

BIMは、3次元モデルを使って計画を進めるため、発注者や施工業者に対して建物のイメージを視覚的に伝えやすくなります。これにより、打ち合わせの段階で仕上げ方法などの詳細を決定しやすくなります。

従来は、計画図面に加えてパースを別途作成する必要がありましたが、BIMではモデルをそのまま使用できるため、打ち合わせもスムーズです。

②修正やデータ管理が簡単

従来の方法では、平面図や立面図、パースなどをそれぞれ作成し、修正が必要な場合はすべての図面を更新しなければなりませんでした。しかし、BIMなら一つのモデルを修正するだけで済むため、手間が大幅に減ります。

さらに、BIMモデルには資材の数量やコストなどの情報も含まれているため、図面だけでなく建物に関する全体のデータを一元管理できます。

③設計段階からシミュレーションができる

BIMは、構造計算や空調、照明などのシミュレーションツールと連携できるため、設計の初期段階からさまざまなシミュレーションを実行することが可能です。これにより、従来は外部に委託していた作業も社内で処理できるようになります。

また、コスト情報を活用して概算の工事費を簡単に見積もることができるため、後からの手戻りを防ぎ、プロジェクトの効率を向上させます。

国内で人気のBIMソフト

国内で購入できるBIMソフト、中でも「定番」といわれる人気ソフトをピックアップしました。それぞれの特長や利用されることの多い分野についてご紹介します。

  • Archicad(グラフィソフト社)
  • Revit(オートデスク社)
  • GLOOBE(福井コンピュータアーキテクト社)
  • Vectorworks (Vectorworks社)

Archicad(グラフィソフト社)の紹介と価格情報

Archicad(アーキキャド)は、グラフィソフト社よりリリースされているBIMソフトウェアです。建物の設計から施工まで、3Dモデルを用いて一貫した管理ができ、図面の自動生成やリアルタイムでの変更反映が特徴です。

使いやすさと高い視覚化能力により、設計プロセスを効率化し、プロジェクト全体の品質向上が期待できます。建築家やデザイナーに広く利用されています。

Archicad Collaborate

BIMソフトウェア「Archicad」、クラウド型コラボレーションサービス「BIMcloud SaaS」、ビューアーアプリ「BIMx Pro」を組み合わせたフルパッケージ。

  • 【1ヶ月/毎月更新&毎月支払い】1か月あたり 60,000円(税込66,000円)
  • 【12ヶ月/1年契約&年払い】1か月あたり 実質35,000円(税込38,500円)
  • 【36ヶ月/3年契約&年払い】1か月あたり 実質35,000円(税込38,500円)

 

Archicad Studio

「Archicad」の主要機能に加え、ローカルサーバーでの共同作業を可能にする「BIMcloud Basic」と「BIMx Pro」を含むパッケージ。Archicadの主な機能をお手頃な価格でご利用いただける、小規模設計事務所、個人設計者様向けのサブスクリプションサービスプランです。

  • 【毎月更新&毎月支払い】1か月あたり 51,000円(税込56,100円)
  • 【1年契約&年払い】1か月あたり 実質29,750円(税込32,725円)
  • 【3年契約&年払い】1か月あたり 実質29,750円(税込32,725円)

 

Archicad Solo

個人で設計作業を行う方向けのプランで、建築設計に必要な基本機能とレンダリング機能を備えています。
※チームでの共同作業やホットリンク機能は非対応です。
※新規および追加の販売は2025年6月30日で終了。既存ユーザーの更新は2025年末まで、サービス提供は2026年末で終了となります。
  • 【毎月更新&毎月支払い】1か月あたり 42,800円(税込47,080円)
  • 【1年契約&年払い】1か月あたり 実質 24,917円(税込27,409円)
  • 【3年契約&年払い】-

Archicad(永久ライセンス)

Archicad 及びArchicad Solo の永久ライセンスは2025年末までに段階的に販売を終了し、以降はサブスクリプションのみの販売となります

  • Archicad 28 (Win/Mac) 本体価格 1,323,000 円(税込1,455,300 円)
  • Archicad 28 Solo (Win/Mac) 本体価格 794,000 円(税込 873,400 円)

 

  

Revit(オートデスク社)

Revit(レビット)は、意匠設計用の「Architecture」、構造設計用の「Structure」、設備設計用の「MEP」の機能を持った国内外で人気のBIMソフトウェアです。

3Dビューやレンダリング機能を備え、データは全て連携されているため修正・変更もリアルタイムに反映可能です。レンダリングソフトやツールとの連携でパース動画作成、干渉チェックなど幅広い作業にも対応します。

 

GLOOBE(福井コンピュータアーキテクト社)

GLOOBEは、日本の設計手法や建築基準法に対応した、日本発のBIMソフトウェアです。

豊富な日本仕様の建材データや自由度の高いデザイン機能、基本設計を元にした実施設計、建築基準法に沿った法規チェック等、日本の設計に最適化された機能が特長です。

 

VECTORWORKS (Vectorworks社)

VECTORWORKSは、建築・インテリア業界で採用されている、直感的で分かりやすいインターフェイスと、作図しやすい環境が特長のBIMソフトウェアです。

基本パレットには作図ツール、ツールセットには作図補助やモデリングツールが格納され、デザイナーは素早くツール群にアクセスし、デザインワークに移ることができます。

 

 

Rebro(NYKシステムズ社)

Rebro(レブロ)は、高精度な設備モデルを作成する建築設備専用CADです。

設計から施工、維持管理に至るまで情報をシームレスに展開し、設備業務の効率化と改善に貢献します。一つの3次元モデルデータから平面図、断面図、詳細図などの各種図面を作成することができ、設計から施工、維持管理に至る設備業務を効率化することが可能です。

 

 

国内でのシェア動向

本格的なBIMツールとしては「Archicad」と「Revit」が2大BIMソフトといわれています。日経BPコンサルティングの「BIM活用実態調査レポート 2020年版」の「勤務先で利用しているBIMソフト(複数回答)」の調査結果をご紹介します。

設計事務所では「Archicad」が1位

意匠設計を中心に行う設計事務所では、操作が比較的簡単な「Archicad」が選ばれているようです。

順位
ソフト名
シェア
1位
Archicad
52.6%
2位
Revit
41.2%
3位
Vectorworks
17.5%
4位
GLOOBE
14.9%

建設会社では「Revit」が採用されている

総合建設会社でも、「Revit」「Archicad」が多く採用されています。

前回の調査結果では、1位が「Archicad」でしたが、Revit2017 のバージョン統合(意匠設計向け、構造設計向け、設備設計向けの3つのバージョンが統合)により、総合建設会社にとって使い勝手が良くなったことから、今回の調査結果では「Revit」が逆転したようです。

順位
ソフト名
シェア
1位
Revit
65.0%
2位
Archicad
57.5%
3位
Vectorworks
13.3%
4位
GLOOBE
12.5%

日経BPコンサルティング「BIM活用実態調査レポート 2020年版」2020年4月24日発行,
https://bim-design.com/catalog/uploads/Japan_BIM_Report_2020.pdf(参照2022年6月14日)

BIMソフトの選び方

BIMソフトを選ぶ際には、プロジェクトの要件や使用するチームのスキルレベル、予算などに合わせて選択することが求められます。こちらでは選定時のポイントを7つ紹介します。

これまで、国内でどんなソフトが使われているのかについてご紹介してきましたが、必ずしも人気のあるものが自分に合っているという訳ではありません。

「何を使えばいいか」「おすすめは何か」など、選択に迷ったら専門業者に相談してみましょう。

①用途とスケールに適した機能

BIMソフトを選ぶ際は、まず用途に合った機能を備えているかを確認することが重要です。建築設計、施工管理、設備設計など、目的によって適したソフトが異なります。

たとえば、建築設計ならRevitArchicad、施工管理ならTekla Structures、設備設計ならRebroなど、各分野に特化したソフトがあります。

②コストと予算

BIMソフトは高額なものが多いため、コストとライセンス形態も慎重に検討する必要があります。

サブスクリプション型買い切り型かによって、初期投資やランニングコストが異なりますし、保守費用追加ライセンス費用など、導入後にかかるコストも考慮する必要があります。

また、追加プラグインを追加する場合は、その費用についても確認するようにしましょう。

さらにBIMソフトを使用するのであれば高スペックのPCも必要になりますので、併せて確認しておきましょう。

③互換性とデータ連携

BIMソフトは単独で使用するものではなく、他のCADソフトや解析ソフトとの互換性が求められるため、導入前に互換性やデータ共有の仕組みをチェックすることが不可欠です。

ソフト間の連携がスムーズでないと、データの変換に時間がかかったり、設計ミスにつながるリスクがあります。

特に、IFC形式に対応しているかどうかは、異なるソフト間でデータをやり取りする上で重要な要素です。

また、3Dモデル点群データを活用する場合、それらのデータを正確に処理できるかも確認する必要があります。

④サポート体制の充実度

BIMソフトのサポートには、公式サポート、トレーニングプログラム、オンラインヘルプ、ユーザーコミュニティなど、さまざまな形態があります。導入前に、適切なサポートを受けられるかを確認することが重要です。

まず、日本語対応があるかどうかを確認しましょう。海外製ソフトでは英語のみのサポートも多く、問い合わせ対応のスピードや質に影響を与える可能性があります。

また、電話メールリモートサポートなど、問い合わせ手段が充実しているかも業務の継続性に関わるため重要です。

 

⑤操作性と学習曲線

BIMソフトは多機能であるがゆえに、操作が複雑なものも少なくありません。そのため、直感的なインターフェースを備え、日本語対応が充実しているかどうかは、実際の運用に大きく影響します。

特に、BIMを初めて導入する企業では、社内教育が必要になるため、トレーニング環境サポート体制が整っているかも重要です。

操作が直感的であれば、習得時間が短縮され、業務への導入もスムーズに進みます。導入前に無償トライアルや体験セミナーなどで、操作性をチェックしておくと良いでしょう。

⑥クラウド対応とコラボレーション機能

BIMの活用では、複数の関係者がリアルタイムでデータを共有し、共同作業を行う場面が多くなります。

クラウド対応のBIMソフトであれば、設計変更を即座に共有でき、施工チームとの情報連携もスムーズになります。例えばArchicadには、BIMcloudというサービスがあります。

また、履歴管理権限設定ができるかも確認すべきポイントなので、事前にチェックしておきましょう。

⑦法規制対応と地域特化

各国の建築法規規格に対応しているBIMソフトかどうかも確認しましょう。

特に日本の建築業界で使う場合、国内の法規制や標準に準拠していることが求められる場合が多いです。

導入前の体験セミナーをぜひ活用ください

ABKSSでは、Archicad無料体験セミナーを定期開催しています。ライセンスがなくても操作を体験できますので、使用感を試してみたいという方におすすめです。

  • 使いやすく、国内導入数が多い「Archicad(グラフィソフト社)」を体験できる 
  • ライセンスがなくても操作を体験でき、手ぶらでの参加も可能
  • 1名様から受講が可能
  • オンライン開催可能
  • 開催日程が多く、予定を合わせやすい

株式会社エービーケーエスエスは、グラフィソフト社 「SALES EXCELLENCE AWARD」受賞企業です。

おわりに

この記事では、「定番」といわれるBIMソフトやその機能についてご紹介してきました。BIMソフトウェアの選定で迷っている方の参考になりましたら幸いです。

 

ABKSSブログ編集部
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ABKSSブログ編集部は、製造業・建設業に特化した情報を発信するメディアチームです。CADや設計に関する実務的なノウハウから、AIの活用、BIM・CIM、DX推進といった最新技術の動向まで、業界の課題解決に役立つ情報をわかりやすくお届けしています。
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