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建設業の2024年問題とは?直面する影響とデジタル化による対応

2024年問題


建設業界の2024年問題は、労働者不足、働き方改革関連法の改正などを背景とする社会問題です。

建設業界の転換点ともいえ、この課題にどのように対応するかが今後の発展に影響していくことでしょう。

本記事では、2024年問題に直面した建設業界がどうなるのか、具体的な影響と、それに対する対策や解決策についてわかりやすく解説していきます。


こんな方におすすめの記事です

  • 建設業界で従事している方
  • 建設業界で管理職に就いている方
  • 建設業界を取り巻く環境の変化について知りたい方
  • 2024年問題の内容と影響を理解したい方
  • 2024年問題の対応について知りたい方



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目次[非表示]

  1. 2024年問題とは
    1. 働き方改革関連法改正による変更点
  2. 建設業界の2024年問題
    1. 時間外労働の上限規制
    2. 時間外労働に対する割増賃金
  3. 建設業が直面する問題
    1. 長時間労働
    2. 人手不足の深刻化
    3. 就業者の高齢化と若手人材の不足
    4. 生産性の低さ
  4. 建設業の働き方改革への取り組み方法
    1. 週休2日等の休日を確保する工期設定
    2. 労働時間管理にITツールを活用する
    3. 時間外労働の削減
    4. IOT、ICT建機を取り入れ生産性の向上を図る
    5. 労務管理を適正化する
    6. 建設キャリアアップシステムの加入の推進
    7. 効率的な勤務形態や多様な休暇制度
    8. 職場環境を改善する
  5. おすすめITツールの紹介
    1. 労務管理ツール
    2. 勤怠管理ツール
    3. プロジェクト管理ツール
    4. 議事録作成ツール
  6. IT補助金の活用
  7. IT補助金の申請サポートならABKSSにおまかせ
  8. おわりに

2024年問題とは

2024年問題とは「働き方改革関連法」に起因する問題です。

一般的には「働き方改革関連法」は 2019年に施行されていますが、運送業、建設業、医師に関しては、早急な対応が困難であるという理由から5年間の猶予期間が設けられ、2024年4月1日から労働時間の上限規制の適用されることとなりました。

そのため時間外労働の上限が設けられ、これを超える場合には罰則が適用されます。

長時間労働が日常化している業界では、この変化による混乱やサービスの低下が懸念されています。


働き方改革関連法改正による変更点

働き方改革関連法改正により、労働時間の上限規制が厳格化されました。 改正後は、残業時間の削減や休日出勤の管理が厳しくなり、法定労働時間内で業務を終了しなければなりません。


●時間外労働の上限規制を導入

時間外労働の上限について月45時間、年360時間を原則とし、臨時的な特別な事情がある場合にも上限を設定します。

  • 運送業:時間外労働の上限が年960時間になる
  • 建設業:時間外労働の上限が年720時間になる
  • 医師:時間外労働の上限が年960時間になる(やむをえず上限を超える場合は年1860時間)


●年次有給休暇の確実な取得

使用者は10日以上の年次有給休暇が付与される労働者に対し、年5日について確実に取得させなければなりません。


●中小企業の月60時間時超の時間外労働に対する割増賃金率引上げ

月60時間を超える時間外労働に対する割増賃金率を50%に引き上げます。


●「フレックスタイム制」の拡充

より働きやすくするため、制度を拡充します。労働時間の調整が可能な期間(清算期間)を3か月まで延長できます。


●「高度プロフェッショナル制度」を創設

職務の範囲が明確で一定の年収を有する労働者が高度の専門的知識等を必要とする業務に従事する場合に健康 確保措置や本人同意、労使委員会決議等を要件として、労働時間、休日、深夜の割増賃金等の規定を適用除外にできます。


●産業医・産業保健機能の強化

産業医の活動環境を整備します。労働者の健康管理等に必要な情報を産業医へ提供すること等とします。


●勤務間インターバル制度の導入促進

終業時刻から次の始業時刻の間、一定時間以上の休息時間(インターバル時間)の確保に努めなければなりません。


●正社員と非正規雇用労働者との間の不合理な待遇差の禁止

同一企業内において、正社員と非正規雇用労働者との間で、基本給や賞与などあらゆる待遇について不合理な差を設けることが禁止されます。

参照:働き方改革関連法に関する ハンドブック(2023.02)https://www.mhlw.go.jp/content/001140961.pdf

36(サブロク)協定とは

36協定とは、労働基準法第36条に基づく労使間の協定で、法定労働時間を超える時間外労働や休日労働を可能にします。 労働基準法では、労働時間は原則として 1日8時間・1週40時間以内とされており、これを「法定労働時間」と言います。法定労働時間を超えて労働者に時間外労働(残業)をさせる場合には、以下の2つが必要です。

  • 労働基準法第36条に基づく労使協定(36協定)の締結所
  • 轄労働基準監督署長への届出

時間外労働の上限(限度時間)は、月45時間・年360時間です。臨時的な特別の事情がない限り、これを超えることはできません。


建設業界の2024年問題

2024年問題

建設業界における2024年問題は「長期的な労働力不足」「技術革新の必要性」「働き方改革関連法改正」の3つの要因が重なり合い、業界全体に大きな影響を与えています。

中でも深刻なのが「労働力不足」です。生産性の向上と新技術の導入はもちろん、業界全体の構造変化や、新たな働き方の導入が求められています。


時間外労働の上限規制

2024年問題では、労働基準法に基づく改正が重要な役割を果たします。特に、時間外労働の上限規制が導入され、これにより企業は月間の時間外労働を原則として45時間、年間で360時間を超えることができなくなります。この規制は労働者の健康保護を目的としており、過労死などの労働関連の健康問題を防ぐために設けられました。

建設業界ではプロジェクトの期限に追われることが多く、これまで長時間労働が常態化していたため、この規制の導入により大きな影響を受けると予想されます。

時間外労働に対する割増賃金

時間外労働に対する割増賃金の規定が強化され、割増率が高くなる可能性があります。これにより企業は労働コストの増加を懸念し、時間外労働を減らすことが予想されます。これにより労働者は適正な給与を受け取り、生活の質の向上が期待されます。

しかし、建設業界では多くの労働者が残業手当を収入の一部として依存しているため、時間外労働の減少によって”給料が減る” 可能性を懸念する労働者もいます。残業時間の減少によって手当が減り、結果として収入全体が減少する可能性があるのです。


建設業が直面する問題

こちらでは建設業が直面している問題についてご紹介していきます。


長時間労働

建設業界は、プロジェクトの納期に追われることが多く、従業員が長時間労働を余儀なくされる場面が多く見られます。これにより、労働者の健康が損なわれ、仕事の質が低下し、労働者のモチベーションや満足度も低下します。また、長時間労働は安全性にも影響を与えるため、事故のリスクも高まります。


人手不足の深刻化

建設業界では、慢性的な人手不足が深刻な問題となっています。特に若い労働者が少ないため、現場での労働力が不足しており、プロジェクトの進行に支障をきたしています。この人手不足により、工期の遅延やコストの増加が発生し、業界全体の競争力が低下する可能性があります。


就業者の高齢化と若手人材の不足

建設業界の労働力は高齢化が進んでおり、退職する高齢者に代わる若手人材が不足している状況です。この状況は、技術や知識の継承が困難になるだけでなく、将来的な労働力の確保にも大きな影響を及ぼします。


生産性の低さ

建設業界は他の産業と比較して生産性が低いとされています。これは、従来の作業方法や管理手法が効率的でないこと、技術革新の遅れ、そして適切なリソース管理が行われていないことが原因です。生産性の低さは、コストの増加、工期の延長、そして全体的な競争力の低下を招くため、これを改善することが急務です。



建設業の働き方改革への取り組み方法

2024年問題

建設業界は「長時間労働」「人手不足」「就業者の高齢化と若手人材の不足」「生産性の低さ」といった問題に直面しています。こちらでは、それを解決するための取り組みについてご紹介します。


週休2日等の休日を確保する工期設定

建設業界では、従来の厳しい工期設定により労働者が長時間労働を強いられることが多いです。週休2日制を確保するために、工期設定を見直し、計画的なスケジュール管理を行うことが求められます。これにより、労働者が十分な休息を取ることができ、労働者の健康やモチベーションが向上します。


労働時間管理にITツールを活用する

労働時間の適切な管理は、働き方改革の基本です。ITツールを活用することで、労働時間のリアルタイム管理が可能になり、過度な労働を防ぐことができます。例えば、出退勤の自動記録や、労働時間の分析・報告機能を備えたソフトウェアを導入することで、労働時間の適正化が図れます。


時間外労働の削減

時間外労働の削減は、労働者の健康維持と生産性向上のために重要です。労働時間の厳格な管理とともに、業務の効率化を図り、定時内に業務を完了する文化を醸成することが求められます。具体的には、業務の見直しや業務プロセスの改善を行い、無駄を削減することが効果的です。


IOT、ICT建機を取り入れ生産性の向上を図る

IoT(モノのインターネット)やICT(情報通信技術)を活用することで、建設現場の生産性を飛躍的に向上させることができます。例えば、ドローンによる現場監視や3Dスキャニング技術を用いた精密測量、建機の自動化などにより、作業効率を高めることが可能です。


労務管理を適正化する

労務管理の適正化は、労働者の働きやすさと生産性を向上させるために不可欠です。具体的には、労働条件の明確化や適正な賃金支払い、労働者のメンタルヘルスケアの充実などを行います。


建設キャリアアップシステムの加入の推進

建設キャリアアップシステムは、労働者の技能や資格を見える化し、キャリアアップを支援するシステムです。このシステムに加入することで、労働者のモチベーションが向上し、技能の向上も図れます。また、企業にとっても優秀な人材の確保や育成に役立ちます。


効率的な勤務形態や多様な休暇制度

多様な勤務形態や休暇制度を導入することで、労働者のワークライフバランスを支援します。例えば、フレックスタイム制やテレワークの導入、リフレッシュ休暇や育児休暇の充実などにより、労働者が柔軟に働ける環境を整えます。


職場環境を改善する

職場環境の改善は、労働者の満足度や生産性に直結します。具体的には、安全で快適な作業環境の整備、最新の設備や技術の導入、労働者間のコミュニケーション促進などが含まれます。良好な職場環境は、労働者のパフォーマンスを最大化し、企業全体の業績向上につながります。



おすすめITツールの紹介

2024年問題

建設業界では労働力不足と生産性の低さは大きな課題ですが、解決の糸口とされているのが「ITツールの導入」です。こちらではおすすめのツールをご紹介します。


DX(デジタルトランスフォーメーション)

日常の業務プロセスのデジタル化・自動化により時間とコストを削減することで、業務フローの改善や新たなビジネスモデルの創出を実現することを指します。
例えば、現場での作業進捗をリアルタイムで管理できるアプリケーション導入することで、プロジェクトマネージャーはオフィスから現場の状況を確認でき、適切な資源配分やスケジュール調整が容易になります。


労務管理ツール

労務管理システムの導入によって、建設業での労働時間の記録と管理を正確かつ効率的に行い、業界全体の生産性向上に寄与します。
例えば、手書きやエクセルによる管理を、労務管理システムに以降することで、時間外労働の自動計算や適切な手当の算出、働き方改革関連法の要件に基づく労働時間の上限管理が効率化されます。
これらのシステムによる管理の正確化は、法規制の遵守だけでなく、労働者の健康管理や適切な労働条件の確保にも繋がります。

具体的には、SmartHRfreee人事労務ジョブカンなどがあります。


勤怠管理ツール

勤怠管理システムの導入によって、企業は労働時間の管理を適正に行い、法令の遵守はもちろん、従業員の健康管理やワークライフバランスを実現します。従事する従業員の残業時間の削減や、より正確な労働時間の管理の実現、その延長として従業員の満足度向上にもつながります。

具体的には、ジョブカン勤怠管理KING OF TIMEジンジャー勤怠などがあります。


プロジェクト管理ツール

プロジェクト管理ソフトウェアの導入は、多くのステークホルダーが関与する建設プロジェクトの効率化と品質の向上に不可欠です。複雑なスケジュールとリソース管理により、コミュニケーションの円滑化を実現できることでしょう。
例えば、工程の遅延を即座に検知しリアルタイムで共有することで、資材の発注漏れを防いだり、工期短縮やコストを削減したりなどが可能になります。

具体的には、AsanaBacklogSlackなどがあります。


議事録作成ツール

議事録作成ツールは、AIによって会議の音声を自動的にテキスト化し、重要なポイントを要約して議事録を作成するシステムです。このツールを導入することで、手作業による記録の手間を省き、効率的な情報共有と文書管理が実現します。

具体的には、AI GIJIROKUNottaスマート書記などがあります。


2024年問題


IT補助金の活用

2024年問題

ITツールの導入は建設業界が直面する問題の有効な解決方法となる一方、費用面で中小企業にとって大きな負担となることが多々あります。


このような場合には、政府や自治体が提供するIT補助金を活用することによって、これらの技術導入のハードルを下げられるため、経済的な負担を軽減しつつ生産性の向上や作業効率の改善に繋げることが可能です。


IT補助金の申請サポートならABKSSにおまかせ

2024年問題

IT補助金の申請プロセスは複雑で、正確な情報と適切な書類の準備が重要です。また、書類の不備や対象外の経費は給付されないため、専門家による申請サポートを活用すると安心です。

エービーケーエスエスでは豊富な経験と専門知識を持って補助金申請のバックアップを行っています。無駄な時間や労力を省くことで、迅速かつスムーズに補助金を獲得するサポートを提供しておりますので、補助金をご検討されている方はお気軽にご相談ください。



おわりに

本記事では、2024年問題がもたらす建設業界への影響から具体的な対策までを解説しました。
建設業界は「人手不足」とそれに伴う「生産性低下」が深刻化しており、多角的な取り組みが求められています。中でもICTやAI技術、自動化・省人化技術の活用は、問題を乗り越えるための重要なステップとなるでしょう。
ITツールを導入する場合には当然初期費用が発生しますが、IT補助金を活用するなどして必要経費を削減することも可能です。複雑な書類申請は経験豊富な専門家の支援を受けることをおすすめします。


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