
kintoneのセキュリティを徹底解説|安全性と導入のポイント
kintoneはクラウド型ビジネスアプリ作成プラットフォームとして、多くの企業で導入され、業務の効率化に大きく貢献しています。クラウドという特性上、セキュリティの確保は重要な課題となりますが、kintoneは厳格な認証や各種対策を実装しており、安全に利用できる環境を整えています。
本記事では、初心者でも安心して運用できるよう、kintoneのセキュリティ対策と導入時に押さえておくべきポイントを詳しく解説します。
このような方におすすめの記事です
- 情報システム部門のセキュリティ担当者
- クラウドサービスの利用に不安を感じている方
- セキュリティ対策を見直したい企業担当者
目次[非表示]
kintoneが提供するセキュリティの概要
kintoneは国際規格や各種政府認定を取得しており、クラウドサービスとして高い信頼性を得ています。
kintoneを提供するサイボウズでは、セキュリティ対策を専用チームが担い、脆弱性の調査やインシデント対応を常時行っています。これにより、未知の脆弱性が発見された際も迅速に対応可能な体制を確立しています。
さらに、外部監査機関にも定期的に審査を依頼し、サービス品質と安全性の維持に注力しているのが特徴です。
ISMSクラウドセキュリティ認証(ISO/IEC27017:2015)を取得
kintoneはクラウドサービス向けのセキュリティ基準であるISO/IEC27017:2015を取得し、厳格な運用体制を証明しています。これは情報セキュリティ管理の枠組みであるISMSに加え、クラウド固有の管理策に対応するものです。
国際基準を満たすことで、データ保護や物理的セキュリティなど幅広い項目にわたる厳格な監査をクリアしている点が、大きな安心材料となります。
政府認定クラウドサービスとしての信頼性
kintoneは官公庁や自治体でも利用されるなど、公共機関でも採用が進む信頼度の高いクラウドサービスです。政府認定を得るためには、セキュリティ対策やリスク評価で一定の基準を満たす必要があります。
こうした認定を受けていることは、日々の運用管理が適切に行われている証でもあり、民間企業にとっても導入時の不安を軽減する要素となります。
kintoneの導入メリットについてはこちらもご覧ください
不正アクセス防止と情報漏洩対策の要点
kintoneでは、ユーザー管理や通信の暗号化など、多面的なセキュリティ対策を実施し、重要なデータを不正アクセスや情報漏洩から守ります。
不正アクセスを防ぐためには、ユーザー認証や権限設定といった基本的なポイントを強化することが不可欠です。kintoneでは端末やネットワーク制限だけでなく、ログイン過程を複数段階でチェックする仕組みを導入可能です。
機密情報が含まれる業務であれば、より厳重な認証プロセスを取り入れ、万が一に備えてログを詳細に残すなど、包括的な対策を講じることが重要です。
アクセス制限:端末・IPアドレス制限の活用
kintoneでは、クラウドサービスとしては珍しく、特定のIPアドレスを限定してアクセスするIPアドレス制限や、有料のオプションとして特定の端末からのみアクセスを許可するセキュアアクセスがあります。この設定を行うことで、想定外の環境からシステムに侵入されるリスクを大幅に低減できます。
在宅勤務や外出先から利用する場合でも、信頼できるネットワークだけを使用する運用フローを整備すれば、セキュリティレベルを高められます。
×【セキュリティ設定なし】
セキュリティ設定を行わない場合、誰でもどこからでもkintoneのログインページにアクセス出来てしまいます。
〇【IPアドレス制限+セキュアアクセス】
IPアドレス制限とセキュアアクセスを組み合わせると、外出先や自宅からでも許可された人だけがアクセスできます。
二要素認証の導入
複数の認証要素を組み合わせる二要素認証を導入すれば、パスワードが漏えいした場合でも不正ログインを防ぎやすくなります。認証アプリやワンタイムトークンを利用することで、攻撃者がパスワードを盗み取っても即座に悪用されるリスクを制限することができます。
操作権限設定とログ監査による内部統制
kintoneはユーザーやグループごとに細かな操作権限を設定できるため、不要な機能へのアクセスを遮断しやすい仕組みが整っています。例えば、閲覧だけが必要な部門には更新権限を与えず、不用意な改変を防ぐことができます。
さらに、すべての操作記録をログとして蓄積し、突発的な問題や不正行為の早期発見・トラブルシューティングに活用可能です。
データセンターの災害対策とバックアップ体制
kintoneは、自然災害やシステム障害に備えたバックアップ体制を整備し、業務の継続性を確保しています。
kintoneのデータセンターは複数の場所にあり、万が一の障害時もサービスを継続できるように工夫されています。災害時には別地域のデータセンターが稼働し、サービスを途切れさせない仕組みが整えられているのが特徴です。また、定期的なバックアップや運用テストによって障害発生時の対応手順を確立し、迅速な復旧を実現します。こうした継続的な対策は事業継続の要となり、企業の信頼性を支える重要なポイントといえます。
高セキュリティを低コストで実現するkintone
他のクラウドサービスで、特定のIPアドレスや端末のみアクセスを許可する機能を追加してセキュリティを強化するには、外部サービスとの連携や追加開発が必要となり、初期費用は50~150万円、月額も利用しているクラウドサービスの費用に加えて1ユーザーあたり1,000〜3,000円と高額になる場合があります。
一方、kintoneでは「セキュアアクセス」オプションを追加すれば、月額275円(税込)/ユーザーで高度なセキュリティ対策を導入できます。専門知識がなくても設定・運用がしやすいのも特長です。
kintoneなら導入・運用の手間も少なく、コストを抑えながら高い安全性を実現できる点が大きな強みです。
アクセス制限機能を実装する場合の比較表
開発または 外部セキュリティサービス | kintone(セキュアアクセス込み) | |
---|---|---|
初期費用 | 50〜150万円 | なし |
月額費用 | 1,000〜3,000円/ユーザー | 275円/ユーザー |
kintoneの資料はこちら
kintone導入時に押さえておきたいポイント
kintone導入後も適切な運用や教育環境を整えることで、高いセキュリティレベルを維持できます。
システムのセキュリティは、搭載機能だけでなく、運用ルールやユーザー教育の徹底によって大きく左右されます。kintoneの設定を最初に行う段階で、どの部署がどの権限を必要とするのかを明確にし、不要なアクセスを制限することが重要です。
日々の利用のなかで生じる変更や新規アカウント追加にも手順を定め、継続的な管理を行うことで安全性を維持することができます。
ヒューマンエラーを防ぐ社内教育・権限設定
誤操作や情報漏洩の原因の多くはヒューマンエラーに起因するため、ユーザー教育が非常に重要です。定期的に研修や勉強会を開催し、最適な活用方法やパスワード管理の徹底などを周知することでリスクを下げられます。特にパスワードについては、複雑さや定期変更を求めるポリシーを明確にし、ルールを徹底させることが大切です。さらに、過度に広い操作権限を与えず、必要な範囲だけに制限することで事故を未然に防ぐことが可能です。
継続的な運用管理とマニュアル整備
システムを正しく使い続けるためには、運用担当者や管理者が定期的に設定内容を見直すことが欠かせません。マニュアルを整備しておけば、メンテナンス手順や新機能追加の際もスムーズに対応できます。
kintoneは常にアップデートが行われるため、最新情報をキャッチアップしながら運用ルールも随時アップデートしていくことが理想的です。
kintone導入前に把握しておきたいリスクと対策についてはこちらもご覧ください
kintone導入はABKSSにご相談ください
導入支援や運用サポートに強みを持つABKSSが、セキュリティ面も含めた最適なソリューションを提供します。
ABKSSはkintoneの導入コンサルティングから運用サポートまで、幅広くサポートします。企業のニーズに合わせてシステムレベルの設定や研修体制を整備し、導入後のアフターケアにも対応しているのが強みです。セキュリティ面でもユーザー権限設定やバックアップの設計などを総合的にカバーし、安心してkintoneを活用できる環境を作り上げます。
おわりに
kintoneのセキュリティは多様な機能と厳格な認証を備えており、運用面でのルール徹底とあわせて活用することが重要です。
クラウドサービスの特性上、どれほど強固なシステムでも、利用者側の管理や教育が不十分だとセキュリティリスクは高まってしまいます。kintoneの場合は、機能の柔軟性が高い分、設計や運用ルールの確立が鍵となります。
社内でのルール周知やユーザーごとの権限見直しを定期的に行い、常に最新の脆弱性情報や運用ガイドを踏まえて対応することで、安全にサービスを利用し続けることができるでしょう。
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