360度カメラの活用方法|ビジネスからプライベートまで事例を紹介

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360度カメラは、周囲を一度に記録できる点が大きな特徴です。通常のカメラでは撮影者の視点が限定されますが、360度カメラであれば前後左右をすべてカバーできるため、これまでにない臨場感を体験できます。

ビジネスシーンでは遠隔地の状況把握やバーチャル内覧などに使われ、プライベートシーンでは旅行やイベントの記念撮影などの思い出づくりに活かされています。SNSでの共有や動画投稿サイトへのアップロードも増え、ますます利用が広がっています。

本記事では、360度カメラの基礎知識から具体的な業界活用事例、そしてMatterportという3D撮影プラットフォームとの組み合わせによるメリットまでを解説します。

 

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360度カメラとは?

Matterport

360度カメラの特徴と基本の仕組み

360度カメラとは、多くの場合2つ以上の超広角レンズを持ち、1回のシャッターで周囲のすべての方向(前後、左右、上下)を一度に撮影できるカメラです。それぞれが撮影した映像を特殊なアルゴリズムで合成して一つの映像として出力します。センサーやレンズの性能が高いほど、境目が自然な形で仕上がり、滑らかな全天球映像を得られます。

従来の一方向のみを撮影するカメラに比べ、撮影者が映り込んでしまう可能性が高い点や操作方法に特徴がありますが、慣れてくると自由な発想で活用できるようになります。

撮影後はMatterportなどのアプリを使うことで、簡単に編集可能です。

 

360度カメラが注目される背景と利点

360度カメラは、なぜこれほど注目されるようになったのでしょうか。この背景には、いくつかの技術的・社会的要因が重なっています。

まず、カメラ技術の進歩により高画質・高解像度での撮影が可能になったことが挙げられます。VRゴーグルなどのデバイスと組み合わせることで、これまでにない鮮明で没入感のある映像体験を提供できるようになりました。

さらに、コロナ禍を機に遠隔コミュニケーションの需要が急激に拡大し、離れた場所にいる人々をリアルに繋ぐツールとして360度映像の活用が注目されたことも要因の一つです。

  

360度カメラの実用的な価値も明らかに

こうした技術的な発展に加え、360度カメラの実用的な価値も明らかになってきました。

従来の写真や映像では捉えきれない周囲の情報を余すことなく記録できるため、建築現場での作業記録不動産のバーチャル内覧といった用途で高い効果を発揮することが実証され、様々な業界での導入が進んでいます。

360度カメラの撮影方法・使用方法

360度カメラは前後左右を同時に撮影できるため、周囲に余計な物が映り込まない環境を選ぶことが大切です。三脚を用いると安定感が増し、撮影者自身の映り込みも抑えられます。

撮影後は専用アプリで編集でき、不要部分のカットや視点の強調も簡単です。完成した映像はYouTubeやSNSに公開でき、Meta QuestなどのVRゴーグルで臨場感を体験できます。

さらにMatterportと組み合わせれば、360度映像を3Dモデル化してクラウドで共有できるため、現場記録や不動産内覧などビジネス活用の幅が大きく広がります。

360度カメラの業界別活用例

工事現場の進捗管理や安全確認

建設・建築業では、工事現場の進捗を正確に把握し、安全管理を徹底するために360度カメラが活用されています。複数の現場を同時に管理しなければならない管理者にとっては、遠隔地からでも工事の様子を一目で確認できるのが大きな利点です。

記録された映像は、トラブル発生時の原因追及や、追加工事の際のシャドーイングにも役立ちます。人員が常に現場に行く必要がなくなり、交通費や時間の削減にもつながります。

さらに、進捗の可視化によって施主や協力会社との情報共有が円滑になり、報告資料の作成工数を減らす効果も期待できます。

 

工場・プラント設備の保全・技術継承に

製造業では、工場やプラントの設備保全や安全対策として360度カメラが重宝されています。点検時の映像データをアーカイブしておくことで、配管や設備の異常を早期に発見しやすくなります。

また、技術者のノウハウを新しいスタッフに伝える際の教育素材としても有益です。現場の状況を直感的に把握できる映像を使うことで、口頭説明や静止画だけでは伝わりにくい要点を補完できます。

加えて、熟練者の作業手順を360度映像で残すことで「技術の見える化」が可能となり、技能承継の標準化や属人化解消にも貢献します。

遠隔地の顧客にバーチャル内覧を提供

不動産業では、物件のバーチャル内覧を行うために360度カメラが活用されています。遠方から引っ越し先を探している顧客や直接内覧が難しい顧客に、オンライン上でリアルな物件イメージを提供できます。

これにより、現地に足を運ばずとも多くの物件候補を比較検討できるため、顧客満足度の向上と契約率アップが期待できます。また、不動産会社にとっても案内業務の効率化につながり、営業担当者の負担軽減や、商談スピードの加速といった効果も得られます。

ホテルや旅館の館内案内、観光施設のプロモーション

360度カメラを用いると、館内の雰囲気や設備状況をありのまま伝えることができます。

そのため、旅行者は事前に宿泊部屋や施設全体を確認でき、安心感を持って予約を行いやすくなります。

観光施設の紹介にも応用可能で、観光地を丸ごとバーチャルツアー化することで、行ったことのない方にも足を運ぶきっかけを作ります。特に海外からの訪日客に向けては、言語の壁を越えて魅力を伝える手段としても効果的で、マーケティング施策の一環として導入する事例も増えています。

新人教育や安全指導に活用

360度カメラを活用することで、労働災害防止の教育マニュアル作成にも役立ち、定期的に更新することで最新の安全対策を全員に周知できる仕組みづくりにもつながります。

工場や現場を360度撮影しておくことで、実際に行くことが困難な危険箇所や操作が難しい設備をよりリアルに学習素材として使うことができます。また、同じ映像を共有できるため、遠隔地からでも受講することが可能になり、教育効率が向上します。

さらに、実際の現場体験に近い映像を使うことで、紙資料だけでは伝わらない注意点や臨場感を効果的に伝えられるのが大きなメリットです。

360度カメラはプライベートでも活用できる

プライベートな利用としては、旅行先の景色やレジャー施設でのアクティビティを360度で記録し、SNSにアップロードするといった事例が増えています。普通の写真では収まりきらない風景を記録できるため、イベントやパーティーの記録として利用すれば、その場にいるような感覚を味わえます。

近年では、Meta QuestなどのVRゴーグルを組み合わせて臨場感をさらに高める利用方法も広がっており、家族や友人との体験をよりリアルに再現できる点が人気を集めています。

360度カメラとMatterportを組み合わせるメリット

Matterportとは

Matterport(マーターポート)は、360度カメラで撮影した空間データを3Dモデルとして再構築し、バーチャル上で空間を自在に移動・閲覧できるサービスです。撮影データはクラウドで管理され、複数の関係者とリアルタイムでの共有が可能です。

建設現場の状況把握や、施設のレイアウト検討、不動産物件のバーチャル内覧など、幅広い業務に活用されています。専門知識がなくても操作しやすく、導入のハードルが低い点も魅力のひとつです。

現場で撮影された、Matterportによる3Dデータサンプルをご覧いただけます(無料)。画面上を自由に歩き回れるウォークスルー形式で、圧倒的な再現性と臨場感をぜひ体感してください。

360度カメラとMatterportを組み合わせて使うメリット

360度カメラで撮影したデータをMatterportに取り込むと、自動で3Dウォークスルーが生成され、空間を自由に移動しながら確認できます。さらに、壁や床の寸法計測、タグ付けによる補足説明、クラウド共有といった機能により、映像を「業務で使えるデジタル資産」へ変換できます。

特に、専用の3Dスキャナである「Matterport Pro3」を使えば、屋内外を問わず高精度な3Dスキャンが短時間で可能で、初心者でも扱いやすいのが特徴です。

従来なら専門知識や高価な機材が必要だった3Dモデル作成を、誰でも簡単に行える点が大きな魅力であり、不動産内覧や建設現場の進捗共有、設備管理など幅広い業務の効率化につながります。

人気の360度カメラモデル比較

Matterport

Matterport Pro3(3Dスキャナー)

Matterport Pro3は、深度センサーを搭載し、大規模施設や広い空間をスキャンするのに適したモデルです。撮影精度に優れているため、3Dモデル化したデータは細部まで再現度が高く、高品質なバーチャルツアーを構築できます。

建物の内観だけでなく、屋外の空間情報を取得できる点も強みであり、業務用途での効率化に大いに役立ちます。

また、Pro3は一般的なハイエンド3Dスキャナーよりコストパフォーマンスに優れていることも特筆すべき点です。

 

RICOH THETA(360度カメラ)

360度カメラであるRICOH THETAシリーズは、一体型の小型ボディが魅力で、初心者でも扱いやすいことから人気を博しています。4K相当の動画撮影が可能なモデルもあり、旅行やイベントでの撮影からビジネス用まで幅広く活用されています。

手のひらサイズのため、現場での携行性が高く、カジュアルな運用に最適です。

  

Matterportならスマホでも代用可能

Matterportのプラットフォームはスマートフォンでの撮影にも対応しており、専用のアプリと組み合わせることで簡易的な3Dモデルを作成できます。高精度な専用カメラをそろえなくても試せるため、導入ハードルを下げられます。

スマホ撮影との組み合わせは億単位の設備投資が難しい企業や、個人レベルでの試験導入などにも向いており、用途に応じて柔軟に使い分けることができます。

 

Matterportの導入ならABKSSにご相談ください

ABKSSは、Matterportの国内正規代理店として多数の導入実績があり、企業の用途や規模に応じた最適な提案が可能です。

機材の選定からセットアップ、現場での撮影支援や活用方法の相談にも対応しておりますので、Matterportをご検討中の方はお気軽にご相談ください。

360度カメラの活用で広がる新たなビジョン

360度カメラは、あらゆる業界において空間情報の取得と共有を効率化する有効なソリューションです。リモートワークやオンライン接客が定着した現在のビジネス環境において、一度の撮影で空間全体を記録できる利点は大きく、顧客の理解促進や信頼構築に寄与します。

また、Matterportとの連携により、従来の静止画や動画では実現できない立体的な3Dモデルとして空間を表現することが可能となり、遠隔地からでも現実に近い体験を提供できます。

さらに、Meta QuestなどのVRデバイスを活用することで、より没入感の高い体験を実現し、実際にその空間にいるかのような感覚を体験者に提供できます。

360度カメラの導入、より高度なバーチャルツアーの構築をご検討される方は、ぜひABKSSまでお問い合わせください。

Matterport

現場で撮影された、Matterportによる3Dデータサンプルをご覧いただけます(無料)。画面上を自由に歩き回れるウォークスルー形式で、圧倒的な再現性と臨場感をぜひ体感してください。

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ABKSSブログ編集部は、製造業・建設業に特化した情報を発信するメディアチームです。CADや設計に関する実務的なノウハウから、AIの活用、BIM・CIM、DX推進といった最新技術の動向まで、業界の課題解決に役立つ情報をわかりやすくお届けしています。

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