3Dデータ活用で現場調査と施工計画をさらに進化

1904年創業の石井工業株式会社様。建築・土木工事を手掛ける総合建設会社として、BIM/CIMなどのデジタル技術を積極的に活用し、建設DXを推進されています。
会社名 | 石井工業株式会社 |
所在地 | 千葉県香取市 |
創業 | 1904年(明治37年) |
事業内容 | 総合建設業 |
インタビュー協力 | 建築部・北田望美様 |
ホームページ |
当社は1904年の創業以来、千葉県香取市を拠点に、建築・土木工事を中心とした総合建設業を展開しています。
公共施設や教育施設、医療・福祉施設、歴史的建造物の改修・保存工事など幅広い実績があり、現在は圏央道の開通予定を見据え、倉庫建設にも注力しています。
また、建築・土木ともに若手社員がBIM/CIMやICT技術を積極的に学び、現場で実践していることも当社の強みです。人手不足や長時間労働といった課題に対応するため、現場の問題を見える化し、関係者間のコミュニケーションや意思決定を円滑にするなど、建設DXによる生産性向上にも取り組んでいます。
現在は本社を拠点として、複数現場の支援業務を担当しています。
業務内容は、BIMモデルの作成や施工図作成、現場との打ち合わせ対応、Matterportを活用した現地調査など多岐にわたります。そのほか、Archicadの推進やRevitとの比較、若手技術者の教育も行っており、現場業務の効率化や建設DXの推進を支援しています。

3Dデータを説明する北田様
ABKSSとは約8年前、Archicadの導入をご支援いただいたことをきっかけにお付き合いが始まりました。
その後も、IT導入補助金の活用支援や各種ソフトウェアの運用相談など、製品の導入だけでなく、その後の活用まで含めて支援してもらっています。単に製品を販売するのではなく、私たちが実際の業務で使いこなせるところまで支援してくれる点に信頼を感じています。
現在では、取り扱い製品にかかわらず、何かあれば「まずABKSSに相談してみよう」と思える身近なパートナーになっています。
現地調査では、メジャーやカメラを使った作業が中心で、計測漏れや撮影漏れによる再訪や手戻りが課題となっていました。
計画時には週2~3回、着工までに10回以上現場へ足を運ぶこともあり、移動時間を含め大きな負担となっていました。
現地調査は少なくとも半日程度かかり、高さなどを測る場合は、計測と記録を効率よく進めるため2名以上で対応することも多くありました。
また、香取神宮赤鳥居建替工事のような特殊案件では、搬入経路や仮設計画、重機配置などを事前に綿密に検討する必要があります。
しかし、写真や現地確認だけでは全体像を共有しにくく、担当者による判断基準の違いや、その後の情報共有にも手間がかかっていました。
そのため、現場を3Dデータとして記録し、関係者が同じ空間情報を見ながら計画できる環境が必要だと感じていました。
以前からABKSSとはArchicadの導入などを通じてお付き合いがあり、BIM活用について継続的に相談していました。
BIMなどの勉強会で他社のMatterport活用事例を知り、実際の活用方法を聞く中で「自社でも使えそうだ」と導入への関心が高まりました。そこで、普段から相談しているABKSSの紅林さんに「Matterportを扱っていませんか」と聞いてみたところ、ちょうど取り扱いを始めたタイミングだったんです。
その後すぐにデモを実施していただき、実際に社屋を撮影しながら操作方法をレクチャーしてもらいました。撮影時のポイントやデータをつなげる際のコツまで実機を使って教えていただけたため、導入後の運用イメージを具体的に描くことができました。

Matterport初回デモの様子
決め手は、1人でも操作できること、360°写真と点群の両方を取得できることです。
当時はPro2とPro3がありましたが、屋外での現地調査も想定していたため、Pro3の発売を待って導入しました。屋内外問わず撮影でき、内部と外部の写真をきれいにつなげられる点が便利です。
土木部門ではすでに点群測量機器を導入していましたが、Matterportはそれらと比べて価格面や操作性にメリットがあり、建物内でも使いやすい点が導入の後押しになりました。

Matterportによる現地撮影
Matterportの導入により、現場を3D空間として記録できるようになり、計測・撮影漏れの防止や再訪の削減につながっています。
事務所へ戻ってからでも必要な箇所の寸法や現場状況を確認できるため、測り忘れのためだけに現場へ戻るといった手間も減りました。実際にMatterportで撮影した改修計画では、営業担当者の現場への再訪回数が0回になっています。
現在では営業担当者が自ら撮影するケースもあり、社内で操作できるメンバーは4~5名ほどに広がっています。
若手技術者にも現場で撮影方法を共有するなど、活用の輪が広がっています。

3Dデータを活用した現場確認
香取神宮赤鳥居建替工事では、Matterportで取得した3D空間データをもとに、仮設計画や迂回路の検討を実施しました。
現場全体を俯瞰しながら搬入動線や施工範囲を確認できるため、関係者間で完成イメージを共有しやすくなり、施工前の打ち合わせや計画立案をよりスムーズに進められるようになりました。

3Dデータを活用した仮設計画

香取神宮 赤鳥居 完成の様子
Matterportで取得した3D空間データを、現地調査だけで終わらせず、その後の設計や施工計画にも活用しています。
また、関係者間で同じ3D空間を確認できるので、写真や図面だけでは伝わりにくい現場状況も共有しやすくなり、認識のズレを減らすことにもつながっています。

Matterportで取得した3D空間
今後は、改修・リノベーション工事を中心にMatterportの活用を広げ、設計部門や施工管理、協力会社との情報共有や業務の標準化、品質向上につなげていきたいですね。
また、Matterportで取得した点群をArchicadに取り込むなどBIMとの連携を深め、設計から施工まで一貫してデジタルデータを活用できる環境づくりも進めていければと考えています。社内では、本社側で撮影を担い、各現場には取得した3Dデータを「見て、活用してもらう」という形で展開していきたいです。
これからも私たちの業務に合わせた活用方法や、新しい技術を取り入れた提案を期待しています。さまざまな製品・サービスを組み合わせながら、「こうすればもっと業務が良くなる」という視点で伴走していただけると心強いです。
今回も導入後の運用について相談できることに加え、補助金に関する情報提供やアドバイスをいただけたので、とても助かりました。
これからも、あらゆる面から継続的に支援していただき、建設DXを一緒に推進していけるパートナーであってほしいと思っています。
このたびは、お忙しい中インタビューにご協力いただき、誠にありがとうございました。
BIM活用や建設DXをご支援する中で、今回Matterportを活用した取り組みをご紹介できたことを大変嬉しく思います。
今後も石井工業株式会社様のさらなる発展に向け、最新技術の活用や業務改善をご支援してまいります。
1904年創業、千葉県を中心に公共土木から倉庫・工場、商業・教育施設など幅広い建設事業を手掛ける総合建設企業。
120年以上にわたり地域の社会基盤づくりを支える一方、BIM/CIMやICTなどの先端技術も積極的に取り入れ、建設現場の生産性・品質・安全性の向上に取り組んでいます。
会社名 | 石井工業株式会社 |
所在地 | 千葉県香取市 |
創業 | 1904年(明治37年) |
事業内容 | 総合建設業 |
ホームページ |

石井工業株式会社 本社
Matterportは、専用カメラや360°カメラで撮影するだけで、現場を高精度な3D空間データとして記録・共有できるクラウドサービス。取得したデータは、専用ビューア上で360°視点による空間確認や寸法計測が可能で、現場へ行かなくても状況を把握できます。
建築・建設業をはじめ、製造業や不動産、設備保全など幅広い業界で活用されています。


3Dスキャンした空間の建物全体の「ドールハウスビュー」