STEPデータの穴をAIでリスト化してみた|Autodesk Assistantで履歴のないモデルを一気に解析

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Autodesk Assistantは、Fusion上で日本語の対話形式で操作・解析・情報取得ができるAIアシスタントです。今回は取引先から支給された履歴のないSTEPデータ2種類を題材に、「穴情報を全部リスト化できるのか」を検証しました。

結果として、穴径・深さ・個数に加え、M規格との照合や下穴/通し穴の推定まで自動で出力され、見積や加工検討の初期判断に十分使える内容でした。

本記事では、STEPデータを使用した検証パターン2種類の結果をご紹介します。

 

こんな方におすすめの記事です

  • STEPデータの穴を手作業で拾っている方
  • 3Dモデルから加工判断したい方
  • 見積作成を効率化したい方
  • AI機能の実力を見極めたい方
  • Fusionの新しい使い方を探している方

        

   

目次[非表示]

  1. 検証内容の概要
    1. 検証条件
    2. 検証パターン①
    3. 検証パターン②
  2. 実際に試してみた
    1. 検証①:円盤プレートで穴情報を抽出
    2. 検証②:ベースプレートで穴数78個を一括処理
  3. 実務で使えると感じた場面
  4. ABKSS視点での考察
    1. Autodesk Assistant は図面レス加工・見積業務に効果あり
  5. FAQ
    1. Q1. 履歴のないSTEPデータでも使えますか?
    2. Q2. 日本語のプロンプトで操作できますか?
    3. Q3. 出力結果はそのまま見積に使えますか?
    4. Q4. どの製品で使えますか?
    5. Q5. 操作にAIの専門知識は必要ですか?
  6. Autodesk Assistantの活用ならABKSSへ

検証内容の概要

今回の検証は、取引先から支給されたプレートモデル(STEPデータ)をFusionに読み込み、Autodesk Assistantへ自然言語でプロンプトを入力し、履歴のないSTEPデータから、穴情報を一括抽出できるかを確認するものです。

 

検証条件

  • 使用ソフト:Autodesk Fusion
  • 使用AI:Autodesk Assistant(Fusion組み込み)
  • 入力データ:STEP形式のプレート部品(履歴なし)
  • 検証パターン:
    ①穴数の多いプレート(円盤状)
    ②ベースプレート(直方体状)
  • 入力方法:日本語のチャットプロンプト

  

期待した結果は「穴径と深さがリスト化されること」でしたが、実際にはそれ以上のアウトプットが得られました。

 

検証パターン①

プレートモデル(STEP)読込画面:取引先支給のSTEPデータをFusionで読込した状態

 


プレートモデルの別アングル/拡大:履歴情報のないモデルであることが確認できる

検証パターン②

ベースプレート読込画面:より複雑な形状のベースプレートで再検証

 
 

実際に試してみた

検証①:円盤プレートで穴情報を抽出

STEP1:画面右側にAutodesk Assistantのチャットパネルを表示

まずはSTEPデータをFusionに読み込み、画面右上のヘルプアイコンからAutodesk Assistantを起動します。すると、画面右側にAutodesk Assistantのチャットパネルが表示されます。

 

 

STEP2:日本語で穴情報の抽出を依頼

Autodesk Assistantのチャットパネルに、次のようなプロンプトを入力し、穴情報の抽出を依頼します。日本語に対応しており大変便利です。

  

 

 

STEP3:M表記つきの穴リストが自動生成された

数秒後、Assistantから出力されたのは、8種類の穴を整理した一覧表でした。

 

↓規格外サイズには判断コメントが付与される

この機能のポイントは、単なる寸法取得ではなく、「製造視点で整理された情報」として出力される点です。これにより、図面がなくても加工検討・見積の判断材料として活用できます。

例えば、

  • M表記への自動変換
  • 通し穴/タップ穴の推定
  • 規格外サイズの抽出

特にSTEPデータのような履歴のないモデルでも解析できる点は、現場での活用価値が非常に高いです。

 

良かった点

  • 規格外サイズを自動で切り分けてくれる
  • 「下穴/通し穴」の推定までしてくれる
  • 表形式でそのままコピペできる

    

気になった点

  • 大径穴の最終用途(ボルト通し/座ぐり/ポート)は人間判断が必要
  • 「※M規格の下穴・通し穴いずれにも一致しないため」と注釈はあるが、判断材料を別途用意する必要あり

   

検証②:ベースプレートで穴数78個を一括処理

続いて、より複雑なベースプレートで再検証しました。

 

STEP1:画面右側にAutodesk Assistantのチャットパネルを表示

STEPデータをFusionに読み込み、画面右上のヘルプアイコンからAutodesk Assistantを起動するところまでは先ほどと同様です。

STEP2:日本語で穴情報の抽出を依頼

円盤プレートの時と同じプロンプトを入力し、穴情報の抽出を依頼します。

 

 

STEP3:穴数が多いモデルでも一括で整理された

結果は13種類・合計78個の穴を一括分類。M3〜M16の標準規格すべてに照合され、規格外3種類は実寸φ表記で抽出されました。

 

特に印象的だったのが、「同じφ8.5でも深さ1.5mmと21.0mmの2種類がある」と検出した上で、「座ぐり+下穴の組み合わせの可能性があります」と注記してくれた点です。

これは履歴のないSTEPデータでは人間でも見落としやすい箇所であり、AIが先回りして指摘してくれる価値は大きいと感じました。

  

良かった点

  • 78個の穴を抜け漏れなく整理
  • 同径・異深さを別カウントしてくれる
  • 座ぐり構造の可能性まで示唆

 

気になった点

  • 自動判定はあくまで「可能性」のため、最終確認は必要
  • プロンプトの書き方で出力フォーマットが変わるため、社内で運用ルール化が必要

 

実務で使えると感じた場面

検証を通じて、特に以下の業務での効果が期待できると感じました。

  • 加工見積の初期判断:図面化前の段階でも、穴の規格・本数から工数見積が可能
  • 支給データの受入確認:取引先からのSTEPデータを社内基準でチェックする際の一次解析
  • 履歴なしモデルの解析:他CADで作成された中間データの内容把握
  • 加工工程設計の前段階:タップ/通し/座ぐりの切り分けによる工程整理

特に「図面が間に合っていないが見積を出したい」というシーンでは、強力な武器になります。

 

ABKSS視点での考察

今回の検証で最も価値を感じたのは、単なる寸法取得ツールではなく「製造視点で整理された情報」が出力される点です。

従来のSTEPデータ解析では、寸法は取れても「これがM6の下穴なのか、φ5の通し穴なのか」までは人間が解釈する必要がありました。Autodesk Assistantは、設計データに直接アクセスし、製造規格に照らした文脈で情報を返してくれるため、図面に頼らない加工判断のハードルが大きく下がります。

一方で、AIの出力はあくまで「推定」である点には注意が必要です。規格外の大径穴は依然として人間判断が必要であり、業務に組み込む際は「AIが棚卸しし、人が判断する」という役割分担を明確にすることが重要です。

 

Autodesk Assistant は図面レス加工・見積業務に効果あり

今回の検証結果をふまえ、向いている業務とそうでない業務を整理してみました。

向いている企業:図面レスの試作・小ロット加工が多い製造業、見積スピードを重視する加工業者、設計と製造をつなぐ業務改善を進めたい企業

向いていない企業:図面と完全一致した検査結果が必須の業務(最終検査用途には不向き)、AI出力のダブルチェック体制が組めない組織

 

FAQ

Q1. 履歴のないSTEPデータでも使えますか?

A. 使えます。今回の検証はまさに履歴情報のないSTEPで実施しています。形状認識ベースで対象エッジを抽出するため、インポートデータでも条件指定が機能しました。

Q2. 日本語のプロンプトで操作できますか?

A. 今回の検証では日本語で問題なく動作しました。「M00と表記して」のような細かい指定にも対応しました。ただし条件は径・寸法・向きなど具体的に指定するのが安定動作のコツです。

Q3. 出力結果はそのまま見積に使えますか?

A. 一次資料としては有効ですが、規格外サイズの用途判断は人間の確認が必要です。AIは「選択作業の高速化」を担うものであり、設計判断の責任は人に残ります。

Q4. どの製品で使えますか?

A. Autodesk Fusion環境で利用可能です。対応製品の最新情報はAutodesk公式サポートページをご確認ください。

Q5. 操作にAIの専門知識は必要ですか?

A. 不要です。会話形式で指示できるため、特別なコマンドを覚える必要はありません。

 

Autodesk Assistantの活用ならABKSSへ

ABKSSでは、Autodesk製品の導入支援だけでなく、Autodesk Assistantを実務にどう組み込むかという運用面のご相談も承っております。

「自社のSTEPデータでも同じことができるのか」「見積業務にどう組み込めるか」「他のCADデータとの併用は可能か」など、現場のリアルな課題に合わせてご提案いたします。

検証用データをお持ちの方には、実機での操作デモも可能です。まずはお気軽にお問い合わせください。

   

ABKSSブログ編集部
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