RPAでできること・できないこと|自動化できる業務例13選を紹介
RPAは、決められたルールに沿った定型的な作業には強いですが、柔軟な判断が求められる業務には向いていません。そのため、導入前に「どのプロセスを自動化するのがベストか」見極めることは非常に重要なポイントです。
そこで本記事では「RPAで何ができて、何ができないのか」について解説していきます。具体的な自動化の事例も紹介しますので、RPA導入を検討している方は参考にしてみてください。
このような方におすすめの記事です
- RPA導入によって何ができるのか知りたい方
- 会社全体の業務効率を上げるために、自動化を活用したい方
- RPA導入による具体的なメリットを知りたい方
- RPA導入を検討している方
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RPAでできること
簡単にいうと、RPAは「定型的で繰り返し行われる作業の自動化」を実現することができます。
例えば、データ入力や集計、請求書処理、メールの送信、勤怠管理、在庫管理などの作業が挙げられます。これらの処理や操作を高速かつ正確に行うため、業務時間の大幅短縮や成果物の品質向上などを実現可能です。
また、既存のシステムと連携して作業を自動化するため、システム改修の必要がなく導入が比較的容易ともいわれます。
RPA化できる業務の具体例 13選
RPAは、多くの企業で業務の効率化を図るために活用されています。RPA初心者でも理解しやすい具体的な事例を交え、RPAがどのような業務に適用され、自動化が可能かを解説します。
バックオフィス系(3選)
バックオフィス業務は会社の運営に欠かせない重要な役割を担っていますが、多くは定型的で時間がかかるものです。RPAを活用することで、こうした手間のかかる業務を効率化でき、担当者はより戦略的な業務に集中できるようになります。
①勤怠管理
勤怠管理の自動化では、従業員の出退勤時間の入力、有給休暇の申請と承認、残業時間の計算などを自動化することで、手作業によるヒューマンエラーを減らし、データの正確性を向上させます。
また、正確な勤怠データをもとに迅速な給与計算や労務管理が可能となり、全体の業務効率も向上します。
②入金確認
入金確認業務は手動で行うと時間がかかり、エラーも発生リスクもありますが、RPAを導入すれば銀行口座の入金データを自動で収集し、販売管理システムにリアルタイムで反映できます。入金確認が遅れるとアラートを発して迅速な対応を促すことも可能です。
③経費精算の集約
経費精算は手作業だとミスが起こりやすく、時間と手間がかかりますが、RPAとOCRを使えば自動化できます。OCRで領収書を自動読み取りし、フォーマット化して経理システムに入力することで、作業の効率化が実現します。経理担当者の負担とエラーリスクが軽減し、処理速度も向上します。
受発注・在庫管理系(3選)
受発注・在庫管理業務は、ビジネス運営の中心的な役割を果たしています。繰り返し行う在庫管理や発注リストの入力作業を自動化することで、ヒューマンエラーを減らし、業務をスピーディーに進めることが可能です。
④在庫管理
在庫管理もRPAを導入すれば在庫データのチェックやシステム入力が自動化され、データの正確性と業務効率が向上します。
RPA活用により在庫切れによる販売機会ロスや過剰在庫による管理費の増大を防ぐため、設定した時刻に在庫情報を営業担当者に自動で送信可能です。これにより、どこからでも在庫状況を把握することが可能になります。
⑤請求・支払
請求書発行のプロセスで、営業担当者が売上伝票を経理に提出し、手作業で販売管理システムに入力している場合、RPAを導入することでミスのない効率的な仕組みに変えられます。
たとえば、営業担当者が売上伝票を共有フォルダにアップするだけで、RPAが自動でデータをシステムに転記し、設定した日に請求書を発行してメールで送ることが可能です。契約書や見積書なども自動で発行できる仕組みが作れます。
⑥入金消込
取引先に対する請求情報と実際の入金情報と照合して、確認が取れ次第消していく入金消込も、RPAを活用することで大幅に効率化できます。
手作業での入金消込は、多くの時間と労力がかかり、入力ミスも発生しやすいですが、RPAは銀行口座から入金データを自動取得し、ERPや会計システムと照合することで、正確な消込作業を実現します。
データ管理・文書処理系(2選)
RPAを使えば、データ管理や文書処理の効率を大幅にアップできます。手作業だと時間がかかるデータ整理や文書の処理を自動化することで、業務をより正確かつ迅速に進められるようになります。
⑦文書のデジタル化
紙の文書管理は紛失や劣化のリスクも高く、情報検索に手間がかかるなどのデメリットがあります。RPAを導入することで、契約書や請求書などのスキャンからデータベースに保存するところまで自動化できます。
⑧売上日報の作成
売上日報作成は、手動で行うとデータ入力や計算ミスが発生しやすく、効率も低下し、他の重要業務に悪影響を与えることがあります。
RPAを導入することで、販売データを自動収集し、指定フォーマットで日報を生成・配信するプロセスを自動化でき、ミスを減らして生産性を向上させることが可能です。
販売・マーケティング系(3選)
販売やマーケティング部門では、データ入力や顧客情報の更新など、手作業や反復作業が多く発生します。これらをRPAで自動化することで、業務効率を大幅に向上させることが可能です。
その結果、重要な戦略業務やクリエイティブな活動に集中できるようになり、部門全体のパフォーマンスも向上します。
⑨メール配信
RPAをマーケティング部門のメール配信業務に活用することで、ニュースレターやプロモーションメールの配信、社内連絡メールの自動送信が効率化されます。リスト管理やセグメントごとの配信を自動化することで、送信漏れや誤送信のリスクを減らせます。
⑩問い合わせ対応
RPAを問合せ対応で活用することで、自動で顧客情報の検索や定型回答の送信が可能になります。これにより、対応スピードが向上し、スタッフの負担を軽減します。また、RPAは24時間稼働できるため、迅速な対応が求められる問い合わせにも対応でき、顧客満足度の向上にも貢献します。
⑪広告レポート作成
広告レポートの作成はマーケティング担当者にとって重要な業務ですが、手作業で複数のデータソースから情報を収集して分析するのは、非常に時間と労力がかかり、ミスが発生しやすくなります。
RPAを導入すると、Google Analyticsや広告運用ツールからデータを自動で抽出し、Excelに取り込み、指定フォーマットでレポートを作成することが可能です。これにより、作業を迅速かつ正確に行え、データの正確性が向上します。
その他の業務(2選)
RPAには、さまざまな業務に応用できる可能性が広がっています。ここでは、その具体的な業務例を挙げながら詳しく解説していきます。
⑫契約更新リマインダー
契約更新リマインダーはRPAで自動化できる重要な業務の一つです。人間が手動で管理する場合、更新のタイミングを逃すリスクがあり、後からのトラブルになる可能性があります。しかし、RPAを使うことで定期的に通知を自動で送信できるため、このリスクを回避できます。
例えば、契約の1か月前にメールでリマインドを送信するタスクを設定することにより、更新漏れを防ぐことが可能です。
⑬人材採用プロセスの支援
RPAは人材採用プロセスの支援に有効です。採用プロセスには、候補者のリスト作成、面接のスケジューリング、応募書類の初期レビューなど、多くの反復作業が含まれているため、これらを自動化することで効率が大幅に向上します。
例えば、適格な候補者のリスト作成や面接の日程調整、リマインダー送信を自動化し、関連部門への情報共有などを自動化することが可能でしょう。
定型業務のRPA化におすすめのツール
定型業務を自動化では、RPAツールを利用がおすすめです。特にこちらでご紹介する製品は、専門的なプログラミング知識がなくても、データ入力や転記、レポート作成などの単純な作業を自動化できます。 初心者でも簡単に操作できるインターフェースが用意されているのが特徴です。
UiPath
UiPathは、UiPath Inc.が提供するRPAツールで、幅広い業務の自動化が得意で、特にデータ入力、文書処理、アプリケーション間連携などに強みを持ちます。
ほかと比較すると、豊富なアクティビティライブラリとコミュニティによるサポートが充実しており、世界中の企業で広く採用されています。
RoboTANGO
RoboTANGOは、スターティアレイズ株式会社が提供するRPAツールで、データの入力や集計、業務プロセスの自動化などに適しています。
国産RPAツールとして、日本の企業文化に合ったカスタマイズが可能で、日本語のサポートが手厚く、国内企業での導入が進んでいます。
Coopel
Coopelは、株式会社Coopelが提供するRPAツールで、単純作業や繰り返し作業の自動化、特にデータ処理や業務フローの自動化に適しています。
ほかのツールと比較すると導入コストが低く、中小企業やベンチャー企業にとって手軽に導入できる点が特徴です。操作が簡単で、ITスキルの少ない従業員でも利用しやすいよう設計されています。
RPAができないこと
RPAは業務効率化に有効なツールですが、すべての業務に適用できるわけではありません。導入の失敗を避けるためには、RPAの得意な業務と不得意な業務を見極め、適切に活用することが重要です。
①創造的な思考や判断が必要な業務
RPAは、新製品のアイデア創出やマーケティング戦略の策定などの業務には不向きです。これらの業務は直感や経験に基づく判断と創造力が求められ、創造的な思考や判断が求められるためです。
RPAは決められたルールに従って作業を行うツールであり、人間のように独自に考えたり柔軟に対応することはできません。
②非定型で柔軟な対応が求められる業務
RPAは非定型で柔軟な対応が求められる業務には適していません。これは、RPAが事前にプログラムされたルールに従って作業を行うため、変動が多くてルールが曖昧な業務には対応できないからです。
例えば、カスタマーサポート業務などは、お客様からの問い合わせ内容が毎回異なり、各ケースで異なる対応が求められるため、 RPAが対応するのは困難です。
③感情やニュアンスを理解する必要がある業務
RPAは感情やニュアンスを必要とする業務には不向きです。現在の技術では、感情や微妙なニュアンスを理解するのは人間特有の能力であり、ロボットには困難です。
例えば「クレーム対応」などは感情を読み取り適切に対応する必要があるため、人間の判断力が求められます。
④頻繁にルールや手順が変わる業務
頻繁にルールや手順が変わる業務はRPAには適していません。RPAは定型的な作業を自動化することが得意な一方で、業務ルールが頻繁に変更されると、そのたびにプログラムの修正が必要となり、大きな労力とコストがかかります。
そもそもRPAとは
RPAとは「ロボティック・プロセス・オートメーション(Robotic Process Automation)」の略で、ソフトウェアロボットを用いて、人間が行う定型的な業務を自動化する技術です。プログラムされた手順に従って処理を行うため、ヒューマンエラーが減り、正確かつ迅速に業務を進めることができます。
データ入力や集計、書類処理などの繰り返しが多い作業を自動で行い、業務効率を大幅に向上させます。
RPAのメリット・デメリット
RPAのメリットは、手作業を自動化することで「人件費や業務コストの削減」、「ヒューマンエラーの防止」、「人材配置の最適化」が挙げられます。自動化により業務効率が向上し、ミスが減り、専門的な業務に人材を集中させられます。
デメリットとしては、問題発生時の対応が難しく、設定外のタスクには対応できない点があります。柔軟な対応が求められる業務や、頻繁にプロセスが変わる環境では、導入の効果が限られることに注意が必要です。
おわりに
本記事では、RPAの定義、メリット・デメリット、できることとできないこと、さらに具体的な業務自動化の例について詳しく解説しました。RPAは多くの業務を効率化し、生産性を向上させる一方で、適用範囲に制限があることも理解していただけたと思います。
今後のステップとして、まずはRPA導入の初期段階となる業務分析を進めてみてください。その上で、実際の導入に向けて専門家との打ち合わせを行うことで、効果的な自動化が実現できます。
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