3Dプリンタ用データの作り方・ファイル形式・配布サイトについて解説

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3Dプリンタは個人の趣味から産業分野まで幅広く浸透し、さまざまなものづくりに変革をもたらしています。特に、造形物の品質や仕上がりを左右する3Dデータは、3Dプリンタ活用において非常に重要な要素です。

本記事では、3Dプリンタ用データの作成方法から主流のファイル形式、さらに無料でダウンロードできるデータ配布サイトの活用術まで、幅広く解説します。

 

このような方におすすめの記事です

  • 3Dプリンタの導入を検討している方
  • 3Dプリンタを始めたばかりの方
  • 自作データの作り方・注意点など知りたい方
  • 無料データの入手方法を知りたい方

目次[非表示]

  1. そもそも3Dプリンタとは?
  2. 代表的な3Dプリンタ用ファイル形式
    1. STL
    2. VRML
    3. OBJ
    4. AMF
    5. 3MF
    6. 3DS
  3. 3Dプリンタのデータ作成方法5選
    1. ① 3DCADソフトでモデリングする
    2. ② 3DCGソフトでモデルを制作する
    3. ③ 実物を3Dスキャナで取り込む
    4. ④ 無料配布サイトからダウンロードする
    5. ⑤ データ作成サービス・代行に依頼する
  4. 3Dデータを無料ダウンロードできる主要サイト
    1. Thingiverse
    2. MyMiniFactory
    3. Pinshape
    4. 3Dモデラボ
    5. CGTrader・TurboSquidなど海外サイト
  5. データ作成時の注意点、エラーを防ぐポイント
    1. 造形サイズと最小厚みを確認する
    2. ウォーターティート構造が成立しているか確認する
    3. サポート材を考慮する
  6. 3Dデータ作成の相談もABKSSへ
  7. おわりに

そもそも3Dプリンタとは?

3Dプリンタは、デジタル化された形状データ(3Dデータ)をもとに材料を一層ずつ積み重ねて立体物を造形する装置です。主に3Dデータをスライスし、薄い層を一層ずつ積み重ねて造形していきます。材料や技術の進歩により、精細なパーツから大型部品まで幅広く対応できるようになりました。

完成品の精度や強度はデータ品質に大きく左右され、欠損や不整合があると造形エラーの原因となります。

方式には、樹脂を熱で積層する「FFF/MEX方式(FDM方式とも呼ばれる)」や、液体樹脂を光で硬化させる「SLA / DLP方式」などがあり、用途や精度、コストに応じた選択が重要です。

近年は低価格化や材料・技術の進歩により、精細なパーツから大型部品まで幅広く対応できるようになり、試作や少量生産での活用が広がっています。

代表的な3Dプリンタ用ファイル形式

3Dプリンタのデータ形式には複数の種類があり、用途に応じた使い分けが重要です。ファイル形式は形状情報だけでなく、テクスチャやマテリアル、色などの情報を保持できるものもあり、対応するプリンタやソフトウェアを考慮する必要があります。

特に、複数素材やカラー出力を行う場合は、必要な情報を正しく保持できる形式を選ばなければなりません。造形するモデルの特性や、将来的な編集・再利用も見据えて最適なファイル形式を選定することで、作業効率や品質の向上につながります。

 

STL

STLは3Dプリンタの分野で最も一般的に利用されるファイル形式で、形状を三角形のメッシュデータとして表現します。シンプルかつ多くのソフトやプリンタに対応しているため、初心者でも使いやすい点が特徴です。

ただし、色や材質などの追加情報を持たないため、複雑なアセットを扱う場合は別の形式も検討が必要です。

 

STLが主流だが、STEP対応も広がっている

従来はSTL形式が主流でしたが、最近ではSTEP(STP)ファイルを直接読み込めるスライスソフトも増えてきています。

STLは三角形メッシュの集合体で形状を表現するため、円弧や曲面の多いモデルでは造形時にカクつきが出る場合があります。一方、STEP形式はCADのソリッド情報を保持しているため、曲面がより滑らかに再現されやすく、モデルによってはデータ容量を抑えられるケースもあります。

 

VRML

VRMLはカラー情報を保持できる形式で、一部のフルカラー3Dプリンタ用途で利用されることがあります。人の顔やキャラクターなど色付きモデルを出力する際に利用されることが多く、近年はフルカラー対応の3Dプリンタの普及も進みました。

しかし、対応ソフトが限定されることもあるため、事前に利用環境を確認するのがおすすめです。

  

OBJ

OBJファイルはテクスチャやマテリアル情報を比較的扱いやすい形式で、VRCG分野でも広く利用されています。複数のソフトウェアがサポートしているため、モデルを行き来させる際も便利です。

3Dプリンタ用ソフトウェアでも読み込める場合が多いですが、カラーをプリントに反映させたいときはファイル一式の構成に注意しましょう。

 

AMF

AMFは複数の素材情報やメタデータを包含できる拡張性の高い形式です。

色や物性情報などを記録できるため、素材の違うパーツを一度に扱うような先進的な用途への対応を想定した形式です。

まだ対応ソフトウェアやプリンタが限られていることが多いため、最新機材や特別なプロジェクトでの利用に検討するとよいでしょう。

 

3MF

3MFはマイクロソフトを中心とした企業が策定した形式で、3Dプリンティングに必要な情報を効率的に保持します。データ容量が比較的小さく、色やマテリアル情報も含めやすい点が特長です。

徐々に対応ソフトも増えていることから、今後、主流の一つとなる可能性がある形式といえるでしょう。

 

3DS

3DSは古くから3DCG分野で使われているファイル形式で、多くのモデリングソフトに対応している実績があります。ただし、3Dプリンタ向けに最適化されているわけではないので、事前にメッシュの修正変換作業が必要となる場合があります。

歴史が長く対応ソフトも豊富なため、変換を挟めば安定して使える点がメリットです。

 

3Dプリンタのデータ作成方法5選

3Dプリンタデータ作成方法

① 3DCADソフトでモデリングする

「3DCADソフト」は、寸法や角度などを正確に設定しながらソリッドモデルを組み立てられるため、工業製品機械部品の設計に向いています。ソフトによっては操作に専門的な知識や慣れが必要ですが、その分ミリ単位の精密な造形が狙えます。

CADソフト同士のファイル互換性にも注意が必要ですが、STLなどにエクスポートすれば3Dプリンタに対応しやすいでしょう。

  

代表的な3DCADソフトの例

 

② 3DCGソフトでモデルを制作する

「3DCGソフト」は、映画やゲームなどで扱われるキャラクターモデルや有機的な曲面の設計に優れています。比較的自由な発想で形状を構築できるため、芸術的な作品クリエイティブな造形を求める人に向いています。

プリント時にはポリゴン数面のつながりを整え、3Dプリンタに対応する形式へ変換する必要がある点に注意しましょう。

 

代表的な3DCGソフトの例

  • Blender

  • ZBrush

  • Maya

  • 3ds Max

 

③ 実物を3Dスキャナで取り込む

手元にある実物を「3Dスキャナ」で読み込むことで、複雑な形状のオブジェクトを簡単にデータ化できる方法もあります。人の顔既存の部品など、手作業でモデリングするのが難しい形状を取り扱う際に有効です。

ただし、スキャン後のデータには不要なノイズが発生する場合があるため、修正作業が必要となるケースが少なくありません。

 

④ 無料配布サイトからダウンロードする

すでに完成度の高い3Dデータが多数公開されている無料配布サイトを活用すると、すぐにプリントを始められます。

世界中のクリエイターが制作したモデルが集まっており、試作品や検証用の造形物、デザイン検討のたたきとしても役立ちます。

ただし、サイトによっては無料と有料のデータが混在している場合があるほか、商用利用の可否ライセンス条件がモデルごとに異なる点には注意が必要です。利用前には必ず利用規約を確認しましょう。

 

⑤ データ作成サービス・代行に依頼する

自分での設計が難しかったり、時間をかけられない場合は、専門の業者にデータの作成を依頼する方法もあります。プロの知識や経験を活かせるため、精度や品質を重視したいときにおすすめです。

依頼時には、目的予算などを事前に明確にし、どのような形式で納品してほしいかを具体的に伝えるようにしましょう。

 

3Dデータを無料ダウンロードできる主要サイト

 

Thingiverse

Thingiverseは世界最大級の3Dモデル共有サイトで、無料データが豊富に公開されています。STL形式を中心に、実用パーツからフィギュアまで幅広いモデルがそろっており、作例や改造例を参考にできるコミュニティ機能も充実しています。

https://www.thingiverse.com/

  

MyMiniFactory

MyMiniFactoryは品質の高いモデルが多く、無料・有料データが混在するプラットフォームです。多くのモデルがプリント検証済みで、完成度の高いデータを入手しやすい点が特長です。

https://www.myminifactory.com/

  

Pinshape

Pinshapeは検索性に優れたUIが特長で、初心者でも使いやすいサイトです。無料モデルに加えて有料モデルもあり、コメント欄から造形時の注意点を確認できるのもメリットです。

https://pinshape.com/

  

3Dモデラボ

3Dモデラボは日本語対応の国内向けサイトで、日本人ユーザーによる投稿が多く、生活用品や実用パーツなど身近なモデルを探しやすい点が特長です。

https://modelabo.net/

  

CGTrader・TurboSquidなど海外サイト

CGTraderTurboSquidは高品質な3Dモデルが集まる海外プラットフォームです。有料モデルが中心ですが、無料カテゴリやフィルタを利用することで、3Dプリンタ向けのデータを見つけることも可能です。

https://www.cgtrader.com/

https://www.turbosquid.com/

 

データ作成時の注意点、エラーを防ぐポイント

造形サイズと最小厚みを確認する

モデルが大きすぎると一度にプリントできないため、プリンタの対応サイズに合わせて分割するなどの工夫が必要です。造形物の体積が大きくなるほど、材料使用量や造形時間も増加するため、事前に全体サイズや体積を把握しておくことが重要です。

 

ウォーターティート構造が成立しているか確認する

3Dモデルは面のつながりが途切れず、外部と内部が完全に分離した“閉じた形状”を保っていることが理想とされます。これがウォーターティート(外部と内部が完全に閉じた状態)と呼ばれる状態で、プリント時の造形エラーを防ぐ主な要素です。

サーフェスが欠けていたり、裏返っていたりすると、ウォーターティート構造が成立せず、プリント時の造形エラーにつながります。

が開いている場合は、モデリングソフトの自動修復機能などを利用し、完成度の高いメッシュデータに仕上げましょう。

 

サポート材を考慮する

オーバーハングが大きい部分や、水平から大きく突き出す構造を持つモデルでは、サポート材が必要になります。サポート材は後で除去する手間が増えるだけでなく、表面の仕上がりにも影響するため、モデル形状の検討段階で回避や軽減を考慮するのがおすすめです。

必要に応じて分割印刷アングルの変更など、プリント時の安定性も考慮した設計が重要になります。

 

3Dデータ作成の相談もABKSSへ

ABKSSの3Dプリンタ支援サービスでは、導入前のヒアリングから方式・機種選定、現場で安定して活用するための運用設計までを一貫してサポートしています。

用途や予算、造形目的を整理したうえで最適な構成を提案し、設置・初期設定、造形条件の調整、社内向けの教育・トレーニングまで対応可能です。

また、自社でのモデリングが難しいケースや、高い精度が求められる部品、複雑形状のデータ作成についてもお気軽にご相談ください。

 

おわりに

本記事では、3Dプリンタ用データの作成方法から主流のファイル形式、データ配布サイト、データ作成時の注意点まで幅広くご紹介してきました。

用途に応じたファイル形式の選定が造形品質や作業効率に大きく影響していくことがご理解いただけたかと思います。

さらに、データ作成時の基本的なチェックポイントを押さえることで、造形エラーや手戻りを防ぐことができます。本記事を参考に、3Dデータ作成の理解を深め、3Dプリンタによるものづくりの可能性をぜひ広げてみてください。

ABKSSブログ編集部
ABKSSブログ編集部
ABKSSブログ編集部は、製造業・建設業に特化した情報を発信するメディアチームです。CADや設計に関する実務的なノウハウから、AIの活用、BIM・CIM、DX推進といった最新技術の動向まで、業界の課題解決に役立つ情報をわかりやすくお届けしています。

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