無料で使える3D CADフリーソフト10製品|機能特徴からメリットデメリットまで
設計やモデリングの分野で欠かせないツールとなっている3D CADは、初心者からプロフェッショナルまで幅広い層に利用されています。
無料CADソフトは手軽に導入できる点が魅力ですが、機能の制限や商用利用の可否、データ管理の制約など、利用にあたってのデメリットもあります。そのため、自身の目的やニーズに合致するかどうかを確認し、慎重に選択することが重要です。
本記事では、無料CADソフトの特徴や機能、メリット・デメリットを解説しつつ、無料で利用可能な3D CADフリーソフトを10製品ご紹介します。
このような方におすすめの記事です
- 初心者でも手軽に導入できる3D CADソフトを探している
- 無料で使える3D CADソフトを探している
- 無料ソフトと有料ソフトの違いを知りたい
▼CADの導入を検討する際は、導入実績が豊富なエービーケーエスエスにぜひご相談ください。
目次[非表示]
- ・CADとは?
- ・3DCADとは?
- ・無料ソフトと有料ソフトの違い
- ・おすすめの無料3D CADソフト10選
- ・Autodesk Fusion(Fusion360) - 高機能で柔軟な設計
- ・Solid Edge - スタートアップ企業なら無償利用可能
- ・Blender - 3DCGとCADの融合
- ・FreeCAD - オープンソースで高機能
- ・SketchUp Free - 初心者にも簡単
- ・DesignSpark Mechanical - 簡単な操作で設計可能
- ・TinkerCAD - 初心者向けの簡単設計ツール
- ・BricsCAD Shape - プロフェッショナル向けの無料ツール
- ・Creo Elements/Direct Modeling Express - 直感的なモデリングが可能
- ・Onshape Free - 完全クラウド型の3DCADソフト
- ・無料3D CADソフトを利用するメリット
- ・無料3D CADソフトを利用するデメリットおよび注意点
- ・無料3D CADソフトの選び方
- ・1.設計目的に応じたソフトを選ぶ
- ・2.必要なモデリング機能があるか確認
- ・3.初心者でも使いやすいUIの確認
- ・4.対応するOSやデバイスの確認
- ・5.商用利用の可否
- ・6.サポート体制や利用条件のチェック
- ・高度なモデリングやチームプロジェクトでは有料版CADを選択しよう
- ・おわりに
CADとは?
CADとは「Computer-Aided Design」の略で、コンピュータを利用して設計や製図を行う技術です。
主に製造業や建築業、機械工学、電子工学などの分野で使用され、手書きでの設計よりも正確で効率的な図面作成が可能です。
2次元(2D)CADは平面図や断面図を、3次元(3D)CADは立体的なモデリングやシミュレーションを支援します。これにより、製品の設計から試作、製造までのプロセスがスムーズに進み、コスト削減や品質向上にも寄与します。
3DCADとは?
3DCADは、立体データを用いて設計やモデリングを行うためのソフトウェアで、製品デザインや建築など幅広い分野で利用されています。
2DCADと異なり、三次元で形状を視覚化できるため、設計者は直感的かつ効率的にデザインすることが可能です。
主な利点として、複雑な形状のモデリングが容易で、異なる視点からの確認が瞬時にできること、設計変更を迅速に反映できることが挙げられます。これにより、製品開発のスピード向上やエラー削減が実現します。
3DCADは製品設計、建築、エンジニアリングなど幅広い分野で活用され、特に製造業ではプロトタイピングやシミュレーションに欠かせない存在となっています。
無料ソフトと有料ソフトの違い
無料のCADソフトと有料のCADソフトの主な違いとしては「機能の充実度」「サポート体制」「ライセンス条件」にあります。
無料ソフトはコストがかからず、基本的な設計や学習に適していますが、高度な機能や大規模なプロジェクトには制約がある場合が多いです。
一方、有料ソフトは、複雑なモデリング機能や精密な解析ツールを備え、プロフェッショナルなニーズに応えます。
また、有料ソフトは専用のサポートサービスや定期的なアップデートが提供されるため、トラブル対応や最新機能の利用が容易です。無料ソフトは一般的にコミュニティサポートに頼ることが多く、商用利用が制限される場合もあります。
無料3D CADソフトが適している用途
無料の3D CADソフトは、個人プロジェクトや学習目的、小規模な設計業務において、コストを抑えつつ効果的な設計を行う手段として適しています。例えば、学生や趣味でモデリングを行うユーザーは、無料ソフトを活用した設計技術の習得が可能です。
また、スタートアップ企業や小規模なデザイン事務所では、初期投資を抑えるために無料ソフトを導入するケースも存在します。
おすすめの無料3D CADソフト10選
Autodesk Fusion(Fusion360) - 高機能で柔軟な設計
Fusionは、CAD/CAM/CAE/PCB ソフトウェアをすべて搭載した、オールインワンのクラウド プラットフォームです。
Fusionは、学生や教育関係者向けに無償版が提供されています。一部機能制限がある形で個人やスタートアップ向けにも無償利用が可能なプランが用意されています。
また、 直感的な操作性と高度なモデリング機能を備え、リアルタイムコラボレーションが可能です。幅広いファイル形式に対応し、他のCADソフトとも互換性が高く、クラウドベースでどこからでも作業できる点も魅力です。
Solid Edge - スタートアップ企業なら無償利用可能
Solid Edgeは、直感的なユーザーインターフェースを持つ3D CADソフトで、スタートアップ企業向けに1年間無償利用が可能です。
強力なモデリング機能とシミュレーションツールを備えており、製品開発のあらゆる段階をサポートします。特に、詳細なパーツモデリングやアセンブリ設計に強みがあります。また、クラウドストレージとの連携により、データの管理や共有がスムーズに行えます。
参照: https://solidedge.siemens.com/ja/solutions/users/startups/
Blender - 3DCGとCADの融合
Blenderはオープンソースの3Dモデリングツールで、アニメーションやレンダリング機能も充実しています。CADモデリングにも対応しており、多機能な点が特徴です。
コミュニティによるサポートが活発で、多数のプラグインやアドオンが提供されています。これにより、機能のカスタマイズや拡張が容易に行え、自分のニーズに合わせた環境を構築することができます。
FreeCAD - オープンソースで高機能
FreeCADはオープンソースの3D CADソフトで、多機能かつカスタマイズ性が高いことが特徴です。
個人および商用利用が可能であり、設計者やエンジニアに広く利用されています。モジュール式の設計により、必要な機能を追加して利用することができます。
FreeCADは多様なファイル形式に対応しており、他のCADソフトとのデータ交換もスムーズです。
SketchUp Free - 初心者にも簡単
SketchUp Freeは直感的な操作性を持ち、初心者でも簡単に3Dモデルを作成できる無料のオンラインCADツールです。
ブラウザベースで動作するため、インストール不要で即座に利用を開始できます。シンプルなインターフェースと豊富なチュートリアルが用意されており、設計の基本を迅速に習得することが可能です。
建築やインテリアデザインに特化したツールセットを備えており、迅速なプロトタイピングやプレゼンテーションに適しています。
参照:https://www.sketchup.com/en/plans-and-pricing/sketchup-free
DesignSpark Mechanical - 簡単な操作で設計可能
DesignSpark Mechanicalは、軽量な設計作業に適した無料の3D CADソフトで、商用利用も可能です。
主な機能として、Pull(プル)、Combine(結合)、Blend(ブレンド)などの編集ツールや、部品のアセンブリを容易に行えるMove(移動)ツールがあります。
高度な機能を利用するためのサブスクリプションプランも用意されており、月額約1,600円から利用可能です。
参照: https://www.rs-online.com/designspark/mechanical-software-jp
TinkerCAD - 初心者向けの簡単設計ツール
TinkerCADはブロックベースの直感的なインターフェースを持ち、初心者でも簡単に3D設計を始められる無料ツールです。
教育現場や趣味のモデリングに最適で、3Dプリンティングとの連携もスムーズに行えます。
また、ブラウザ上で動作するため、インストール不要でどこでも利用可能です。基本的な形状を組み合わせて複雑なモデルを作成することができ、子供から大人まで幅広いユーザーに支持されています。
BricsCAD Shape - プロフェッショナル向けの無料ツール
BricsCAD Shapeはプロフェッショナル向けの3Dモデリング機能を備えた無料のCADソフトで、堅牢な設計ツールとして評価されています。
特に、建築や製品デザイン分野での利用に適しており、精度の高いモデルを迅速に作成することが可能です。
また、AutoCADとの高い互換性を持ち、既存のデータをスムーズに取り込むことができます。直感的なユーザーインターフェースと豊富なチュートリアルにより、初心者でも比較的容易に操作を習得できます。
参照: https://www.bricsys.com/ja-jp/bricscad/shape
Creo Elements/Direct Modeling Express - 直感的なモデリングが可能
Creo Elements/Direct Modeling Expressは直感的なモデリング機能を提供する無料の3D CADソフトで、設計プロセスをスムーズに進められます。
ユーザーフレンドリーなインターフェースと強力なモデリングツールにより、複雑な設計も簡単に行うことができます。
このソフトは特に、ダイレクトモデリングに強みを持ち、既存のモデルの編集や修正が容易です。また、定期的なアップデートにより、新機能が追加され続けている点も魅力です。
参照: https://www.ptc.com/en/products/creo/elements-direct/modeling-express
Onshape Free - 完全クラウド型の3DCADソフト
Onshape Freeは、個人利用者向けの無償のクラウドベース3D CADソフトウェアです。
ユーザーはインストール不要で、ウェブブラウザ上で直接3Dモデリングや設計が可能です。
主な機能には、パーツスタジオでの複数部品の同時設計、アセンブリ機能による複雑な機械の組み立て、ドキュメント管理、バージョン管理、リアルタイムのコラボレーション機能などがあります。
ただし、作成したデータは公開され、他のユーザーと共有される点に注意が必要です。商用利用や非公開データの作成には、有償のProfessionalプランへの加入が推奨されます。
参照: https://www.onshape.com/ja/products/free
無料3D CADソフトを利用するメリット
初期投資を抑えることができる
有料ソフトに比べてコストがかからないため、初期投資を抑えつつ3D設計を始められます。
特に、個人プロジェクトや趣味の設計、スタートアップ企業など、予算が限られている場合には大変有効です。無料ソフトでも基本的な設計機能が備わっていることもありますが、必要に応じて有料版へのアップグレードを検討するとよいでしょう。
複雑なライセンス手続きが不要
無料ソフトはライセンスの購入や管理が不要で、すぐに使用を開始できる利便性があります。インストールや設定が簡単なものが多く、初心者でもすぐに使い始めることが可能です。
また、クラウドベースのソフトウェアでは、インターネットに接続するだけで最新のバージョンを利用できるため、常に最新の機能にアクセスできます。
柔軟なオープンライセンス
オープンソースの無料ソフトはカスタマイズや拡張が可能で、自分のニーズに合わせた環境を構築できます。
ソースコードが公開されているため、プログラミングの知識があれば独自の機能を追加したり、既存の機能を改善したりすることが可能です。これにより、特定のプロジェクトや業務に最適化された設計環境を実現できます。
無料3D CADソフトを利用するデメリットおよび注意点
機能が制限される
無料ソフトでは有料版に比べて機能が制限されている場合があり、高度な設計作業には向かないことがあります。
例えば、詳細なシミュレーション機能や高度なレンダリングオプションが利用できない場合があり、プロフェッショナルな品質を求められるプロジェクトには不向きです。必要な機能が揃っているか事前に確認することが重要です。
ファイル互換性の欠如
異なるソフト間でのファイル互換性が低いことがあり、データの移行や共有に課題が生じることがあります。
特に、他の設計者やクライアントとデータを共有する際に問題となることがあります。標準的なファイル形式に対応しているか、必要な変換ツールが利用できるかを確認することが重要です。
サポート体制が不十分
有料ソフトに比べてサポートが限定的なため、問題発生時に迅速な対応が難しい場合があります。
公式のサポートが提供されていない場合や、コミュニティベースのサポートに頼る必要があるため、トラブルシューティングに時間がかかることがあります。自己解決能力が求められる点に注意が必要です。
開発や更新が不定期、または停止するリスク
無料ソフトは開発や更新が継続的に行われないことがあり、将来的なサポートが保証されないリスクがあります。
特にオープンソースソフトウェアでは、開発者の動向に依存する部分が大きく、機能の追加やバグフィックスが遅れることがあります。長期的に使用する際には、この点を考慮する必要があります。
学習リソースが不足
有料ソフトに比べて学習資料やチュートリアルが少ないため、習得に時間がかかることがあります。
特に初心者にとっては、効果的な学習手段が限られているため、独学での習得が困難になる場合があります。公式ドキュメントやオンラインコミュニティを活用するなど、自主的な学習が求められます。
無料3D CADソフトの選び方
1.設計目的に応じたソフトを選ぶ
スムーズに設計作業を進めるには、 使用目的に合った機能を持つソフトを選ぶことが必要になります。
例えば、建築設計向けならSketchUpやBricsCAD Shape、機械設計向けならFreeCADやAutodesk Fusion(Fusion 360)など、用途に特化したソフトを選ぶようにしましょう。
2.必要なモデリング機能があるか確認
必要な設計機能やツールが搭載されているかを確認し、自分のニーズに合致するソフトを選ぶようにしましょう。
例えば、詳細なパーツモデリングやアセンブリ機能、シミュレーション機能の有無や、カスタマイズ可能なツールやプラグインの有無などを確認すると良いです。
3.初心者でも使いやすいUIの確認
ユーザーインターフェースが直感的で使いやすいかどうかをチェックし、操作性に優れたソフトを選ぶようにしましょう。
無料トライアルやデモ版を利用して、実際の操作感を確認することも有効です。
4.対応するOSやデバイスの確認
自分の使用しているOSやデバイスで動作するかを確認し、互換性のあるソフトを選びましょう。
多くの無料ソフトはWindows、Mac、Linuxに対応していますが、中には特定のOSに限定されているものもあります。
また、クラウドベースのソフトウェアでは、インターネット接続環境も必要となるため、使用環境に適しているか事前に確認することが重要です。
5.商用利用の可否
商用利用が可能なライセンスかどうかを確認し、ビジネスでの使用に適したソフトを選びます。
無料ソフトには個人利用のみ許可しているものや、商用利用に制限があるものがあります。
商用プロジェクトで利用する場合は、ライセンス条件をしっかりと確認し、適切なソフトを選択するようにしましょう。
6.サポート体制や利用条件のチェック
サポートの有無や利用条件を確認し、安心して使用できるソフトを選ぶことが重要です。
特に、トラブル発生時に迅速に対応できるサポート体制が整っているか、オンラインコミュニティやフォーラムが活発に運営されているかをチェックしましょう。
また、利用規約やプライバシーポリシーを確認し、安心してデータを扱える環境であるかも重要なポイントです。
高度なモデリングやチームプロジェクトでは有料版CADを選択しよう
CADフリーソフトは、初期投資が不要で手軽に導入できる点が魅力的ですが、高度なモデリングや解析機能が限られていることや、商用ソフトとの互換性やサポート体制が十分でないことが課題です。そのため、大規模プロジェクトや長期的な設計業務には、有料版CADソフトを利用する必要があります。
有料版は、高度なモデリングや解析機能が充実しており、精密な作業や複雑な設計に対応可能であるだけでなく、サポートが整備されているため、トラブル時にも迅速かつ的確な対応が受けられます。
CADの導入を検討する際は、導入実績が豊富なエービーケーエスエスにぜひご相談ください。
おわりに
本記事では、無料で利用できる3D CADフリーソフトについて詳しくご紹介しました。
フリーソフトには、初期投資を抑えられることや、煩雑なライセンス手続きが不要といった利点があります。
一方で、機能の制限やファイル互換性の不足、サポート体制の弱さといった欠点もあります。
利用する場合には、これらのメリット・デメリットを十分に理解し、用途や目的に応じて適切に選ぶようにしましょう。