【2023年版】CADソフトおすすめ13選を徹底比較|特長や価格形態について解説
CADソフトは、設計作業を効率的かつ精密に行うために不可欠なツールです。特に3DCADは、立体モデルを用いて高度な設計が可能で、多くの業界で広く採用されています。しかし、数多くのCADソフトが市場に出回っているため、どれを選べばいいのか迷うことも多いでしょう。
本記事では、3DCADの基本的な機能から始め、さまざまな価格帯で利用可能なソフトウェアを徹底的に比較します。初心者からプロフェッショナルまで、あらゆるニーズに応じた最適な選択をお手伝いします。購入形態の違い、予算に応じたおすすめのソフト、使いやすさ、機能性など、CADソフト選びで考慮すべきポイントを網羅的に解説していきます。
このような方におすすめです
- 基本的な機能について学びたいCAD初心者の方
- どのソフトウェアを選択すれば良いか迷っている方
- 人気のおすすめCADを知りたい方
- 新しいプロジェクトや部署のためにCADの導入を検討している方
目次[非表示]
CADとは
CADとは「Computer-Aided Design」の略称で、コンピュータを使った設計や図面の作成技術を意味します。手書きの図面や模型より、より迅速かつ正確に設計が可能です。
そして3DCADとは、3Dモデルを基にした設計が可能なCADです。2DCADとちがい、平面図を作ることなく、最初から3Dの立体モデルで設計を進められます。また、3Dモデリング技術は、工業部品、電子機器、家電、自動車、航空機の設計など、さまざまな分野で使用されています。
2つの価格形態について
3DCADソフトの価格形態については「永続ライセンス」と「年間または月間のサブスクリプション」という2つの主要な方法が存在します。近年、サブスクリプション方式のみを提供するCADソフトも増えてきました。
どちらを選ぶかは、ビジネスのニーズ、予算、プロジェクトの期間などによって異なります。近年、サブスクリプション形態の選択が増加しています。
永続ライセンス (買い切り)
一度の購入で長期にわたりソフトウェアを使用可能の形態です。
メリット
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デメリット
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サブスクリプション
年間または月間の定期的な支払いで最新のソフトウェアを利用可能の形態です。近年は増加傾向にあります。
メリット
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デメリット
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3DCADの価格帯を比較
購入価格によって「ハイエンド」「ミドルレンジ」「ローエンド」に分類されることがあります。それぞれのニーズや予算、技術レベルに応じて選択するのが良いでしょう。
価格帯ごとに 各種3DCADソリューションをご紹介していきます。
※参考にした価格情報は2023年9月22日現在のものになります
3DCADソフトの価格形態については「永続ライセンス」と「年間または月間のサブスクリプション」という2つの主要な方法が存在します。本記事では、各ソフトの永続ライセンスの価格を基準に比較を行いました。価格形態がサブスクリプション限定のソフトについては、番外編として紹介しています。
ハイエンド
購入価格が約150万~数百万円程度の3DCADです。高価である一方、非常に高度な機能や精密なシミュレーション機能を持っています。
主な活躍分野は以下の通りです。
- 航空宇宙: 高度な計算と精密な設計、複雑な部品や組み立て
- 自動車:複雑なシミュレーションや、高度な形状のモデリング
- 産業機械:大規模な組み立てや、多数の部品の組み立て
ソフトウェアの例は以下の通りです。
CATIA(キャティア)
参照:https://www.3ds.com/ja/products-services/catia/
CATIAは、ダッソー・システムズ社よりリリースされている3D CADソリューションです。 製品の動作環境を総合的に考慮したデザインツールで、独自の3DEXPERIENCEプラットフォームにより、リアルタイムのコラボレーションや強力な3Dモデリングが可能です。業界特有のニーズに対応し、新製品開発や顧客エクスペリエンスの革新に貢献しています。
Creo(クリオ)
参照:https://www.ptc.com/ja/products/creo
Creoは、アメリカのPTC社よりリリースされている3D CADソリューションです。製品設計から製造までをシームレスに連携することで、イノベーションを加速します。ジェネレーティブデザイン、リアルタイムシミュレーション、先進製造、IoT、AR技術を統合し、クラウドベースのツールでリアルタイムコラボレーションを実現します。
NX (エヌエックス)
参照:https://plm.sw.siemens.com/ja-JP/nx/
NX は、シーメンス PLM ソフトウェア社よりリリースされている 3D CADソリューションです。特徴的な統合機能は、設計サイクルを短縮し、品質と持続可能性を共に向上させます。設計から製造までの統合ソフトウェアソリューションとして、高品質な製品の開発をサポートできます。
ミドルレンジ
購入価格が約100万~170万円程度の3DCADです。多くの一般的な3D設計機能を持ちつつ、比較的手頃な価格帯で提供されます。
主な活躍分野は以下の通りです。
- 電子機器:スマートフォンや家電など、中規模の製品設計
- 建築:建物の3Dモデリングや構造解析など
- 家具デザイン:独自性のある形状や機能を持った家具の設計
ソフトウェアの例は以下の通りです。
SOLIDWORKS(ソリッドワークス)
参照:https://www.solidworks.com/ja/product/solidworks-3d-cad
SOLIDWORKSは、ダッソー・システムズよりリリースされている3D CADソリューションです。 製品開発時間の短縮、製造コストの削減、製品品質および信頼性の向上を実現し、製品の開発方法と製造方法を飛躍的に改善します。SOLIDWORKS CADパッケージは、3次元設計・製品設計・図面作成、シミュレーション、コスト見積り、製造可能性チェック、CAM、環境配慮設計、データ管理に対応しています。
iCAD(アイキャド)
参照:https://www.icad.jp/ https://cyplusvine.oatnd.com/top
iCADは、iCAD株式会社よりリリースされている3次元CADシステムで、 機械装置設計に最適な「iCAD SX」と、2次元3次元ハイブリット設計の可能な「iCAD MX」があります。
「iCAD SX」 は、超軽量データ構造による超高速レスポンスが実現され、設計の上流から製造やサービスまで1つのデータでつなげられます。「iCAD MX」は、 2次元/3次元混在設計環境の実現により品質向上と効率化に貢献します。
CADSUPER Works(キャドスーパーワークス)
参照:https://www.andor.co.jp/products/cadsuper_works/index.html
CADSUPER Worksは、アンドール株式会社よりリリースされている3D CADソリューションです。自由度の高い2次元環境と高度な3次元環境が共存した統合CADシステムで、上流から図面作成まで全方位に優れた設計支援環境を提供します。
IRONCAD(アイアンキャド)
IRONCADは、株式会社クリエイティブマシンよりリリースされている3D CADソリューションです。 装置・治具設計に適した3D-CADで、ブロックや穴などの基本形状を「カタログ」からドラッグ&ドロップしてモデリングを行います。位置決めには、マウスで自由に配置できる独自ツールを使用。単純形状の組み合わせでできる装置や治具であれば、スケッチを描く必要がなく、拘束も使わないため、モデリングの効率化が可能です。
TopSolid(トップソリッド)
参照:https://topsolid.kodamacorp.co.jp/products/design/
TopSolidは、フランスのTOPSOLID社よりリリースされている3D CADソリューションです。Parasolidモデリングカーネルをベースにした、機械製造や板金、木工業界で使用される設計・製造ツールです。製品設計の「TopSolid'Design」は、製図からレンダリングまでの機能を統合し、大規模アセンブリ設計、サーフェスモデリング、強力な解析、標準部品ライブラリー、JIS/ISO準拠の図面作成を提供し、高品質な設計をサポートします。
ローエンド
購入価格が無料~数十万円程度の3DCADです。低価格でありながら、基本的な3Dモデリング機能を持っています。
主な活躍分野は以下の通りです。
- 個人的なプロジェクトや趣味の3Dモデリング
- 教育機関:学生や初心者がCADの基本を学ぶ
- プロトタイピング:簡単なプロトタイプやコンセプトのモデル作成
ソフトウェアの例は以下の通りです。
ZW3D(ゼットダブリュースリーディー)
参照:https://www.zwsoft.com/jp/product/zw3d
ZW3Dは、ZWSOFT社よりリリースされている3D CADソリューションです。 独自のカーネルにより、CADからCAMまで一貫したアーキテクチャで開発され、洗練された操作性やサーフェスとソリッドを融合したハイブリッドモデリング機能など、多くの機能を搭載した本格的3次元CADシステムです。
ThinkDesign(シンクデザイン)
参照:https://www.dptcorporate.com/ja/
ThinkDesignは、DPT社よりリリースされている3D CADソリューションです。
ソリッドや曲面、メッシュといったハイブリッドモデリングに特化したパラメトリック CADです。すべての設計課程をカバーする機能を持つため、製品定義の様々な段階における情報交換時の障壁を排除することが可能であり、短時間での製品化を実現することができます。
番外編:サブスクリプション
購入形態が「サブスクリプション」に限られる 3DCAD はこちらになります。
Onshape(オンシェイプ)
参照:https://www.abkss.jp/products/3d/onshape
Onshapeは、PTC社よりリリースされている3D CADソリューションです。
CAD、組み込みデータ管理機能、リアルタイムコラボレーション機能、ビジネス分析ツールが集約された、唯一のSaaS型製品開発プラットフォームです。すべての演算処理はクラウドで実行されインストールは不要です。
Fusion360(フュージョン360)
参照:https://www.autodesk.co.jp/products/fusion-360/overview?term=1-YEAR&tab=subscription
Fusion 360は、オートデスク社よりリリースされている3D CADソリューションです。
3D CAD、CAM、CAE、PCBを一つに統合したクラウドベースのオールインワンソフトウェアで、設計から製造までの一連の流れを効率的に管理し、迅速な製品開発をサポートします。ユーザー層は、インダストリアルデザイナーや機械エンジニア、電子基板設計者から、スタートアップまで多くのユーザーに愛されています。
Autdesk Inventor(インベンター)
参照:https://www.autodesk.co.jp/products/inventor/overview?term=1-YEAR&tab=subscription
Autdesk Inventor は、オートデスク社よりリリースされている3D CADソリューションです。機械設計から製品シミュレーションまでの多岐にわたるツールを提供します。パラメトリックからフリーフォーム、ルールベースのモデリング機能、シートメタルやフレーム設計などの統合ツールを搭載しています。TrustedDWG®との互換性を持ち、3Dモデルに製造情報を直接組み込むことが可能です。
CADを学びたい方向け おすすめセミナーのご紹介
本記事にてご紹介した「CADSUPER Works」を学ぶことができるセミナーをご紹介します。実際にCADSUPERWorksを使用し、部品とアセンブリのパラメトリック モデルを作成する方法や、それらの部品およびアセンブリの簡単な図面を作成する方法を習得します。
まとめ
本記事では、CADソフトウェアの中でも特に注目されている3DCADに焦点を当て、基本機能から各種ソフトウェアの価格比較まで解説しました。選ぶべきCADソフトは、それぞれのビジネスやプロジェクトのニーズ、そして予算によって大きく異なります。
購入形態の違いや機能性、使いやすさなど、多角的にCADソフトを比較することで、設計作業の効率化に繋がれば幸いです。
何かお困りごとがあれば、お気軽にABKSSにご相談ください。お客様の課題をていねいにヒアリングし、豊富な選択肢の中からベストな解決案をご提案させていただきます。
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