【2024年】2DCADソフト人気おすすめ11選|基本機能から描画方法、選び方を解説
2DCADソフトは、長きにわたり建築業や製造業など多岐にわたる分野で利用されてきた設計に欠かせないツールです。技術の進歩に伴い、さまざまな機能や使い勝手が向上しているため、用途や目的に応じた最適なソフトを選ぶと良いでしょう。
本記事では、おすすめの2DCADソフト11選をピックアップし、その基本機能や描画方法、さらに選び方のポイントを詳しく解説します。
このような方におすすめの記事です
- 2D CADソフトウェアの導入を検討している
- 2D CADの基本的な概念や操作方法を理解したい
- これから2D CADを習得したい
目次[非表示]
2D CADとは
2D CAD(2次元CAD)は、建築や機械などの分野で広く利用されている設計・製図用ソフトウェアで、平面上に図面を描画する際に活用されます。建物の平面図や立面図、機械部品の詳細図などを正確に表現できるため、設計プロセスの効率化やミス削減に役立ちます。
基本的な操作には線や図形の描画、寸法や注記の設定などが含まれ、直感的な操作性から初心者でも導入しやすいのが特徴です。また、データはデジタルで保存されるため、設計者同士や他部門との共有が容易で、業務全体の効率向上に貢献しています。
2DCADのメリット
2D CADの最大のメリットは、シンプルな操作性であるため初心者でも学びやすい点です。インターフェースが直感的で、基本的な描画ツールをすぐに使いこなせるため、導入のハードルが低く、短時間でスキルを身につけることができます。
次に、手書きに比べて効率的な製図作業が可能という点もメリットといえるでしょう。2D CADは平面図や断面図などを素早く正確に描くことに特化しているため、製図業務においてスピードと正確性が求められる場面で重宝します。
さらに、3D CADと比べて導入や運用コストが低いことも大きな利点です。多くの2D CADソフトは手頃な価格で提供されており、運用コストも抑えられるため、個人ユーザーでも導入可能です。
2DCADのデメリット
一方で、2D CADにはいくつかのデメリットもあります。
まず、3次元的な視覚化が難しい点が挙げられます。2D CADでは平面的な図面しか作成できないため、立体構造の複雑な形状を視覚的に確認するのが難しく、特に立体イメージが重要なプロジェクトでは不利です。
また、干渉や構造をチェックする機能が自動化されていないため、設計ミスの発生リスクがあり、その修正に時間がかかる場合があります。
そして、2D CADは3D CADに比べて高度な自動化機能が乏しい点もあげられます。例えば、3D CADではシミュレーションや干渉チェックが標準的に搭載されているケースが多い一方で、2D CADではこうした機能が備わっておらず、効率面での限界が生じることがあります。
導入の際には、これらの要素を考慮するようにしましょう。
2D CADの用途と利用分野
2D CADは高精度な図面の作成や編集が容易であることから多岐にわたる分野で広く利用されています。こちらでは、それぞれの場面でどのように利用されているか紹介していきます。
①建築設計
建築プロジェクトの管理には、図面を関係者間でスムーズに共有できるデジタル管理の活用が欠かせません。
建築図面には多岐にわたる詳細情報が含まれており、精密な描画が求められますが、2D CADソフトを使用することで、平面図、立面図、断面図の作成の効率化が可能です。
また、設計変更への柔軟な対応が可能になるため、建物の構造設計やインテリアプランの検討にも大きな効果を発揮します。
②機械設計
機械設計におけるエンジン部品やギアのような複雑な機械部品は数も多く、設計には高い精度が求められますが、2D CADを使うことで迅速かつ正確な図面が作成できます。
2D CADは寸法や形状を細かく設定でき、一貫した品質の図面が仕上がります。また、必要に応じて図面の修正が簡単に行えるため、作業効率も向上します。
さらに、2D CADは機械設計において標準的な表現方法であり、設計から製造までの流れをスムーズにする大きな役割を果たしています。
③土木工学
道路、橋梁、ダム、トンネルなどの大規模インフラプロジェクトでは、正確な設計図面が欠かせませんが、2D CADを使用することで、地形図や施工図、排水計画図などを高精度で作成することができます。
また、CADの寸法記入機能により、設計した構造物の正確な寸法を記載し、施工段階での誤差を最小限に抑えることが可能です。さらに、レイヤー管理を活用すれば、異なる設計要素(地形、構造物、配管など)を分離して描画し、必要に応じて個別に表示・編集ができます。
④インテリアデザイン
2D CADはインテリアデザインで重要なツールとして活用されています。室内空間のレイアウトや家具の配置、照明計画などを正確に図面化し、限られたスペースを効率的に活用する設計が可能です。
レイヤー機能を使えば、家具や配線など異なる要素を分けて描画し、修正や検討が容易です。また、CADで作成した図面は手書きより正確で、クライアントに具体的なデザインイメージを伝えやすく、提案の説得力が向上します。
2D CADの機能
こちらでは、2D CADの代表的な機能と描画方法について解説します。
①直線と円の描画
直線と円の描画は基本的かつ重要な機能で、CADソフトウェアを使用する際の基本スキルとされています。
まず「直線」の描画は、二点間を選択して直線を引くシンプルな操作で、建築や機械設計などの図面で基礎となる要素です。直線は構造的な要素、境界、寸法線などを示すのに使われます。
一方、「円」の描画は、中心点と半径、または三点を指定することで円を描くことができます。円は、機械部品の穴や円形の構造物、配管など、多くの設計要素に必要です。
②寸法記入
寸法記入は正確な設計図を作成するための重要な機能です。寸法が正確に記載されていないと、製造や組立において誤差が生じる可能性があり、品質の低下やコストの増加を招く原因となります
例えば、建築設計において、窓やドアの位置やサイズが正確に記載されていないと、建築現場での施工に大きな問題が発生することがあります。寸法記入を正確に行うことで、設計ミスを防ぎ、プロジェクト全体の品質向上とコスト削減を実現しましょう。
③レイヤー管理
レイヤー管理は2D CADにおいて不可欠なツールで、複雑な図面を効果的に整理するのに役立ちます。この機能を使用すると、図面内の異なる要素やコンポーネントを視覚的に分け、編集や修正が容易になります。
例えば、建築図面で壁、配線、家具を別々のレイヤーに配置し、必要に応じて表示または非表示にすることが可能です。これにより、作業効率が向上し、図面の整理と管理がスムーズに行えます。
代表的な2D CADソフトウェア製品
代表的な2D CADソフトウェアは多岐にわたります。それぞれのソフトウェアには特徴や強みがあり、使用する目的や分野によって適切なソフトを選ぶことが求められます。以下に代表的な2D CADソフトウェアについて、その特徴と強みを紹介します。
AutoCAD
AutoCADは、Autodesk社が開発した業界標準のCADソフトウェアです。精密な2Dおよび3D図面を作成するために広く使用されており、建築、エンジニアリング、製造業界などで不可欠な存在です。ユーザーフレンドリーなインターフェースと強力な描画ツールが特徴です。
▸高い汎用性
2Dおよび3D設計をサポートし、建築、エンジニアリング、製造業など、幅広い分野で利用されています。多用途なツールセットが揃っており、様々な設計ニーズに応えられる柔軟性が特徴です。
▸DWGファイルの標準サポート
DWGファイル形式を標準で使用しており、業界標準のCADデータ形式として他の多くのCADソフトウェアと互換性が高く、データの共有や移行がスムーズに行えます。
▸豊富なカスタマイズと拡張性
LISPやVBA、.NETなどを使ったカスタマイズが可能で、ユーザーの特定ニーズに応じた機能拡張ができます。多くのプラグインやアドオンも利用可能で、設計環境を最適化できます。
BricsCAD
BricsCADは、Bricsys社が開発したコストパフォーマンスに優れたCADソフトウェアです。AutoCAD互換のDWGファイル形式をサポートし、2D及び3D設計機能を低価格で提供します。中小企業や個人ユーザーに特に人気があり、建築、機械設計、製図業務など幅広い用途で利用可能です。
▸完全なDWG互換性
業界標準のDWGファイル形式を完全にサポートしています。これにより、他のCADソフトウェアとの互換性を保ちながら、データの移行や共有が容易に行えます。
▸一貫性のあるユーザーインターフェース
他の主流のCADソフトウェアと同様の操作感を提供し、新規ユーザーが迅速に学習しやすいインターフェースを持っています。
▸拡張性の高い機能
2D設計だけでなく、3DモデリングやBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)機能も備えています。
ARES CAD
ARES CADは、ドイツのGraebert GmbH社によって開発されたCADソフトウェアです。2Dおよび3D設計をサポートし、低コストで高機能を提供し、建築、エンジニアリング、製造業など多岐にわたる分野で利用されています。
▸高いDWG互換性
業界標準のDWG形式に完全対応しており、AutoCADとの高い互換性を持っています。これにより、既存のDWGデータをスムーズに活用でき、他のCADソフトウェアとのデータ交換も容易です。
▸多様なデータ形式への対応
DWGやDXF、DGN、STL、IFCなど、幅広いデータ形式の読み込み・書き出しが可能です。さらに、無償アドオンソフト「JTools」をインストールすることで、日本独自の「JWW」や「SXF (sfc/p21)」形式にも対応します。
▸柔軟なカスタマイズ性
LISP、C#、C/C++、.NETなどのプログラミング言語をサポートし、ユーザー独自のカスタマイズが可能です。これにより、特定の業務フローやニーズに合わせた機能拡張が実現できます。
Jw_cad
Jw_cadは無料で利用できる2D CADソフトです。フリーソフトのため、コストを抑えたい個人や小規模の設計事務所に適しています。
▸無償で利用可能
完全に無料で提供されており、個人ユーザーからプロフェッショナルまで、誰でもコストを気にすることなく利用することができます。
▸高い操作性と機能性
直感的な操作インターフェースを持ち、使いやすさが特徴です。基本的な図面作成機能に加えて、寸法記入や図形編集などの高度な機能も充実しており、多様な設計ニーズに対応しています。
▸豊富なサポートとコミュニティ
活発なユーザーコミュニティと多数のチュートリアル、掲示板が存在し、使用者が直面する問題に対するサポートが手厚いです。
IJCAD
IJCADは、グラフィテック社が開発したCADソフトウェアです。AutoCAD互換のDWGファイル形式に対応しており、建築、土木、機械設計など多様な業界で利用されています。
▸高度なAutoCAD互換性
AutoCADとの高い互換性を持っており、AutoCADで作成されたDWGファイルをそのまま開いて編集することができます。これにより、他のCADユーザーとのファイル共有や移行がスムーズに行えます。
▸コストパフォーマンス
機能性を保ちつつも非常にリーズナブルな価格設定で提供されています。中小企業や個人でも手が届きやすい価格でプロフェッショナルなCAD機能を利用することが可能です。
▸日本語に最適化されたサポート
日本国内で開発されたソフトウェアであり、日本語サポートが非常に充実しています。
CADSUPER
CADSUPERは、株式会社マーブル(旧アンドール株式会社)が開発した純国産の2次元CADソフトウェアです。日本の設計者のニーズに応える豊富な機能を備え、直感的な操作性と高いデータ互換性を特徴としています。
▸高い操作性と生産性
日本の設計者のニーズに合わせた直感的な操作性を持ち、効率的な図面作成が可能です。日本国内で開発されたソフトウェアであることから、日本語による安心のサポートも人気のポイントです。
▸豊富な機能
長穴コマンドや指定色でのプリント出力など、多彩な機能を搭載し、設計業務の多様な要求に対応します。
▸高いデータ互換性
他のCADソフトウェアとのデータ互換性が高く、スムーズなデータ共有と連携が可能です。
ZWCAD
ZWCADは、ZWSOFT社が開発した2Dおよび3D対応のCADソフトウェアです。AutoCADとの高い互換性を持ち、DWGファイル形式をサポートしています。リーズナブルな価格設定と永久ライセンスの提供により、建築、製造、エンジニアリングなど多様な分野で利用されています。
▸高いAutoCAD互換性
AutoCADと高い互換性を持ち、DWGファイルを含むさまざまなファイル形式を直接開いて編集できます。
▸高速かつ快適な作図環境
独自のインテリジェントテクノロジーを採用し、高速な動作と快適な作図環境を提供します。これにより、作業効率が大幅に向上します。
▸リーズナブルな価格と永久ライセンス
リーズナブルな価格で永久ライセンスを提供しており、一度購入すれば追加料金なしで永続的に使用できます。
DRA-CAD
DRA-CADは、株式会社建築ピボットが開発した日本製の建築設計・製図用CADソフトウェアです。直感的な操作性と高いカスタマイズ性を備え、建築分野を中心に幅広く利用されています。
▸直感的な操作性と高いカスタマイズ性
ユーザーが使いやすいインターフェースを提供し、個々のニーズに合わせたカスタマイズが可能です。
▸多様なデータ形式との高い互換性
AutoCAD、Jw_cadなど、さまざまな形式のデータを有効利用でき、他のCADソフトウェアとのデータ交換がスムーズに行えます。
▸建築法規対応機能の充実
日影や天空率、建蔽率、容積率、消防の無窓階、採光、斜線制限、木造建物の壁量、N値計算など、建築法規に対応した機能を標準装備しています。
AR_CAD
AR_CADは、株式会社SHFが開発・提供する無料の2D汎用CADソフトウェアです。PDF、DXF、SXF、JWW、JWC、JPG、BMP、PNG形式に対応し、建築や製造業など幅広い分野で利用されています。
▸多様なファイル形式への対応
PDF、DXF、SXF、JWW、JWC、JPG、BMP、PNGなど、幅広いファイル形式の入出力に対応しています。
▸直感的でシンプルなインターフェース
初心者でも扱いやすいように設計されたユーザーインターフェースを備えており、マウス操作による簡単なクリック&ドラッグで図形の作成や編集が可能です。
▸無料で利用可能
フリーソフトウェアとして提供されており、個人から企業まで、誰でも無償で利用できます。
QCAD
QCADは、RibbonSoft社が開発したオープンソースの2D CADソフトウェアです。クロスプラットフォーム対応で、Windows、macOS、Linux上で動作します。直感的な操作性と豊富な機能を備え、建築、機械設計、製図など多様な分野で利用されています。
▸オープンソースで自由にカスタマイズ可能
オープンソースとして提供されており、ユーザーはソースコードにアクセスして自由にカスタマイズができます。これにより、個々のニーズに合わせた機能の追加や変更が可能です。
▸クロスプラットフォーム対応
Windows、macOS、Linuxで動作するため、異なるOS環境でも同じ操作感で使用できます。これは、多様な環境で作業するユーザーにとって大きな利点です。
▸シンプルで直感的なインターフェース
初心者にも扱いやすいシンプルで直感的なインターフェースを備えており、基本的な2D設計に必要な機能が揃っています。これにより、効率的な作図作業が可能です。
SketchUP
SketchUpは、Trimble社が開発する3Dモデリングソフトウェアで、直感的な操作で簡単に3Dモデルを作成できるのが特徴です。建築やインテリアデザイン、ランドスケープデザインなど幅広い分野で利用されています。
▸直感的で簡単な操作性
SketchUpはドラッグやクリック操作で3Dモデルを作成でき、初心者でも扱いやすいシンプルなインターフェースを持っています。
▸豊富な3Dモデルライブラリ
ユーザーが作成した膨大な3Dモデルが共有されている「3D Warehouse」を活用できるため、さまざまなモデルを簡単に利用し、デザイン作業を効率化できます。
▸高い拡張性
多数のプラグインやエクステンションが利用でき、レンダリングや解析機能の追加など、プロジェクトに合わせて機能を拡張可能です。
ソフトウェアの選び方
①必要とする機能を備えているか
2D CADソフトを選ぶ際は、自分の業務やプロジェクトに必要な機能を持つかを確認することが重要です。必要な機能が欠けているソフトウェアを選ぶと、後で追加のソフトやプラグインを購入する必要が生じ、結果的にコストが増加してしまうこともあります。
特に建築設計では、高度な寸法記入やレイヤー管理が必要です。適切な機能を持つソフトウェアを選ぶことで、後悔のない選択が可能となります。
②他ソフトとの互換性があるか
2D CADソフト選びで、他のソフトとの互換性の有無を確認することは非常に重要です。互換性があれば、異なるソフトウェアを使用するチームやクライアントとのデータ共有がスムーズに行えます。
AutoCADのDWGファイル形式は多くのソフトに対応しており、チーム間でのデータ共有を容易にします。互換性が低いと、データの変換や再作成に時間がかかり、効率が落ちてしまう恐れがありますので考慮すべきでしょう。
③コストが見合っているか
2D CADソフトを選ぶ際には、そのコストが見合っているかどうかも重要です。高すぎる初期費用や運用費は長期的に見て持続可能ではありません。
機能的に優れていても、運用コストが高ければ予算に負担をかけ、最終的には他のソフトウェアに乗り換えることになるかもしれないので、長期的な視点で慎重に検討することが重要です。
低コストで機能が充実しているソフトウェアを選ぶことで、コストパフォーマンスの良い運用が実現します。
④サポート体制が整っているか
ソフトウェアを選ぶ際は、サポート体制の充実を確認することが大切です。適切なサポートがあれば、問題発生時に迅速な対応が得られ、業務の中断を防げます。
24時間対応のサポートや豊富なチュートリアル動画を提供するソフトウェアは、ユーザーにとって非常に価値があります。
また、日本語によるサポートが用意されている場合、特に日本国内のユーザーにとって問い合わせや問題解決がスムーズに行えるため、利便性が大幅に向上します。
2DCADならABKSSにご相談ください
2DCADに関するご相談やお悩みは、ABKSSにお任せください。
お客様に最適なソフトの選定から業界ごとの特有のニーズに対応したカスタマイズ、導入後の運用サポートまで、お客様に最適なCADソフトを提案し、全てのプロセスを包括的にサポートします。
おわりに
この記事では、2024年におすすめの2DCADソフトウェアを紹介し、それぞれの基本機能や特徴、選び方について解説しました。
2DCADは多様な業界での設計や製図に使用され、高い汎用性を持っています。2D CADソフトを選ぶ際は、自分の業務やプロジェクトに必要な機能を持つか、他ソフトとの互換性があるか、サポート体制が整っているかといった点をチェックするようにしましょう。