AI-OCRとは?導入メリットから活用事例、主要おすすめ11製品をご紹介
AI OCRとは、AI(人工知能)技術を取り入れた光学文字認識機能(OCR)のことで、手書きの書類や帳票の読み取りを行いデータ化する技術です。 従来のOCRでは読み取りが難しかった手書き文字やレイアウトが複雑な書類でも、高精度でデータ化が可能になることから、近年導入が進んでいます。
本記事では、AI-OCRの基本概要と機能、導入メリットから具体的な活用事例、さらに主要なおすすめツール11製品までを詳しく解説します。
このような方におすすめの記事です
- AI-OCRの導入を検討している方
- データ入力や帳票処理にかかる時間を短縮したい方
- AI-OCRの活用方法について知りたい方
- AI-OCRの主要ツールについて知りたい方
目次[非表示]
- ・AI-OCRとは?
- ・AI-OCRの主要機能
- ・AI-OCRの導入メリット
- ・AI-OCRの種類
- ・AI-OCRの選び方と比較ポイント
- ・使用する帳票に合ったソリューションの選定
- ・セキュリティ要件と個人情報保護の確認
- ・コストパフォーマンスと価格比較
- ・無料トライアルや導入前デモ
- ・API連携や他システムへの対応
- ・対応言語とフォントへの対応
- ・AI-OCRの主要おすすめツール11製品
- ・DX Suite
- ・DynaEye 11
- ・AIRead
- ・LINE WORKS OCR (旧CLOVA OCR)
- ・RICOH受領納品書サービス
- ・DEEP READ
- ・SmartRead
- ・読取革命
- ・AI帳票OCR「WisOCR」
- ・invox受取請求書
- ・CADDi DRAWER
- ・AI-OCR利用時の注意点
- ・AI-OCRによるDX推進の事例
- ・AI-OCR活用ならABKSSにご相談ください
- ・おわりに
AI-OCRとは?
まず、OCR(Optical Character Recognition)とは、印刷物や手書き文字を含む画像上のテキストを、デジタルデータに変換するための光学文字認識技術 のことです。
そして、AI-OCRは、OCRのAI拡張版という意味で、機械学習を組み合わせることで従来型OCRの弱点を補い、文字や数値を精度高く抽出する技術です。
手書き文字や非定型帳票にもしっかり対応できるため、幅広い業界や業務に適用できます。
最近ではディープラーニングを用いた手法が進歩し、読み取り精度の向上だけでなく、帳票のレイアウト分析や自動仕分けなど多彩な機能を実現しているのが特徴です。
AI-OCRの仕組みについて
AI-OCRの仕組みは、まず紙面やPDFなどの画像データから文字領域を抽出し、そこに含まれる文字をパターン認識によってデータ化する流れです。
ここで人工知能の学習能力を取り入れることで、通常のOCRでは誤りやすい箇所を補正できるようになります。
読み取り時のノイズや文字崩れに対しても、深層学習が特徴を捉えて継続的に学習するため、導入後に精度が高まる点が大きな強みです。
OCRとAI-OCRの違い
従来のOCRは予め登録されたフォントや文字パターンに基づいて文字認識を行うため、フォーマットが固定的でない手書き書類や非定型なレイアウトでは精度が低下してしまうという問題がありました。
一方、AI-OCRはディープラーニングによる特徴抽出機能を備え、紙面の変化や文字の崩れに印刷物と同様に対応できます。その結果、手書きや多彩な帳票を扱える柔軟性が大きく向上しています。
AIとOCRの融合のメリット
AIの学習能力が加わることで、運用中に蓄積された誤認識データを活かし、システムが自動的に修正や補正を学習していきます。
結果として認識精度が徐々に高まり、使うほど利用価値が増すのが特長です。
また、非定型帳票や自由記述欄が多い文書にも対応できるなど、導入用途が広がる点も大きなメリットといえます。
光学文字認識技術の進化とディープラーニングの活用
光学文字認識(OCR)とは、印刷物や手書き文字を含む画像上のテキストを、デジタルデータに変換するための技術です。
この仕組み自体は昔から存在していましたが、ディープラーニングの導入によって一段と強力な分析能力が得られるようになりました。
大量の学習データを用いることで、文字の微細なブレや文字と背景の違いをより正確に見分けられるようになり、その結果、非定型レイアウトや手書き文字であっても高い精度で読み取ることが可能になっています。
AI-OCRの主要機能
近年のAI-OCRでは、単に文字を読み取るだけでなく、帳票のレイアウト解析や仕分け、そしてRPAを通じたほかの業務システムとの連携など多面的な機能を備えています。
加えて独自の学習機能により、読み取り精度が継続的に強化される点も大きな魅力です。これらの機能を組み合わせることで、企業の業務プロセスをより迅速かつ効率的に変革できます。
高精度な文字認識とその技術
AI-OCRでは活字の認識精度が非常に高く、フォントの違いや傾きにも柔軟に対応できます。
また、文字の輪郭や濃淡を詳しく分析することで手書き文字に対しても精度の高い認識を可能にします。この高精度認識を支えるのは、ディープラーニングによるデータ解析と繰り返し行われる学習プロセスです。
手書き文字認識の実現と課題
昔ながらのOCRは手書き文字が苦手でしたが、AI-OCRでは個々人の筆跡に対しても学習を行うため、読み取り精度が大幅に向上しています。
ただし、文字が極端にかすれていたり、崩し字が多い場合には誤認識が発生しやすいのも事実です。こうした課題に対しては、入力時のルール整備や画像の品質向上といった対策がますます重要になります。
クラウド型AI-OCRサービスの利点
クラウド型を選択すると、初期費用を抑えつつシステムを早期に稼働させやすい点が利点です。インターネット経由で手軽に使えるため、拠点が複数ある企業やテレワーク環境にも対応しやすくなります。
また、ベンダー側で行われるアップデートや新機能のリリースを都度反映できるため、常に最新の認識精度を維持しやすいメリットも期待できます。
RPAとの連携による業務効率化
AI-OCRで読み取ったデータを自動的にRPAと連動させることで、転記や集計といった繰り返し作業を大幅に削減できます。
請求書や注文書などの情報をシステムへ自動登録するフローを構築すれば、人為的な入力ミスの回避にもつながります。結果としてバックオフィス業務を中心に、企業全体の生産性と正確性が向上します。
例えば、低価格で簡単に作れる国産RPAツール「Robotango」や 様々なシステムと連携して幅広い操作を自動化する「UiPath」などがあります。
トレーニングとチューニングによる認識精度向上
AI-OCRは導入後も継続的に学習データを増やすことで、認識精度を高められます。誤認識が発生した場合、その結果をフィードバックして再学習を行う仕組みがある製品も多いです。
また、細かいチューニングを行うことでレイアウトのバリエーションや新しい書式に対応し、使い続けるほど精度の向上を体感できるのがAI-OCRの大きな特徴です。
AI-OCRの導入メリット
業務効率化とペーパーレス化推進
AI-OCRを導入し、一度データ化すれば検索や集計、システム連携などが容易になります。これによって、紙の保管や手入力の見直しだけでなく、文書を探す時間なども大幅に削減できるでしょう。結果として、事務コストの抑制とペーパーレス化が同時に進みます。
手入力作業の削減と生産性向上
紙から文字を入力する作業は、集中力が求められるうえにどうしても入力ミスが生じやすいものです。AI-OCRを利用することで、自動認識したデータをワンクリックで確認すれば済むため、ヒューマンエラーを最小限に抑えつつ効率を高められます。
これによって作業担当者の負担が軽減され、より付加価値の高い業務にリソースを振り分けることが可能になります。
データ入力ミス防止と精度の向上
人が手で入力する場合、確認作業を徹底しても入力ミスゼロにするのは難しく、多大な時間を要します。AI-OCRなら、システム上で簡易的なチェックや補正を行う仕組みも備えていることが多く、ミスを抑えながら組織のデータ品質を高められます。
読み取り精度自体も学習を通じて向上するため、長期的に安定した運用が期待できます。
コスト削減と運営最適化
入力作業に携わる人件費の削減や紙の保管スペースの削減など、導入効果がコスト面にもはっきりと表れます。さらに、データ入力後の処理や管理フローが最適化されることで、意思決定や後続業務もスピーディに進められます。
こうした連鎖効果によって、組織全体の経営資源を有効活用できるようになるのがAI-OCR導入の大きな利点です。
AI-OCRの種類
AI-OCRには大きく3種類に分類されます。こちらではその特徴について説明します。
- 汎用 × 定型フォーマット型
- 汎用 × 非定型フォーマット型
- 業務特化 × 非定型フォーマット型
1.汎用×定型フォーマット型
請求書や注文書、納品書、申込書、アンケート用紙など、比較的レイアウトが決まっている帳票を扱う場合、このタイプのAI-OCRが有効です。
稼働させる前にフォーマットを設定しておく必要がありますが、導入初期から高い精度が期待できます。ただし、レイアウトが変化したり手書きの要素が多い帳票に対しては、別途追加設定や学習が必要になることがあります。
2.汎用×非定型フォーマット型
名刺や契約書、図面、領収書・レシートなど、多様なレイアウトや手書きが混在する帳票を取り扱う場合に有用なタイプです。
ディープラーニングを活用しているため、非定型の書式や読みづらいフォントなどにも広く対応します。一方で、多様なフォーマットに対応するために事前に多くの学習が必要で、継続的なチューニングも求められます。
3.業務特化×非定型フォーマット型
特定の業務や文書タイプに絞って学習・設計されているのがこのタイプです。
例えば、経理領域の請求書専用AI-OCRなど、範囲を限定しているからこそ導入のしやすさと高精度を両立できます。ただし、適用できる帳票の種類はどうしても制限されるため、柔軟な運用には別のソリューションとの組み合わせが必要になる場合もあります。
たとえば、請求書の入力作業や支払・計上業務を自動化できる invox受取請求書 や、あらゆる国税関係書類を電子保存できる invox電子帳簿保存 などが挙げられます。
AI-OCRの選び方と比較ポイント
AI-OCRは数多くの製品やサービスが存在し、いざ導入しようと思うと機能や価格、サポート体制など比較すべき要素が多岐にわたります。ツールの選定時には以下の点に注意すると良いでしょう。
- 使用する帳票に合っているか
- セキュリティ要件と個人情報保護
- コストパフォーマンスと価格比較
- 無料トライアルの有無
- API連携や他システム対応
- 対応言語とフォントへの対応
使用する帳票に合ったソリューションの選定
まずは導入検討前に、自社が取り扱う書類の形式や量を把握し、必要な認識精度をイメージすることが大切です。
定型・非定型の割合や手書きの有無などを明確にし、それに対応できるAI-OCRをピックアップすると選定がスムーズに進みます。
セキュリティ要件と個人情報保護の確認
クラウド型AI-OCRを利用する場合は、サーバーに書類データを送信するため、機密情報や個人情報保護の観点を十分に検討しなければなりません。
ベンダーがどのようなセキュリティ対策やデータの保管ポリシーをとっているかは事前に確認しておくことが、安全な運用を行ううえで欠かせません。
コストパフォーマンスと価格比較
AI-OCRの料金プランには、初期費用のみならず月額や従量課金などさまざまな形態があります。
安価に見えるプランでも、読み取り件数が多いとコストがかさむ場合や、オプション機能が別料金になっている場合もあります。そのため、実際の運用パターンに合った価格比較が重要です。
無料トライアルや導入前デモ
多くのAI-OCRベンダーが、一定期間の無料トライアルやデモを提供しています。
これらを積極的に利用することで、実際の書類を使った読み取り精度や操作性を確認できます。本格導入前に課題を把握しておけば、導入後のトラブルや期待外れを防ぎやすくなるでしょう。
API連携や他システムへの対応
読み取ったデータを外部の基幹システムに送ったり、RPAとの同時連携を考慮している場合は、API連携がどの程度柔軟かも大きな判断材料です。
利用中のワークフローや会計システムなどとスムーズに連携できれば、書類関連の業務プロセスを大幅に効率化できます。
対応言語とフォントへの対応
さまざまな言語やフォントを含むドキュメントを処理する際には、広範な対応能力を持つOCRソフトウェアの選択が重要です。
多国籍企業の国際文書や公的機関の多言語申請書、古文書のデジタル化、国際法務の契約書など、正確な文字認識が求められる場面で、対応力の高いソフトを使用することで変換精度が向上し、データ管理や入力が効率化します。
AI-OCRの主要おすすめツール11製品
DX Suite
DX Suiteは、AI inside 株式会社が提供しているクラウド型AI-OCRで、活字はもちろん手書き文字の認識にも対応しています。
高い精度と柔軟な運用ができるため、多くの企業で導入が進んでいる製品の一つです。クラウドサービスの特性を活かし、常に最新の学習データが反映される点も評価されています。
DynaEye 11
DynaEye 11は、株式会社PFUが提供するソリューションで、オンプレミス環境で高精度なAI-OCR機能を提供するソフトウェアです。
手書き文字や活字、バーコードなど幅広い文字種を99.2%の精度で認識し、データ入力業務の効率化を実現します。OCR処理はインストールしたPC内で完結するため、個人情報を外部に送信する必要がなく、高いセキュリティを確保できます。
AIRead
AIReadは、アライズイノベーション株式会社が提供するAI OCRソリューションです。
紙やFAXから電子化された画像ファイルの文字情報を高精度に読み取り、データ化を行います。最新のAI技術を活用し、活字や手書き文字、非定型帳票、チェックマーク、バーコードなど多様な形式に対応しています。
オンプレミス、クラウド、LGWANなど、さまざまな環境で利用可能で、RPAやETLとの連携により業務効率化を支援します。
LINE WORKS OCR (旧CLOVA OCR)
LINE WORKS OCR (旧CLOVA OCR)は、LINEのAI技術を活用したOCRサービスで、世界最高水準の認識精度を持ち、手書き文字や活字、表形式のデータなど、さまざまな書類のデータ化を支援します。
また、クラウドアプリケーションとして提供され、開発不要でWeb上から簡単に利用できる「LINE WORKS OCR Reader」と、APIを通じて自社システムに組み込むことができる「LINE WORKS OCR API」の2つの提供形態があります。
RICOH受領納品書サービス
RICOH受領納品書サービスは、紙帳票の処理効率化に実績のあるリコーが提供するAI-OCRソリューションです。
紙や電子形式の納品書をクラウドにアップロードするだけで、AI-OCRが明細行まで即時に正確に文字データ化します。また、AIがマスター情報を学習し、入力の負担軽減と業務の属人化解消を支援します。
DEEP READ
DEEP READは、株式会社EduLabが提供するAI-OCRサービスで、ディープラーニングに基づくAI技術を活用し、手書き文字や活字を高精度にデジタル化します。
業界トップクラスの認識精度を誇り、金融業界や医療機関、教育機関など幅広い分野で業務効率化に貢献しています。クラウド型、オンプレミス型、準オンプレミス型の導入形態に対応します。
SmartRead
SmartReadは、株式会社Cogent Labsの提供するソリューションで、シンプルなUIと幅広いフォーマットへの対応力が特徴です。
手書き文字や活字を99.2%の精度で読み取り、文書の自動仕分け機能も備えています。クラウド版とオンプレミス版があり、API連携により既存システムやRPAとの統合も容易です。
読取革命
読取革命は、ソースネクストが提供する高精度なOCRソフトで、紙文書やスキャン画像をテキストデータに変換し、編集や検索が可能です。
AIトータルアシスト機能を搭載し、ChatGPTと連携して誤認識の修正や要約を支援します。FAXやコピー文書、手書き文字の読み取りにも対応し、スマートフォン画像からも処理可能です。
また、Google Drive、OneDrive、Dropboxなどのクラウドサービスと連携できます。
AI帳票OCR「WisOCR」
WisOCRは、パナソニックが提供するAI帳票OCRソフトウェアで、手書き文字や活字を高精度に認識し、電子データに変換します。
多様な帳票形式に対応し、注文書、請求書、納品書、領収書、見積書などをアップロードするだけで、必要な情報をデータ化できます。また、QRコードやバーコード、チェックマークの読み取りにも対応しています。
invox受取請求書
invox受取請求書は、株式会社invoxが提供するクラウドサービスです。
請求書の受取から入力・支払・計上業務を自動化するAI-OCR機能を搭載し、AIが請求書のレイアウトを認識して日付や金額など必要な情報をデータ化します。データ化結果は画像と併せて確認でき、その後、会計システムやオンラインバンク、ERPと連携し業務を効率化します。
CADDi DRAWER
CADDi DRAWERは、キャディ株式会社が提供する図面データ活用クラウドサービスです。
独自の画像解析アルゴリズムとAI-OCR技術を活用し、図面データの自動解析、類似図面検索、関連データの紐づけを実現します。これにより、設計・調達・生産部門の業務効率化やコスト削減を支援します。
AI-OCR利用時の注意点
便利なAI-OCRも、導入や運用にあたっては理解しておきたい課題や注意点があります。
実際の業務フローにAI-OCRを組み込むと、必ずしも最初からすべてがスムーズに進むわけではありません。認識率が想定より低かったり、書類の品質やスキャン環境によって誤認識が生じるケースもあります。精度向上の施策や運用上の工夫を織り交ぜながら、継続的な改善を図っていく姿勢が重要です。
認識精度の課題と改善策
紙面が汚れていたり印字が不鮮明だと、どうしても認識精度が下がりやすくなります。
また、特殊な文字や記号が多い書類はカスタマイズが必要になるケースもあります。
改善策としては「スキャン時の解像度を上げる」「帳票のクリアな印刷を心がける」など環境面を整えることが挙げられます。また、誤認識が発生した文字を再評価していく仕組みを継続的に運用し、AIに学習を繰り返させることも効果的です。
誤認識時の修正作業と補正機能
AI-OCRは自動化を加速する技術ですが、まったくヒューマンチェックが不要になるわけではありません。誤認識時に修正作業を素早く行える画面や補正機能が整備されているかを確認することが必要です。
修正したデータを蓄積し再学習に反映するサイクルが整うと、実運用での精度はさらに磨かれるでしょう。
利用に適したケースと適さないケース
AI OCRの利用に向いているのは、印刷された文字や定型フォーマットの書類が大量にある場合や、手入力によるミスや時間コストを削減したい場合などが挙げられます。大量の請求書やアンケートのスキャンデータなどが良い例でしょう。
一方、手書き文字が極端に崩れていたり、画像が低解像度で文字が判別しにくい場合などでは、認識精度が大きく低下し、誤認識が多発する恐れがあります。また、複雑な図表や装飾が多いデザインは解析が難しく、追加の修正作業が必要になることもあります。
画像データの品質と処理精度への影響
スキャンや写真撮影の際に照明や解像度に気を配らないと、認識精度が大きく落ちる恐れがあります。なるべく歪みの少ない画像や適切な解像度で取り込むようにし、テストスキャンを行って最適な設定を見つけると良いでしょう。
画像の品質が高ければAI自体のポテンシャルを十分に引き出すことができます。
AI-OCRによるDX推進の事例
1.請求書や受発注伝票の自動入力
経理部門では、請求書や領収書、受発注伝票などの紙書類をAI-OCRで電子化し、会計システムへ自動登録する事例が増えています。
最終的な承認フローもデジタルで行うことで、処理時間の短縮に加え、支払いや在庫管理の正確性が向上する好例となっています。
たとえば、請求書の入力作業や支払・計上業務を自動化できる invox受取請求書 や、あらゆる国税関係書類を電子保存できる invox電子帳簿保存 などが有名です。
2.製造・建設現場での検査記録や作業報告の電子化
現場作業の検査や点検結果を紙のチェックシートで扱っているケースでも、AI-OCRを活用して報告書を即時に電子化し、管理システムへ取り込む例が見られます。
これにより、担当者が現場で記録した手書きメモやサインもデータ化され、リアルタイムに共有や分析が行えます。
3.インボイス制度対応での活用
インボイス制度の導入によって、より多くの書類を正確に管理するニーズが高まっています。
AI-OCRにより請求書や納品書、発注書を素早くデジタル化しておけば、制度への対応に要する工数を軽減し、事務作業の確実性を高めることが可能です。
4.手書き図面の一部読み取り・既存システムとの連携
建設や製造の現場では、図面上の寸法や注記が手書きで追記されることがあります。
AI-OCRを利用してその数値や文字情報を抽出し、CADソフトや在庫管理システムに反映していく事例も増えています。従来手作業だった入力を自動化することで、設計変更や情報共有のスピードが格段に上がります。
AI-OCR技術を活用し、図面データを自動で読み取って構造化するクラウドサービスとしては、CADDi DRAWER 等が有名です。
AI-OCR活用ならABKSSにご相談ください
AI-OCR技術の導入は、作業効率の向上やコスト削減、人為的ミスの低減といった多岐にわたる効果をもたらしますが、選び方を間違えると効果を最大限に発揮できません。
選ぶポイントは先述した通りですが、重要なのは自社の業務プロセスや課題に合った機能を正しく見極めることです。
ABKSSでは、これらのポイントをしっかり押さえた最適なソリューションを提案いたします。AI-OCRツールの導入をご検討の際は、ぜひお気軽にご相談ください。
おわりに
AI-OCRは紙書類のデジタル化を強力に後押しするテクノロジーです。
手入力からの解放やヒューマンエラー低減など、AI-OCRによるメリットは多岐にわたります。企業のDX推進を考えるうえでも、紙ベースの情報をいかに迅速かつ正確に電子化するかは重要なポイントとなるでしょう。
導入コストやセキュリティ面の比較検討は必要になりますが、将来的な業務効率化やコスト削減効果は大きいと考えられます。
ぜひ自社にあったAI-OCR製品やサービスを活用し、より生産性の高い業務運用を目指しましょう。