Matterport アドオン|標準機能+アドオン活用で独自ニーズにも対応

Matterport(マーターポート)は、3Dスキャン技術を駆使して、工場や建築現場、不動産物件など、実際の空間をそのままデジタル化し、いつでも・どこからでも確認できる「バーチャル空間」を生成します。
単なる3Dモデルにとどまらず、注釈や図面生成、CAD/BIMとの連携など、ビジネス活用を前提とした多彩な機能を備えているのが特徴です。
本記事では、Matterportの基本情報や導入メリットを解説しつつ、特に活用の幅を大きく広げる「アドオン機能」について詳しく紹介します。
このような方におすすめの記事です
Matterportの導入を検討している方
アドオンツールを活用してMatterportをもっと活用したい方
目次[非表示]
Matterportとは?

Matterport(マーターポート)は、空間を3Dスキャンしてデジタル上に立体的なモデルを生成できるプラットフォームです。
専用のカメラ(Matterport Proシリーズ)や、対応する360°カメラ・スマートフォンを使って撮影した画像データをクラウドにアップロードすると、自動で高精度な3Dモデルが生成されます。
生成されたモデルは、ブラウザやスマホアプリで簡単に閲覧でき、ユーザーはまるで現地にいるかのように自由に歩き回り、細部を拡大・確認できます。
主な利用シーン
不動産:バーチャル内覧により、来場前に物件の雰囲気を伝えられる。
建設・建築:進捗管理や設計変更の確認をオンラインで実施可能。
製造業・設備管理:工場やプラントの点検やメンテナンスを効率化。
観光・教育:美術館や文化財、展示会などをデジタルで公開し、来訪者体験を拡張。
世界150カ国以上で利用され、デジタルツイン分野のリーディングサービスとして認知されています。
▼現場で撮影された、Matterportによる3Dデータサンプルをご覧いただけます(無料)。画面上を自由に歩き回れるウォークスルー形式で、圧倒的な再現性と臨場感をぜひ体感してください。
Matterport導入のメリット
現地に行かなくても正確に把握できる
Matterportは空間を高精度な3Dモデル化することで、現地に行かずとも正確に空間を把握できる点が最大の魅力です。不動産での内見にかかる時間や手間を大幅に省略でき、建設現場では関係者間の認識のズレを減らして施工ミスやトラブル回避に効果的です。
没入感のある3D体験が可能
Matterportは、4K高精細なスキャンとリアルな360°バーチャルツアーを実現し、ウェブブラウザやVRゴーグルでまるで現地にいるような臨場感のある体験を提供します。
写真や動画では伝わりにくい空間の奥行きや質感が伝わり、魅力度が段違いです。
撮影精度×自動処理で高精度なデジタルツイン
Matterportは、AI機能(Cortex AI)を活用し、撮影データから間取り図や寸法の自動生成も可能です。CAD(DWG)やBIMファイルへの変換も対応しており、設計・建築用途での高精度かつ効率的なデジタルツイン構築に最適です。
操作が簡単で、業務効率&コスト削減が可能
専用カメラで数十分のスキャンのみで空間モデルが完成し、クラウド上で関係者が共有・閲覧することが可能です。操作が簡単なので、移動・段取りの手間を大幅に削減しながら、作業重複の防止や業務効率向上を同時に実現できます。
Matterportの基本編集機能
Matterportは、標準機能だけでも十分に実用性があります。代表的なものを整理すると以下の通りです。
タグ:リンクやテキスト、画像をモデル内に埋め込み、解説や資料を提示できる。
注釈:関係者がモデル内にコメントを残し、オンライン上で意見交換可能。
測定機能:距離・面積・高さを正確に測定し、リノベーションや施工管理に活用。
ガイドツアー:視聴者を特定のルートで案内する機能。プレゼンや営業に最適。
ミニマップ・コンパス:空間内での現在地や方向を把握できる。
AI ぼかし機能:モデル作成時に個人情報(顔・ナンバープレートなど)を自動で検出・マスクする機能。
物件レポート:AIによるフロアプラン自動生成。
共有機能:URL共有、パスワード保護、プライベートモードなど柔軟に設定可能。
- 同時編集機能:複数の関係者がモデルに同時アクセスして注釈やコメントを追加可能。
アドオン機能の種類
Matterportは、標準機能だけでも十分に実用性がありますが、さらに高度なニーズに対応する様々なアドオンも提供されています。モデルをアップロードしたら、[アドオン] タブを使用して、ユースケースに適した機能を追加できます。
ここでは代表的なものをカテゴリーごとに解説します。
データ出力関連
MatterPak™ Bundle
ZIP形式で提供される3Dアセットパックで、高解像度のフロアプラン画像、天井反射図、色分けされた点群データ、テクスチャ付きOBJメッシュを含みます。建築設計や施工ドキュメント作成にそのまま活用できます。
E57ファイル
高密度な点群データをE57形式で出力できるアドオンです。E57は、MatterPakのXYZデータに比べて点群密度が10倍以上詳細で、ベンダー非依存で他社アプリへのインポートにも適します。
図面式フロアプラン(平面図)
各部屋の寸法や延床面積、物件の特長を示したイラスト付き平面図を、PNG・SVG・PDF形式で提供します。営業資料、パンフレット、不動産広告での利用におすすめです。
CAD / BIM変換
CADファイル作成サービス
DWG形式での出力により、AutoCADなど各種CADソフトへ簡単に取り込める設計図面を提供します。設計・施工現場での即利用に最適で、Professionalプラン以上で利用可能です。
<条件>
- Professionalプラン以上を利用している方
- Matterport Pro3、Pro2、Pro2 Lite、Pro1カメラを使用
BIMファイル作成サービス
Revit(.rvt)やIFC形式でBIMファイルを出力でき、建築・設備系の設計・施工管理、施設運営に即対応できます。LOD200レベルの精度を持ち、現場で幅広く活用可能です。
<条件>
- Professionalプラン以上を利用している方
- Matterport Pro3、Pro2、Pro2 Lite、Pro1カメラを使用
外部プラットフォーム連携
Autodesk Construction Cloud(ACC)
MatterportモデルをAutodesk Construction Cloud(ACC)に統合し、デジタルツインのRFIなどのプロセスやBIM/MatterPakなどアドオン資産をリアルタイムに同期・共有できます。
<条件>
- Businessプラン以上を利用している方
Googleストリートビュー連携
撮影したパノラマ画像をGoogle ストリートビューに直接掲載可能です。店舗内部のバーチャル表示により、オンラインでの安心感や集客効果が期待できます。
不動産向けコンテンツ配信
Realtor.com、Homes.com、Redfinなど、不動産ポータルに3Dモデルを自動的にフィード配信します。リスティング作業を自動化し、露出拡大に貢献します。
番外編:便利なプラグイン機能
アドオンに加えて、Matterportには操作性や閲覧体験を向上させる「プラグイン機能」も存在します。ここでは代表的なものを番外編として紹介します。
コンパスプラグイン
北方向を表示して直感的にナビゲーション可能にする機能です。大規模施設や複数フロアを持つ建物でも、ユーザーが迷わずモデル内を移動できるようサポートします。
ミニマッププラグイン
空間全体の俯瞰マップを表示し、現在位置を確認可能です。工場やショッピングモールなどの広い施設で、ユーザーの利便性を大幅に向上させます。
ガイドツアー拡張
特定ルートを自動再生し、重要なポイントを効率的に提示します。営業プレゼンや展示会での案内に活用でき、視聴者の理解度を高めます。
API/SDK連携
MatterportモデルをWebサイトや社内システムに組み込み可能です。独自のUIや業務フローに合わせたカスタマイズを実現できます。
こちらの情報は2025年9月1日時点での情報です。最新の情報はメーカー公式ページでご確認いただくか、こちらからお問い合わせください。
参照:https://support.matterport.com/s/article/Available-Add-Ons?language=ja
アドオン選びのポイント
Matterportのアドオンは豊富ですが、全てを導入すれば良いというわけではありません。こちらではアドオン選びのポイントについて紹介します。
利用シーンから逆算して選ぶ
アドオンは数多くありますが、自社の業務に直結するものを優先して選ぶことがポイントです。
不動産業界:物件紹介ではチラシやポータルサイトに即活用できる「概略フロアプラン」や「Googleストリートビュー連携」が効果的です。
建設・製造業界:設計や施工管理には「BIMファイル」や「CADファイル」の導入が必須です。既存の設計フローに直結し、打ち合わせや進捗確認を効率化します。
出力データの互換性を意識する
自社や取引先が利用しているソフトウェアに合った形式を選ぶことが重要です。
例えば、建築設計ではRevitやIFC形式が求められる一方、製造現場では高密度点群E57が使いやすいケースもあります。互換性を意識しないと「せっかく出力しても活用できない」というリスクにつながります。
プランや利用条件を確認する
多くのアドオンはProfessionalプラン以上が対象となり、Starterプランでは利用できない場合があります。また一部では、特定のカメラ(Matterport Proシリーズ)でのみ対応可能という場合もありますので、事前に確認しておくようにしましょう。
導入効果を定量化する
アドオン導入の判断材料として「どの業務がどれだけ効率化されるか」を、事前に数値で見積もると余計なコストや失敗を防ぐことができます。
たとえば、遠隔会議での現場確認回数が月5回から月1回に減れば、交通費や人件費の削減額を明確に示せます。こうした定量効果を見える化すると、社内稟議も通りやすくなります。
おわりに

Matterportは、単なる3Dスキャンツールではなく、「空間をデータ資産に変えるプラットフォーム」です。基本機能だけでも十分価値がありますが、アドオンを組み合わせることで、業務効率や顧客満足度をさらに高められます。
ABKSSは、Matterport正規販売代理店として、機材選定から導入後の活用サポートまで一貫して対応します。撮影代行や運用相談、デモ体験も可能ですので、安心してご導入いただけます。
「まずは試してみたい」という方から、「業務全体に組み込みたい」という企業様まで、ぜひお気軽にご相談ください。
▼現場で撮影された、Matterportによる3Dデータサンプルをご覧いただけます(無料)。画面上を自由に歩き回れるウォークスルー形式で、圧倒的な再現性と臨場感をぜひ体感してください。
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