BIMソフトウエアの最新版「Archicad 28」リリース!新機能について分かりやすく解説
グラフィソフトジャパンは、BIMソフトウェアの最新バージョン「Archicad 28」の日本語版を2024年10月3日にリリースしました。 本記事では 「Archicad28」で新たに追加された機能をご紹介していきます。導入ご検討中の方の参考になれば幸いです。
こんな方におすすめの記事です
- Archicad の導入を検討している
- Archicad 28 の新機能について知りたい
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Archicad(アーキキャド)とは
Archicadは国内でもっとも人気のあるBIMソフトのひとつで、読み方は「アーキキャド」です。
開発元は、GRAPHISOFT(グラフィソフト)社という、1982年に設立されたハンガリーの企業です。1987年のArchicadの販売開始から、建設業界においてトップクラスの地位を確立し、現在では世界108カ国27言語に対応しています。
Archicadは建物の企画・設計・施工・維持管理のライフサイクルにおいて、大きな革命をもたらしました。従来主流であった図面(CAD)やパースソフト、表計算ソフトの管理可能な範囲を画期的に拡張し、建物を構成するモデルに情報を付加できるようにしたのです。これが通称「BIM」データです。
Archicadは、30年間蓄積されたノウハウとさまざまな独自のソフトウェア技術により、機能が最適化されています。
Archicad28 に搭載された新規機能
グラフィソフトジャパンは、BIMソフトウェアの最新バージョン「Archicad 28」の日本語版をリリースしました。こちらでは、Archicad28 で追加された新規機能について紹介します。
これらの新機能については、Archicadを起動すると表示される新機能の概要ビデオからもご覧いただけるのでチェックしてみてください。
1.スマートデザイン
①キーノート
新しいキーノート機能により、図面やドキュメントの一貫性が向上し、鮮明で読みやすい資料が作成できます。キーノートは、規定に基づいたデータベースから情報を引き出し、ノートの内容を統一することで、図面や仕様書の調整がスムーズになり、デザイン分野間のコミュニケーションを改善します。
②屋根の開口
Archicad 28では、屋根の開口作成が迅速になり、単一平面や複合屋根に開口を配置でき、煙突やシャフトのための切断が可能です。新たな「投影」平面図表示で、実際の切断箇所をモデルベースで確認でき、開口や傾斜要素の配置も改善されました。
③距離ガイドの改善
距離ガイドが完全に統合され、プロジェクトのモデリングがより速く正確に行えるよう改善されました。距離ガイドを任意の辺や点にアタッチでき、新しい基準点でドアや窓の位置決めが簡単になります。
④強化されたデザインオプション
Archicad 28ではデザインの管理が簡単になり、迅速な決断が可能です。新しいパレット機能でオプションの作成や編集が容易になり、チームワークの管理も改善。デザインオプションの選択や欠落の通知機能が強化され、ワークフローが効率化されました。
⑤物理ベースの向上
Archicad 28の物理ベースレンダリング機能は、リアルなビジュアリゼーションを可能にし、プロシージャル生成された空やアンビエントオクルージョンの改善、シャドウマッピングなどが強化されました。これにより、影の表現がより自然になり、露出制御とbloom効果で視覚的な品質が向上します。
⑥テキストラベルオプションの向上
Archicad 28のテキストラベル機能は、フレームの幅と高さを自由に設定でき、一貫性のあるラベルサイズを実現できます。また、新しいフレームスタイルとして円形、矩形、丸みを帯びた矩形など、デザインに応じた選択肢が増えています。
⑦Rhino-Grasshopper-Archicad 接続
パラメトリック設計機能が拡張され、柱と梁の設計が強化されました。終端の切断や縦断曲線、円形梁のモデリングが可能になり、軸の回転や基準軸設定が追加されています。
また、Grasshopperからのホットリンクモジュールのサポートで、要素配置や更新が効率化され、より柔軟な設計が可能です。
⑧AIビジュアライザー
AI ビジュアライザーがより使いやすくなり、MacOSとWindowsで利用可能です。クラウドでの計算により、簡単に高品質な画像やスケッチを生成し、デザインの代替案を即座に提供します。
⑨ライフサイクル評価
ライフサイクル環境影響分析では、情報に基づいた意思決定が持続可能な設計に繋がります。One Click LCAがMacOSをサポートし、地域別にLCAソリューションが利用可能です。Design LCA 5.0では材料データベースとの連携が強化されました。
⑩BIMmToolの改良により点群の処理が向上
BIMmToolアドオンが改良され、大規模な点群の処理とBIMモデルへの変換が迅速かつ容易になりました。インポート後、密度を50%、25%、10%、5%に変更可能で、最適化されたパフォーマンスで大きな点群も処理できます。
2.シームレスなコラボレーション
①MEPデザイナー
MEP デザイナーは、Archicadに統合されたMEP設計ツールで、設計者とエンジニアが同じプラットフォームで効率的に協働可能です。ルート仕様によるサイズ調整、MEPブラウザでの流量計算、接続エラーの確認、サイズ変更が簡単に行えます。
断面図や立面図でのモデリング、ルート配置のカスタマイズも強化され、精度が向上しました。
②新規および更新されたファイル形式
Archicad 28対応のIDS(Information Delivery Specification) 機能により、IFCワークフローが効率化されました。IDSファイルをインポートし、必要なデータや分類を自動生成します。また、BCF 3.0のインポート・エクスポートにも対応し、課題管理が向上しました。
3.スムーズなユーザー体験
①新しいホーム画面
Archicad 28の新しいホーム画面は、合理化されており、最近使用したプロジェクトやニュース、ライセンス情報をすぐに確認可能です。標準ツールバーからホームにアクセスでき、操作がより効率的になりました。
②初心者でも効率よく利用できる
Archicadでは、新しいインタラクティブツールヒントが追加され、初心者でもすぐに効率よく利用できます。各ツールの使い方を確認でき、短いビデオやミニデモで段階的なガイダンスを提供。ツールチップは必要に応じて表示やオフ設定が可能です。
③簡単なArchicadアップデート
Archicadのアップデートは自動で確認され、バックグラウンドでダウンロードが可能です。新しいバージョンが準備でき次第通知され、ワンクリックでインストール。ライブラリ更新も通知されますが、ダウンロードはGraphisoftのサイトから行います。
④グローバルライブラリ
Archicadのグローバルライブラリは、汎用ライブラリと柔軟なローカリゼーションオプションでツールを強化します。大規模なライブラリパッケージ(libpacks)が含まれ、全市場向けにオブジェクトが提供されます。テンプレートに基づいた標準設定により、ドアや窓などの属性が調整されます。
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おわりに
本記事では「Archicad28」の新規機能についてご紹介しました。
キーノートによる図面の一貫性向上、屋根の開口作成や距離ガイドの強化、物理ベースのレンダリングやAIビジュアライザーの追加などがあり、操作性とコラボレーション機能も強化されています。また、新しいホーム画面や簡易アップデート機能により、初心者にも優しいユーザー体験が提供されています。